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【アメリカ・学校ボランティア日記 Vol.20 20年前の学校ボランティアの記憶】

こんにちは。アメリカ在住 主婦 Kayです。

今日は約20年前の記憶をたどりつつ、
「学生時代の学校ボランティア経験」について、書きたいと思います。


1.20年前の記憶:学校ボランティア


約20年前、学生の私は東海岸のMaine州の大学に
1年間留学をしていました。

その当時のMaine州は「住人の98%以上が白人」
で多様性はあまり感じられない州でした。

そんな大学で「外国語を小学生に教える
ボランティアが募集」されたのでした。

ボランティア説明会に行ってみたところ、
「小さいころに外国語を勉強した子どもは大人に
なってから、外国語習得がしやすくなり、
多文化への理解が深まる」という研究結果から、
大学のある市で始まった「学生ボランティアが
小学校でこどもたちに外国語を教える」という
取り組みとのことでした。

説明会で集まっていたアメリカ人の学生は
第二外国語で学んでいるフランス語やスペイン語
を教えるといっていた人が多かったです。東海岸
の学校であることもあり、ヨーロッパ言語の方が
馴染みがあったようです。

私は日本語なら教えられると説明しつつも、
大学スタッフから「もしかしたら、日本語は
あまり小学校側から希望が出ないかも
しれない。」と言われたのを覚えています。

2.小学校1年生のクラスとの出会い


そんな私に声がかかったのは、
地元の小学校1年生のクラス。

全5-6回位のクラスで、毎回30分の授業で
やってほしいとのことでした。

学校に行ってみると、先生のクラスには、
白人のこどもたちの中に、ぽつんと一人
アジア人の男の子がいました。
聞いてみると、中国から移民してきたとのこと。

「ああ、きっと先生は、移民でアメリカに来た
ばかりのこの子が、このクラスに馴染みやすい
ように、私に声をかけてくれたのだな。」と
先生の配慮や優しさに心がじんと暖かくなり、「よし!毎回こどもたちが楽しみにしてくれる
ような「楽しい日本語クラス」にしよう」と
気合が入ったのでした。

3.違って当然


最初のクラスで私が持って行ったのは、
大学の図書館で借りた「地球儀」。

こどもたちに私の周りに集まってもらって、
「アメリカはどこ?みんなの住んでいるMaine州はどこ?」と聞くと、
地球儀でアメリカを探して、教えてくれます。

では、「日本はどこでしょう?」と聞くと
誰も答えられない。
「ここだよ」と指をさし、
「みんなのいるMaine州からは遠いよね?」
「飛行機でどれくらい時間がかかると思う?」と
聞く。

「12時間~14時間もかかるんだよ。」と話すと、
目を大きく見開きながら驚くこどもたち。

「こんなに遠いところに住んでいるのだから、
言葉も文化もみんなと違って当然だよね?
これからの授業では、私はみんなと違う言葉や
遊びを一緒に楽しんでいきたいと思います。」
と話しました。

4.こどもたちの反応


こどもたちは、ほぼ生まれて初めて触れる異文化
に対して、興味津々。

「違うものに対する偏見がない状態で異文化に
触れることは本当に大切だな。」と感じたこと
を覚えています。

私が授業でやったこと/話したことは以下の通り。

・日本語の文字の種類
・挨拶
・日本の歌「さくらさくら」
・折り紙遊び
・お寿司の試食
・浴衣

こどもたちはスポンジのようにどんどん吸収し、楽しんでくれました。

特に好評だったのが「英語と日本語の絵本
読み聞かせ」。

まずは、先生に英語で絵本を読んでもらいます。
そして、私が同じ本を日本語に訳した内容で
読み聞かせをするのです。

日本語で読み聞かせをすると、こどもたちは
「音」を楽しむだけなのですが、既に内容は
分かっているので、目をキラキラさせながら、
聞いてくれました。

5.記憶の大切さ


あの時教えていたこどもたちも、
きっともう大人になって、こどもがいる人もいる
のではないかなと思います。

「そういえば、小学校で外国語を学んだことが
あったな。」と「なんとなく外国語に親しみを
持てる」ほのかな記憶になっていてくれたら、
嬉しいなと思います。

今、私がいる西海岸の多様な環境と東海岸の
Maine州との違いを改めて感じつつ、
アメリカの国としての広大さと、ここまで
環境が異なれば、同じ国の中でも、考え方も
感じ方も異なって当然と感じる今日でした。

今日は、20年前の小学校で行った
日本語ボランティアについて、お話ししました。

ここまで、お読みいただき、
ありがとうございます。

それでは、また来週金曜日に。よい週末を。


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