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異世界探索記28

旧ser.41(2022年6月10日公開)より抜粋

③ 2022年6月2日②朝 「アルヘナ」


変成意識に入ると、珍しいことに実家1Fの奥の居間にいた。窓から外を見ると、ないはずの家が見えて、その向こうに青空が見えた。裏口から出て裏庭に行くと、やはり青空が見えたが、壁が高くなっていて登るのが面倒くさいので、トタン屋根でトンネル状の自転車置き場を通って、自宅前の小道に出た。何故か薄暗くなっており、空にはうっすら星々が見えた。
恒星を呼ぼうと思って、先にアルデバランを思いついたが、いやアルヘナにしようと思い直し、万歳するようなポーズで「アルヘナ」と言った。万歳の手は垂直ではなく、少し前方よりで、手はパーになっていた。
すると自動運動が始まり、万歳のままうつ伏せになり、地面下に下降していった。暗いグレーの空間をそのままぐんぐん下降して行くうちに、なぜか右脚に意識が集中していった。そして「アルヘナって、右脚だっけ?左脚だっけ?でもこうやって右脚に注目しているのだから、右脚なんだろうな」などと思っていた。(実際は左脚の踵)
しばらく下降して行くと、脚がいろいろな動きをし始めた。形も順番も厳密には思い出せないが、だいたいの記憶を記しておく。
まず右脚をくねって前から左脚を巻き込むようになった。しばらするすると、そのままブランブランと左右に、左脚とくねって巻き込んだ右脚を揺らし始めた。なおも下降。すると腰を左側にくねらせ、「くの字」のようになった。さらに下降。両脚がグニャグニャになり、まきつくようになった。(肉体ならば骨折どころの騒ぎではない)そして、何かうごめくように動き続けていたような感じ。クネる脚が背中側に回ったかも?さらに下降。
下降しきって、床にうつ伏せで着いた感触がした。目をそっと開けると、実家2Fの玄関側の部屋で、畳の上でうつ伏せになっていることに気づいた。驚くことに、両脚はまだ動いていたが、やがて制止した。景色は黄色っぽく、懐かしい感じがする。
視界はクリアで、変成意識中だとはっきりわかるものの、肉体世界と違わない明確さがあった。これならまだまだ探索できそうだと思ったとたんにフェイドアウトし、肉体的に目を覚ました。
(感想)
トゥバンを起点としたときに、水瓶座あるいは11ハウスに対応する場所の始まりとして、アルヘナを呼んでみました。アルヘナはトロピカルでは蟹座10度辺りです。トゥバンを起点とすると、アルヘナは水瓶座2度「予期されなかった雷雨」です。(逆は牡牛座29度です)この雷雨は、より開かれた世界に向かうためにローカルな価値観を壊してしまいます。踵をチラッと地上に接触させることで、激しい雷雨が発生するということです。踵を付け続けるわけにはいかず、すぐに浮上しなくてはならないということを、1Fからスタートさせ、2Fに戻ってくるという流れで表現しているように見えますし、最初青空(しかもチラ見の青空)だったのが、自転車置き場のトンネルを抜けると夜になっているというのも、太陽の時間を少し体験してから星の時間に帰還するという流れを見せているように思えます。
アルヘナは「双子座のポルックスの左脚の踵」なのですが、何故か私は右足に注目していました。左脚に巻き付いたり、ブラブラしたり、クネクネしたりしたことが何なのか。これは「右足は着地させないで」ということだと思います。左足に巻き付くことで右足は着地せずに無傷で済むわけです。
右足が左足にまるでしがみ付くようでしたが、ブラブラするのも、着地した点からずらしていくことを試みているポーズに見えなくもないです。左足は着地するとは言っても、転落しないようにすぐに引き返さなくてはなりません。脚は蛸のようになっていました。グレー蛸を思い出します。特定の場所からの撤退は、棒状の足をタコ足に戻し、空中に浮かせるということになるのでしょう。

