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<読書記録>マルチと新興宗教と陰謀論と-エデュケーション/タラ・ウェストーバー

ありがたいことに1年前に書いたマルチ商法の記事が今でも読んでくれていて、私が書いた記事のうちの15%ぐらいはこのマルチの話だったりする。

で、前回の記事では健康食品とマルチの相性が良いってことにも触れている。いわゆる擬似科学、ニセ科学、トンデモ科学などと呼ばれる分野と親和性が非常に高い。

例えば最近だと水素水とか、波動とか、チップチェッカーとか・・・マルチだけでなくスピリチュアルな陰謀論とも親和性が高い。例えばチップチェッカーを解説すると

チップチェッカーとは
コロナワクチン接種者から発信されるBluetooth信号を、スマホやイヤホンなどから発せられる通常の信号と区別して検出できるAndroidアプリです。

出典書くと怖いから各自検索してくださいな

コロナワクチンを接種すると体内にナノマシンを埋め込まれて”奴ら”の思い通りに思考を操られてしまうという陰謀論。人類補完計画的なノリかと思うような妄想が垂れ流されている。怖い。そんな技術があるならさっさと電脳化しちゃいたいよ。

歴史上陰謀論で世界は動いていかないとわかっていればこう言うトンデモ理論に巻き込まれないはずなのにね。

前置きが長くなったけど、今日紹介したい本はこちら
”エデュケーション 大学は私の人生を変えた/タラ・ウェストバー”
タイトルだけ見ると、勉強の大切さを訴えている本のように見えるけど、サバイバリストの家庭で育った著者がその洗脳を解いて大学に入る衝撃の実話なんですよね。

エデュケーション/タラ・ウェストバー

ハーバード大学研究員が告白する、衝撃の半生。
狂信に溺れる家族から彼女を救ったのは、教育だった。
「おまえの家族はこっちだ。おまえはこちら側の人間だ」――モルモン教を狂信し、世界の終末に備えなければならないという妄想に取り憑かれた父親の絶対的支配のもと、タラは学校へ通うことを禁じられた。あらゆる傷と病をハーブで治せると信じる母、繰り返される兄の暴力、アイダホ州の山奥で強制される過酷な廃材回収業。壮絶な環境のなか、彼女は家族という呪縛をいかにして脱け出し、ケンブリッジ大学で博士号を取得するにいたったのか? 家族、宗教、そして教育は、人間の尊厳をどのように変えていくのか? 全世界800万部突破、衝撃の手記。解説/桜庭一樹

Amazonより拝借

そもそもサバイバリストとは何かというと、プレッパーとも呼ばれており自然災害や経済恐慌などに対して日常から備えており、かつ中央政府や自治体の公的支援をあてにせず独力だけで生きて行くと決心した人たちのこと。

日本の自給自足やってます!という人に比べて強力な個性を発揮しているイメージ。なんというか極端です。。。

さて、この著者のタラさんの家庭はどうだったかというと、
・サバイバリストの家庭
・敬虔なモルモン教信者
・父親は中央政府の陰謀を知っている
・子供の出生証明は出さない
・病院には行かせない
・解体業を営み常に怪我と隣り合わせ(タナも幼い頃に鉄が脚を貫く、兄貴は全身やけどなど。。。)
・母親はハーブとホメオパシーで全ての病気を治す
・母親は助産師(ただし、無資格)
・交通事故を起こしても病院にいかない
いや、数え役満どころじゃないですよ。

この本が最初に目に入った時に「サバイバリスト」って言葉が過酷な環境を生き延びた子供のことだと思ったぐらい悲惨な人生。

想像を絶する環境と、少しづつ照らし始める細い光、そしてその光を掴んでおかしさに気づき始めるタナの心境や状況に心を締め付けられ、ゾクゾクさせられる。そして、生きる上で教育や学びが本当に必要だと感じる。そんなおすすめの一冊です。約600Pと少しボリュームが大きいですが、気づきを得られること請け合いなし。宗教2世問題・陰謀論・似非科学などに興味がある人も読んでほしいです。

それじゃ、また。


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