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狐の嫁入り、あるいは天泣(てんきゅう)

狐の嫁入りって知ってますか?天気が良いのに雨が降ってくる気象現象。

日本各地で呼び名が様々あります。日照り雨(ひでりあめ)・日和雨(ひよりあめ)・戯雨(そばえあめ)・天気雨・涙雨など。

「狐」〜で表す言葉だと、狐雨・狐の御祝儀・青森県だと狐の嫁取り、千葉県だと狐の祝言となるらしいです。結婚絡みの名前多し。

私が好きだなって思う表現は天泣(てんきゅう)です。天の流す涙‥詩的ですね。

伝承では、狐の嫁入りは人に見られてはいけないという決まりがあるらしく晴天に雨を降らすという幻?を見せて人の目を欺くのだとか。

そうは言ってもそれを見たい人間はいつの世にもいるようで、狐の嫁入りを見る方法というものがあるそうです。

福島県では旧暦10月10日の夕方、すり鉢を頭に被り腰にスリコギを差し、マメガキの木の下に立つとそれを見る事が出来るといいます。

愛知県では井戸に唾を吐き、指を組み合わせてその穴から覗くと狐の嫁入りが見られるらしいです。

英語ではSun showerが狐の嫁入りに相当する単語ですが、アメリカ南部では”The devil is beating his wife”という言い回しがあるそうで、訳すと「悪魔が自分の妻を殴っている」と言うらしいです。何とも物騒な表現‥天気なのに降る雨は悪魔の妻が流す涙とは。天泣に近い表現かな?

イギリスの一部地域ではMonkey’s birthdayと言われているらしいです。何故「猿の誕生日」なのでしょう?う〜んわからない。オーストラリアでもモンキーズバースデーだそう。(英国繋がりだからなんでしょうね。)晴天の雨の時、猿は誕生する?のかな。

ブルガリアでは「熊の結婚」、お隣り韓国では「虎の結婚」になるとか。人間以外の婚姻に関わる表現なのが興味深いです。

余談ですが、関西方面では晴天なのに雪が降る状態を「たぬきの嫁入り」と呼ぶそうです。

たぬきの嫁入りの方が条件がレアな感じしますね。



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