⑤ 2022年6月4日朝 「メンカル」


変成意識に入ると、実家2F中央の部屋。最初は肉体次元だと思い込んでいた。下着がドロドロに緑色っぽく汚れており、そこに細い金属でできた何かの道具らしきものもあった。これは酷いと思って洗いに行き階段を下りている途中で変成意識中であることを自覚した。階段を滑るように降りた。
玄関の扉を見ながら、予定していた「メンカル」を呼んだ。この声が、振動する声であり、なんとなく深みのある声に聞こえた。
自動運動が始まり、仰向けになった。腕はT字に伸びているか、過ごし上くらいだったと思うがはっきりとは思い出せない。両脚はぴったりとくっついている。ぐんぐんと濃いグレーの空間を下降していった。両脚先が外に開くようになった。私は「くじらの尻尾に見立てているのだろう」と思った。そして土ふまずの部分に、押されるタイプの快感が走り始めた。この快感は、いつもの土踏まずの中央だけではなく、若干ゆらぎがあり、軽く移動しているようだった。
下降しながら、いつの間にか体の方向が直立の方向になっており、さらいつの間にか後ろ向きに移動していった。景色がグレーの空間から、巨大な洞窟の中のような感じになっていた。
そしてさらに両腕と両足を前に突き出しながら、なおも後ろ向きに飛んでいた。(つまり「ヒ」という形だ)すると土踏まずだけではなく、左右の肩甲骨の内側あたりの2か所にも、同じタイプの快感が走り始めた。この快感は移動する感じはなく、同じ部分を指圧されているような感じだった。
しばらく飛行すると両腕両脚が動き始め、先ほどとは逆の方向に腕と脚を伸ばす体制になった。(同じく「ヒ」だが、関節が逆方向になった。肉体ではありえない体勢だ)なおも快感は続いており、私は「そうそう。これだよ」などと言っていた。
いつの間にか、前向きに飛んでいた。しかしもはや自分の体がどのような状態なのかを自覚することはできず、快感は終わっていった。
洞窟のような場所から、パッと開けた場所に出た。美しい港であり、景色が濃い。青いタンカー船?貨物船?がたくさん見えた。港には所狭しとたくさんの同じタイプの船があった。荷物を運んでいるのか。そして1つの船に、はっきりとは思い出せないのだが「パルサ」と白く書かれているのが見えた。
さらに飛んで行くと、同じ濃い青色の建物がたくさん並んでいるのが見えた。そして笑ってしまったのだが、その壁の1つに大きく聖闘士星矢の絵が描かれており、真ん中にアテナがいて、その周りにゴールドクロス(黄道十二宮を司る)を身に着けたキャラクターたち(主役たち)がいた。私は「メンカル、くじら座は黄道12宮にはないぞ」と思ったが、「ああ、自我恒星を起点とした12星座のことだな」とすぐに理解した。
時計回りに大きく旋回しながら、街の上空を飛んで行った。この時、船や建物を何度もすり抜けた。完全に町の中に入ったあたりで右目がすっかり見えなくなり、左目だけで景色を見ている感じになった。もっと景色を見たいと思ったが、そのままフェイドアウト。その時、耳にブーンという振動音がずっと聞こえていたことに気づいた。
その後、実家2Fの玄関側にいた。起き上がって、妻と息子のことを考えていた。2人の存在感(個別性)を、これまでで最も純粋に感じていた。息子が現れ、私の両脇を指で突き刺すような行動をした。快感に似たような、えぐられるような感覚があった。息子はこのいたずらが楽しそうだった。
シーンが変わり、郵便局で事務仕事をしていた。事務机を離れて、もう一つの自分の席に行った。ここは配達すべき郵便を整理する場所でもある。配達につかうための新しいアイテムが支給された。透明のプラスチック製品がいつくかあった。同僚が「配達に行ってくれよ」みたいなことを私に言った。
(感想)
体でなんとか鯨を表現しようとしたのが分かります。かなり強引な感じでしたが(笑)最初は「深海っぽくて、ちょっと怖い」と思っていましたが、すぐになれて、雄大な気持ちになっていました。たどり着いた場所は、いつものごとく、メンカルにぶら下がった惑星(あるいはメンカルに関わる別地球?)ということだと思いますが、巨大な貨物船(タンカー?)、巨大なビルが満載の景色で、海も見えるし、濃い青色だらけで、豪快な感じでした。
もっと探索したいのに、いつもすぐに強制退去させられるのが残念です。

おわりに(ser.41)


恒星接触したその後半に、地球に似た異世界にたどり着くことが増えてきました。下降したり回転したりした先に、見たことない世界に到着するのです。中には、自室や実家のどこかの部屋に戻ってくるケースや、定番の見知らぬ部屋(何種類かある)にやってくるケースがあります。そのまま肉体に戻ることも。さまざまです。何が違うのか、なかなかに謎です。私がコントロールしている感はゼロです。どこに出るか分かりません。
この恒星接触した時に、移動せずに、そのままの場所をキープできたなら、それが「なりきる」ということにつながるのではないかと、ふと思いました。これはつまり、どこかにたどり着いてしまうのは、振動が重くなってしまうからではないでしょうか。
たどり着いた先の探索も楽しいです(いつも短すぎて不満もある(笑))が、異世界に行かずに恒星との接触状態をキープするということも試みていきたいと思いました。でも「今の私のレベルで、果たして自分の意志でできるのか?」と思えます。
どちらも楽しめるようになりたいです。つまりこれは、「作る楽しみ」と「できたものを味わう楽しみ」につながるのだと思います。


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