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今回のおすすめ本 アリストテレス『ニコマコス倫理学(下)』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、アリストテレス『ニコマコス倫理学(下)』という本です!

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 本作はアリストテレスによって初めて「倫理学」が学問的に体系されたものを記し、人間の本質を明らかにしていきます。本作は前作に引き続き第10巻あるうち第7巻〜第10巻までが収録されています。 


 本作は「抑制と無抑制」「快楽」「愛」に焦点を当てて書かれています。特に三つ目の「愛」に関して深く取り上げてあります。「あらかじめ容姿に快楽を感じなければ何びとも恋愛はしない」(p.159)とあるように、現在でも多くの人にとって恋愛の入り口は見た目から入りますよね。どれだけ内面が大事と言っても、見た目がある程度よくなければ内面を見てもらえないのが現状だと思います。しかし、ただ見た目がいいからといってすぐに恋愛するわけではなく、一定の時間を過ごすことが必要となり、その間に関係が壊れてしまいがちなところが難しいですね。


 恋愛しなくとも、人間である以上誰かと交流しなければ生きていけません。現代では直接的に関わらなくても生活できる環境があるため、孤独を感じやすくなっているのではないでしょうか。「人間はポリス的・社会的なもの(ポリティコン)であり、生を他と共にすることを本性としているからである。」(p.176)とあるように(ここはアリストテレスの名言として有名なところですね)、一人で生きることに向いていないことが指摘されています。一人が好き、という人も誰とも関わらずにずっと一人でいることに耐えられる人はそう多くはいないはずです。


 徳に限らず、あらゆる点において「実践とか行為の領域(タ・プラクタ)にあっては、それぞれのことがらを単に観照的に考察して、それを単に知るということがではなく、むしろそれらを行なうというかとが究極目的なのだといえるのではなかろうか。」(p.236)とあるように、行動することが重要というところは前作に引き続き言われているところですね。そしてその行動はやりすぎてもやらなすぎても良くないため、「中」を見つけて継続していくことが重要となりそうです。

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