20231103: 学園祭

 学園祭は完全に無視をして大阪に帰ることにした。なぜなら学園祭は、とくに私の通う大学の学園祭はノリがキモいからである。
 まず一つ目として実行委員がキモい。彼らはオレンジ色のパーカーを着て学園祭を秩序あるものにするために「パトロール」をして回っている。それだけならまだ良いのだが、そんな彼らのパーカーには寄せ書きが書かれていて、それがキモい。去年のことである。私は所属するサークルで飲食を伴う出し物の運営として参加しなければならなかった。去年は現在とは違って、新型コロナウイルスに対して人間が恐れおののいていたときではあったが、「本部」から派遣されてきた二人組に、パーテーションの大きさについてずっとぐちぐち言われたのだった。大きさを多少変えたところで感染症のリスクなど別に変わらないのは、彼らも含めて誰もが分かっているのだが、彼らは「もう一回、ちょっと本部に連絡してみますね」などと言いながら、長い間警察ごっこを楽しんでいた。気持ちはわかる。恥ずかしいかな、私にも、かつてはカッコいい制服を着たお巡りさんに憧れていた、そういう時期があったのだ。しかし、もう大学生なのだから、警察というのがどういう存在であるべきかもう一度考えてほしい。そして寄せ書きを書くのはやめていただきたい。
 もちろん、この日のために彼らが大変な準備をしてきたことはわかる。だからこそ、当局の手先となって学生にぐちぐち言うのではなく、むしろ当局への盾となって学生の自由が尊重される学園祭を作ってほしいのだ。大学は学生のものであり、学園祭も学生のものである。その点を一切理解せずに暴力的な行動を繰り返すことが、そしてその経験を「大変だけど、たくさんの人を動かすやりがいのある仕事です」とか表現することが、普通に「ガクチカ」にすることが、キモい。寄せ書きもキモい。
 次に、学長がキモい。私の通う大学は、この記事内でどこと言うことはないが、現学長がもう何年も前に、まさかまさかの学長任期を撤廃するということを自分で決めて、それからはもう学長が学長自身が嫌になるまで変わらないという、おどろくべき無法地帯なのだが、どういうわけか学生からは極めて人気が高い。昨年は、学長と一緒に写真に収まることを体験できる、インスタグラムの投稿を模したパネルが設置されたほどだ(ちなみにそのパネルは、学園祭二日目に勇気あり分別ある何者かによって学長の顔に落書きがなされたことで撤去された)。学長は学園祭の夜に学生の前で有難いお話をしてくださるのが恒例となっているが、そこで学生が「ウェーイ!」と言ったりしていて、それもキモい。独裁学長は早く辞任して正当な手続きを踏んで再チャレンジされてください。
 最後に、ミスコン?がキモい。というか個人的に気に入らない。理由はあまり説明する必要もないと思うが、とりわけ今年については、その候補者が「この大学に特有のダサいファッション」的な自虐ネタで笑いを取っていたみたいで、それはキモいと思った。いい加減、大学生にもなってモテ/非モテや非童貞/童貞などの二項対立をあおり、前者が後者をあざ笑ったり、後者が自虐したりするノリを卒業してほしい。
 とりあえず、こんなところの理由で大阪に帰り、そのことも今から書こうと思っていたが、学園祭の悪口で1300字になったのでいったんやめる。


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