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大勢に囲まれて、自分だけを見つめて

 自分勝手な人と付き合いたいとは、誰も思わない。だって自分勝手な人は、自分のことばかりを優先して周りへの配慮がないからだ。そんな人と一緒にいるのは疲れるし嫌だ。そのため、自分勝手な人は得てして孤独になるし、そう思われている。
 でも残念ながら、自分勝手は独りで成り立つものではない。それは誰かと比べて、自分を優先することだ。だから自分勝手は、周りにたくさんの人がいて、それを蔑ろにするからこそ、そう言われる。けして孤独ではない。

 もちろん、孤独でない人が自分勝手になり、結果として孤独になることはある。でもそもそもの仕組みとして、自分勝手とは周りに人がいてこそ発揮されるものだ。
 そして。
 現代で私たちは、孤独であることがずいぶん難しくなった。本当に「周り」に誰もいないことなど少なくて、あるいは、孤独になりそうでもどこかに必ず繋がれる誰かがいるようになった。
 それゆえに、自分勝手の脅威は強まっている。
 いつでも誰かと繋がれているということは、自分勝手によっていつまでも人を蔑ろにするということだ。これは由々しき事態である。なぜなら自分勝手とは自分を他人より優先することで、そんなこと、どんな人だってやってしまう可能性があるからである。
 その度が過ぎれば孤独になり、やがて自分勝手は被害者を失うはずだった。でも、今やそれは叶わない。どこかで孤独になっても、どこかでまたそうではなくなるから。

 ゆえに、自分勝手には注意だ。他人のではなく、自分のに。被害者になることばかり気にするのではなく、加害者になってしまうことに。

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