音楽ミックス、マスタリングのウソ、ホント
こう感じたことはないだろうか
本やネットに書かれているミックスの仕方を真似しても同じ様な結果にならない、、、、
もしくは納得のいく結果にならない、、、、
と。
これにはとあるカラクリがあります。
それは
「上流」が全てプロフェッショナルに行われていることが大前提になる情報、と言うことだ。
例えば、
「ボーカルミックスがうまく行かない、、YouTubeで調べたのを真似してもうまく行ってる感じがしない、プロと何か違う、、」
なぜかと言うと、ミックスの一つ上流である「録音」がうまく行ってないから。
もっと言うと録音の一つ上流である「編曲」がうまく行ってないから。
編曲の上は、作曲、作曲の上は演奏家の実力(出音)
つまり
本やネットで流れているミックス、マスタリングの情報というのは
演奏家→良い
作曲→良い
編曲→良い
録音→良い
が大前提なのである!!!
目からウロコの人もいれば、絶望して全て萎えた人もいれば、そんな事分かってるよすんなりできたら苦労しないよ、という人も居るのではないでしょうか。
ただし、
「そぅかぁ、、結局そうよな、、」
と萎えるのはまだ早いです
音楽ミックスには正解が無い、というのも事実です。自分なりのオリジナルを生み出すという事にフォーカスを当てるのも良いと思います。
「音楽」から「芸術」へと思考を切り替える感じです。
音楽と芸術は厳密には似て非なるものです。芸術の世界はこの世にないものを生み出し、表現し、何かを伝えるものです。相対的に誰かよりどうだ、なんて比べるものではありません。
唯一無二の自分のアートを作れば良いのです。
でもやっぱりエンターテイメントとしての自分の音楽をもっと良いものにブラッシュアップしたい、という人の為に少しだけヒントを書いておこうと思います。
まず演奏家としての実力
こちらはたくさん歌ってたくさん演奏してください。目を閉じて、耳を100%使用し、常に新しい演奏にトライすることをやめないで下さい。
(人間は通常五感のうち、視力に80%を使用すると言われている)
できれば、ピアノかギターで弾き語りをしてください。
そしてカラオケや、コード譜などの、サポートされた環境ではなく、
暗譜し、暗記し、弾き語りを演奏できる様にしてください。
これによって
歌詞の語彙力
演奏を最後まで完遂させるという集中力
楽器が鳴らす和音の音感(ハモリを作る時有効)
が身につきアウトプットできる様になります。
次に作曲力
これは日々好きな音楽を聴いてください。
ただ、聴くだけではなく、どんな音が鳴ってるのか意識しながら聴くのです。音がどの様に構築されていて、どんな意味があって用意された音なのかを確認する様に聴くのです。
これだけでアウトプットできるようになります。
これをリスナーの様にBGMの様に聴いてしまうと、自分の描いている音を言葉にしたりできないまま想像力だけが発達していき、周りを困らせる結果になるかもしれません。
例えば、
Bassが、ド→シ→ラ→ソ→ファ
と下がっていったのに対して
Vocalが、ド→レ→ミ→ソ
と上がっていってるな
そうかこれはカルテットの様にアンサンブルされた構成なのか!
と気づく。これを意識してるだけで作曲時の世界は全然違って見えます。
作詞はまた違う世界なので今回は割愛します。
次に編曲
これも実はほぼ作曲のコツと同様ですね
ただ、いくつか僕はやり方を持っていて
ます。
既存メロディを一旦無視してバッキングを弾いてみる
既存メロディを、なぞった弾き方をしてみる
既存メロディに対してカウンターメロディになってる弾き方を、試してみる
既存リズムとおんなじものを弾いてみる
既存リズムの真裏を意識した弾き方を試してみる
カルテットの様なアンサンブルを試してみる
全部半音でぶつけて不協和音にしてみる(禁断の)
です。楽器は生楽器系なのか、シンセ系なのかで、少し揃えて調和をとり、時々「緊張」を作るための違和感用楽器を試す。
です。
次は録音、ですね。
こちらはほんとに言い出すとキリがないのですが、
まずは安すぎる機材は使わないでください。
3000円とか5000円のをスタジオに持ち込まれて、いい音にする技術を教えてくださいとレッスンをお願いされたことがあったのですが
いいマイクを使っても、正しく録音を遂行しても、良い音にはなりませんでした。
一概には言えないですが
やはり安すぎるの物は限界がありました。
そして反響音が少ない場所で録音する。
ボーカルならリフレクションフィルターを使う
ギターアンプならアンプの床に分厚いものをひく。例えば分厚い絨毯、分厚い座布団、など。
ドラムなら、音のリリースに影響するミュートをしっかり調整する。例えばスネアならタオルをぐるぐる巻いたやつをガムテープで止めたり小さい。本を置くのも良いですね。色々試行錯誤できます。(この時間僕はめっちゃ好きです。)
あとはマイクの特性を知り、合っているものをチョイスする。
例えばHighとLowがよく録れるマイクに対して、HighとLowをブーストした音を演奏者が出せば当然ブーミー&シャリシャリな音になってしまいミックスが困難になります。ほんと頭抱えます。
電圧、、とかプリアンプとかの話になると終わらないのでこれ以上は割愛します。
ようやくミックスに辿り着きました。
まとめ
●トップレベルのエンジニアが施してるミックス作業は間違ってはないけど
それは全て上流を適切に行った上での作業内容である
●DTMerと呼ばれるものや、ボカロPが解説するミックス内容は、打ち込み系の音に対して有効だが、生楽器系には合わない可能性も高い
●実は最終的にかっこよくなる理由はミックスではなくマスタリングだったりする。そしてマスタリングこそミックスがうまくいってないとどこかの指南内容は当てはまらない
●実は全員正解がわかってない。
完璧なミックス、マスタリングは新しいCPUや新しいケーブルや、新しいイヤホン、スピーカー、iPhone、ストリーミングサービスが出るたびに微妙に変化していくし、気圧でも変化するからコロコロと皆の発言する正解が変わっていく。
●このブログの内容も長期にわたり微妙に言うことが変わりながら成長していく。
次回予告
次回は、レコーディング機材で無理やりアウトボードマスタリングはできるのか・・・???その音の変化を試聴音源とともに提供したいと思います。
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ボーカルレコーディング・ボーカルプロデュース・音源製作・MV製作
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