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PTAの憂鬱

昨晩、娘の学校のいわゆるPTA的集まりに嫌々顔を出して参りました。めんどくせ。

そこそこ長くドイツに暮らしてる割に、どうにも食指が動かず、万年雰囲気ドイツ語でサバイブするわたしには非常に憂鬱なやつ。

娘の父親は同じ町に居ないので、ガイジンシングルマザー、渋々参加の道しか残されておらず。

ドイツの学校システムは日本のそれと違い、
グルンドシューレ(小学校)は4年生まで。
その後は進路に合わせてそれぞれ違う学校へ。

いわゆるアカデミックな道、大学進学を目的にする子どもらはギムナジウムという、いわゆる中高一貫教育な学校に通うのであります。

ドイツの公立大学はほぼ無料なだけに、本当に勉強をしっかりしないと入れない。これ、いいシステムですね。ギムナジウムの終わりにアビトゥーアという一斉テストがあり、これをクリアーしない限り、大学には進めないという仕組み。

ちなみに、まじで落第とかもあるし、成績がふるわなければギムナジウムから追い出されるという徹底ぶり。

というわけで、ギムナジウムのPTAはいわゆる教育熱心な親御さんが多いという流れ。

娘はギムナジウムに通い出して2年目の6年生。
まだ思春期入りたてのもうすぐ12歳。同じ敷地内にいる11年生とか、ヒゲ生やしてるにいちゃんやら、クロップドのぴったり身体の線あらわなイケイケなおなごもいて、青春の眩しさ凄まじい。

話をPTAの夕べに戻そう。

さて、世界的には日本人の次に時間厳守といわれるドイツ人。父兄の皆様は時間前からスタンバイ。

わたし、開始1分前に滑り込む。ぜえぜえ

担任の先生が、まずクラスの様子なり、伝達事項などを話し始めると、

すかさず始まる質問の嵐。

だがな、だが、先生の話は既にあれこれかなりしっかり網羅されていて、質問を考える方が困難なくらい、長めにかつ細やかに話をされている、にも関わらず、

とにかく質問したがる父兄の皆様。

しかも、それ本当に聞きたい?ねえ、それ聞いてどうすんの?それ今必要?え、なに、質問せずにはいられない病気かなんかなの?

みたいなのが連発。暴発。

わたし同様、白目むいてる保護者は少数派だけど一定数いて、みな隠しもせずうんざり顔。

なんか言わないと罰ゲームとかあるのかしら。
熱く議論が始まる、のはいいんだが、いかんせんまじでクソどうでもいいことを大真面目にあれこれやる上に、ひたすら長いので、ドイツ語集中力がぷつっと切れて、もう何も入ってこなくなる。

と、突然多数決とか始めてるから、
なんかしらんけど手を上げたりしてみたり(ひどい)

そこにいることに意味があるのだ。
わたしがそこに存在するだけで、それでいいのだ、と窓際のトットちゃんしながら空想に耽りながら、時間の過ぎ行くのを待つばかり。

ああ、小学校の頃からなんも変わってないなわたし。三つ子の魂永遠です。言語のせいやない、興味がないと音声が消えるのは昔からや。

ちょこちょこ正気に戻って話を聞いてみて思うのが、父兄様たちの過保護、過干渉ぶり。

ひとりの親が、
「ドイツ語(国語)の先生のやり方が高圧的で、うちの子は国語に対するモチベーションが下がってしまった」

とはじめたら、怒涛の国語の先生叩き開始。

「忘れ物しただけで成績に響くのを娘が怖がっていて、そんなやり方はよくない」

とか、

「筆記体で書かせるなんて時代遅れだ。こどもたちのやる気を奪う」

とか。

「新しい国語の先生は高齢だからやり方が今に合わない。もっと若い先生にして欲しい。30代、40代とか」

し ら ん が な

学校という場で、いろんなやり方をする様々な先生に触れて、それでええやないか。

理不尽や相性の悪さだって、生きてりゃあちこちで遭遇するんやぞ。

合わないなりに合わせる方法模索しろや。
意地悪な先生なんてむしろあるあるやろ。

と、議論には参加せず、
心の中で鼻くそほじる内弁慶な日本人のわたし。

国語の先生、わたしは存じ上げませんが、
授業をみたわけでもない親御様たちが、
こどもの一方的な言い分だけを盾にプンスカして辞めさせろとかさ。気の毒やわ、先生。

帰宅後、娘に「国語の先生どんな人よ?」と聞いたら「時代から取り残されたおばさん」との返答。

「まあ、いろんな人がいるからねー」と晩御飯の鮭をつつく娘を見て、自分の適当さが珍しくよい作用をして継がれていることに安堵したのでした。

そういや、娘の関わる先生たちは学校も習い事もそれぞれいい人ばかりだよねー、という話をしたら、

「それはママの他人に期待するハードルが低いからだよ」とのこと。

たしかに。

先生にはこうあって欲しいとか、こうやって欲しいとか、外野から違うやり方を強要されれば、先生たちも身構えるよね。

他人に期待せず、自分にだけ期待して、
他人を変えずに、自分の矛先を変えて、

そこにあるものと折り合いをつけることも大事かなと。人は基本変わりませんから。

まあ、件の国語の先生がとんでもなくクソであり、更迭される可能性もまだあるけどさ。

まあ、とりあえず文句いう人はどんな環境でも、なんかしら見つけて文句いうから。

文句いうとパアッと高揚する物質が多めにでちゃうタイプなんでしょう。出させてあげればよろし。

そんなわたしは教育に疎く、娘に「Youtubeガンガン観て最新日本文化取り入れろ」「マンガやアニメで語彙力増やせ」とか言ってるダメ母なので、まあいろんなやり方でよろし。

あれもそれもこれも、みなよろし。

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