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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト」No.12


前回のお話 ↓


入院から数日が過ぎた頃、私は病室のベッドで1人涙を流していた。

症状は次第に悪化の一途をたどり、もう長くはないだろうと覚悟が決まっていた。

その時、病室のドアをノックする音がしてドアが開く。

「沙羅さん、大丈夫ですか?」

佐久間君が慌てて駆け寄ってきた。

「佐久間君...」

涙声で名前を呼ぶ私を見て、佐久間君も声を詰まらせる。

しかし、その時私は思った。

そうだ…。

佐久間君はこれからも生きていくんだ…。

そして…。

私の人生はあと半年で終わる。

お別れしなくちゃ…。

ちゃんとお別れできるうちに…お別れしておかないと…。

私はそう思いながら再び涙を流して崩れ落ちる。


そして意を決したかのように顔を上げ、佐久間君の目を見て言った。

「ねぇ...佐久間君」

「なんですか?...」

「今までありがとうね...」


その言葉を聞いた佐久間君の目にも涙が浮かぶ。

佐久間君は何を言っているんだと言わんばかりの表情だったが、そのまま続けた。


「私たち...」


一呼吸置いて


「お別れしましょ...」


しかし、私の手を握り声を詰まらせながら佐久間君が言う。


「こんな状況で...ごめんなさい...立派な彼氏になれなくて...」


「沙羅さんがいれば、それで十分です」


「僕は最後の一秒までそばにいさせてほしい!」

その言葉に私は大号泣した。

そうだ。こういう人だった。

佐久間星夜とはこういう人だったのだと、改めて実感した。

2人は抱き合い、涙を流し合った。

それからは、佐久間君がなるべく面会に訪れるようになった。

時には一緒に食事をしたり、病室のベッドでおしゃべりを楽しんだ。

佐久間君の励ましが私を支えていた。

幸い頭痛は薬で抑えられていたので、それほど苦にもならなかった。

ある日、佐久間君が大きな荷物を抱えて面会に来た。

「これ、沙羅さんのために用意したんです。開けてみて」

箱の中にはノートパソコンと周辺機器が入っていた。

「退屈しないようにって思って。これがあれば一緒にゲームできますよ」

私は嬉し涙を流し、佐久間君に深く感謝した。

そして、2人で楽しくゲーム三昧の日々が始まったのだった。


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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト」No.13 へ続く…

続きは ↓


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