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抽象度


「サポーターを笑顔に」

『タイトル』という言葉を掲げ、始まったサガン鳥栖の13年目、川井健太監督3年目のJ1リーグは今までにないほどの苦戦を強いられている。
12節時点で2勝2分8敗、勝ち点8。順位は20チーム中の19位。3チームがJ2へ降格してしまう「自動降格圏」にいる。

「スタートで躓いた」「これから逆襲を!」となりたいところだが、昨シーズンからの通算で考えてしまうと、あの大勝した2023/6/24のアウェイ湘南戦から29試合で勝ち点23と【概算】ではあるが、高い確率で今シーズン、サガン鳥栖はいよいよJ2降格をしてしまう。

「戦力分析」

「鳥栖は低予算でJ1を戦うにはよく頑張ってる方」
降格しそうな今シーズンはどんな言い訳も出来ないが、そもそもJ1を戦い抜くためだけにサガン鳥栖というクラブが存在するのなら自分は応援してない。
やはりこのクラブがJ1のタイトルにも届くという夢を持てるから応援してるわけであって、おそらくその目標がチーム内にもあったからこそ、これまでJ1でやってこれたのだと思う。

昨シーズンのチーム2番手スコアラーの小野裕二が抜けたが、マルセロヒアンがやってきた。現時点でリーグ6位タイの5ゴールを決めている。怪我がなければおそらく長沼洋一の記録を超えるだろう。
ファンソッコが抜けたが、アジアチャンピオンU23日本代表のパリオリンピック代表候補CB木村誠二がいる。
サイドを駆け上がっていた岩崎悠人が抜けたが、ゴール数は少なく、マルセロヒアンに行ってこいの戦術ならさほど影響はない。

2023年から2024年で戦力はダウンしたのか?
上記、マルセロヒアンは大車輪の活躍中。キムテヒョン、ヴィニシウスアラウージョ、中原輝。
サガン鳥栖のここ数年で最高の補強ができてたはずだ、多くの鳥栖サポーターが「今シーズンは本当にタイトルに手が届くのかもしれない」と開幕前に胸をときめかせたはずだ。

しかし戦力、チームとしての「火力」ようなものとは違う明確な問題が浮かんできた。

なぜ川井健太監督3年目のチームに「成長」「積み上げ」がまるでないのか?


まるでないわけではない。

ただ他のJ1クラブが鳥栖の成長曲線とはまるで比べ物にならないスピード、クオリティで成長してるだけだ。

「現状維持は退化」

川井健太監督のチームの問題点がまず1つ明確に露呈した。
数年で結果を出せる名将もいれば長期的なプランで成功にリーチできる監督もいる。
仮に今のサガン鳥栖が長期的なプランで動いているとしよう、ただし「J2降格」は絶対にやってはいけないというタスクだとすると、川井健太監督の指揮の元、この成長のスピード感ではもう厳しいのだろう。もはやJ2クラブがJ1昇格を目指す上で鳥栖以上の成長が出来るフェーズに入ってきている。
サガン鳥栖が川井監督に変わってからも現場レベルで『タイトル』を目指してやってきたのだろうが、3年目に見せた、この成長速度では降格を招くレベルだと言うことが残念ながら証明されつつある現状だ。

この文章を読む前から分かるだろうが、自分はサガン鳥栖の監督交代を望んでいる。
それは「勝てない」「結果が出ない」「J2に降格してしまう」というような単純に目に見えるものよりも「鳥栖というクラブの尊厳」「応援するクラブとしての魅力」のようなものにまで波及してることに由来する。

監督、スタッフも寝ずに苦悩してる日もあるかと思うが「選手は守りたい」「選手の実力は間違いないはず…」となると、やはり川井健太監督のあれこれが気になってくる。

練習でやってきたことを「表現」する

当たり前だが、自分はサガン鳥栖の戦術ミーティングに参加したことなどはない。
それどころかピッチサイドで試合中にベンチから飛んでいる指示を一言一句メモってるわけでも、ロッカールームの指示を毎回聞いてるわけでもない。

ここから多くの部分で「憶測」にはなってしまうが、サガン鳥栖が試合中に脆弱で貧弱でよくわからないサッカーをやっている原因は川井健太監督の曖昧で『抽象度』の低い言葉の指示が原因してるのではないかと思っている。

「鳥栖の戦術は細かい」
鳥栖の選手が口にした言葉が芯を突いてるとすればディテールにこだわり、受け手の選手が迷わずに「そこ」にポゼッションをし、ボールの出し手もそこにボールを出せば完結する話で
もっともパスミスの原因などはその選手の「技術不足」「スキル不足」に全振りするわけで。
そもそも鳥栖の選手が下手でそのクオリティが出せないとすると、もはや川井健太監督の理想のサッカーは当分できずに今シーズンでJ1の連続記録は途絶えるだろう。

しかし自分は選手の技術、スキルに由来してるものとは思わない。
選手は試合中に常に迷い、球際では1,2歩と踏み出せず遅れてしまい。必ず球際で負けてしまう。

そこでたどり着くのは…

戦術のほうが曖昧で「理想」として一つのボヤけた絵柄だけが選手たちの頭に浮かび、「監督の頭の中にだけ」鮮明にクリアな絵柄が浮かんでるとすれば…

自分はそう考えている。
そんな状態でありながら、試合中、ハーフタイムのロッカールームで

こんな指示が飛んでるとすればどうだろう。

選手は正解もわからないまま、ただ「練習したことを表現する」「サポーターを笑顔にする」とだけ…
F1を走れるスポーツカーに食用油という燃料を積んで走らせてるとすれば…

「結局、最後は『個』だって!」
「ここにいる選手でやれなきゃ俺たちもう無理だって!」

GKパクイルギュ選手の言葉もそういう風に聞こえてしまう。

明らかにサガン鳥栖は最善の策があるにも関わらず「最後は気持ち!」「戦う気持ちを見せろ!」と根性論に頼ってしまう。

闘うサガン鳥栖とは?

いくら勝てないサガン鳥栖でも、J2、J3にいても本当に「守らないといけないもの」というものにそろそろフロントは気付いた方がいい。手遅れになる前に。

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