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ストーリー的には「つい動いてしまう」のが面白い

 計画通りに何かが進む。そしてそれがまっとうな方法で解決される。それはとても納得感があって、わかりやすくて、飲み込みやすい。でも残念なことに、それは面白いこととは当然に結びつかない。
 物語にはこういった「当然にある」を避け、予定調和でない物事に楽しみを見出すことがある。これは即ち、「思いつき」のことだ。その、瞬発的なアイデアが大切なのである。

 このことは、ストーリーそのものだけでなく、登場人物の行動にも言える。というよりも、登場人物の瞬発的な行動が、物語の予想外の面白さを引き起こす
 これは、単に本当に「思いつき」というわけではなく、その登場人物がつい動いてしまうという設定の範囲内で動くことが大切ということである。即ち、甘いものが好きなキャラクターが、目の前に出された甘いものを食べないということはありえない(もちろん、お腹がいっぱいとかのシチュエーション次第ではあるが)。しかし、たとえば事件の参考人として呼ばれている部屋、物々しい雰囲気の中で、机の上にあったお菓子をつい頬張ってしまうということは、行動として面白い。
 そういう面白さが、ストーリー的に重要なのである。けして、予定調和がまったく悪いわけではないものの、ストーリーというのは創作物である。そこには制作者という神がいて、どうしてもその考えの範囲内でのコントロールをしようとしてしまう

 そして、その範囲内で収まっているストーリーは面白くない。だから、それを打破するきっかけとしての、「ついやってしまう」が大事なのだ。できるかぎり、それが模索されたり、されようとしている作品は、まさに面白いものとなる。

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