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なぜ大阪の地下街は淀屋橋方面に広がらないのか?

大阪梅田を中心にして広大な地下街が広がっている。
新開発地域も設定されて、現在進行形で福島界隈へと地下街拡張工事がなされているのだ。

        大阪梅田 
 福島←西梅田      東梅田
   堂島  大阪駅前第三ビル 


ざっくり簡易図にすれば上のように大阪の地下街は広がっている。

だが、おかしいとは思わないだろうか?

福島にゆかりのある人々に含むところはないが、福島に地下街を拡張するのであれば「淀屋橋」に地下街を拡張した方が経済効果は間違いなく高い。

では何か大阪梅田から淀屋橋に地下街を伸ばすことのネックがあるのだろうか?
ここらあたりの「謎」について今日は考察してみよう。


淀屋橋・北浜地下通路というカネのなる木

淀屋橋といえば大阪でも屈指のビジネス街であり、大阪梅田から淀屋橋まで地下街を通せば非常に高い経済効果が見込めることは火を見るより明らかだ。
だがなぜか大阪梅田から淀屋橋まで地下街は伸びていない。
大阪駅前第3ビルまでで地下街は途切れているのだ。

       大阪梅田 
 福島←西梅田      東梅田
   堂島  大阪駅前第三ビル 
         ↓

         ✖️ 土佐堀川

         ↑
        淀屋橋  北浜 

もし大阪梅田の地下街と淀屋橋・北浜地下街を連結させればとてつもないシナジーが見込めるにも関わらずだ。
ましてや現下において大阪市並びに大阪府は維新の会という経済合理性を金科玉条とする政党が多数派を形成しているから、この地下街連結というカネのなる木に目が行かないはずがない。


土佐堀川という煙幕

では何か大阪梅田から淀屋橋に人口通路を伸ばすことのネックがあるのだろうか?

ここら界隈に土地勘のある人は次のように即答するはずだ。

「梅田と淀屋橋の間には土佐堀川が流れているから地下街を通せない」

確かに土佐堀川が流れている。
川があれば地下工事が捗らないし、そもそも川の下部では地下通路を維持できない。
だから大阪梅田と淀屋橋を連結させられない、、、
、、、というレトリックは20年前までならば通用した。

しかし2024年現在にあってはそれは限りなく詭弁に近い方便である。
なぜならば地下がダメならば地上高くを通せば良い。

建設技術の向上によって地上高くに通路を通すコストはすこぶる抑えられるようになった。
つまり大阪梅田と淀屋橋の間を流れる土佐堀川上空に雨除け通路を通してもさしてカネはかからない。
そこだけ上空を通しあとは大阪梅田の地下街と淀屋橋の地下街が連結しても経済効果のほどは変わらない。

いやむしろ、
上空を通して地下通路が連結されたという話題性とその景観からインバウンドをはじめとして人がより集まり経済効果は跳ね上がると推定(筆者推定)される。

もし仮に、
土佐堀川の上空だけに地上高のある雨除け通路を通すのであれば、さほどコストはかからない。
それでいて大阪梅田地下エリアと淀橋地下エリアを連結出来て、巨大な経済効果が見込めるのだから、コストパフォーマンスの面において非常に優れた公共事業たり得るのだ。

これはむしろ「やらない方が可笑しい」という類いの「謎」である。

だから、
「大阪梅田と淀屋橋の間には土佐堀川が流れているから、人口通路を通して地下街を連結させられない」という答えでは及第点には至らない。

したがって「土佐堀川」は大阪梅田地下エリアと淀屋橋地下エリアを繋げられない理由にはならないのだ。

では大阪梅田地下エリアと淀屋橋地下エリアを繋げられない真の理由は何なのだろうか?



アメリカ領事館の安全保障波昂し

駐大阪・神戸米国総領事館
3.9
(116)
大阪市の外国領事館 ‧ 営業時間中
〒530-8543 大阪府大阪市北区西天満2丁目11−5 米国総領事館ビル
駐大阪・神戸米国総領事館の地図
金曜日
(/憲法記念日)
9時00分~12時00分

ウェブ上での評価は3.9/5と少しばかり低いが、アメリカ領事館に対する世界の評価はどうなのだろうか。

さてずばり、
大阪梅田地下エリアと淀屋橋地下エリアを連結させられない理由は「アメリカ領事館」にある。

 大阪梅田 
 福島←西梅田      東梅田
   堂島  大阪駅前第三ビル 
         ↓

         ✖️
     【【アメリカ領事館】】
         ✖️
         ✖️ 土佐堀川
         ✖️
         ↑
        淀屋橋  北浜 

ここら界隈に土地勘のある人ならばよくよく知っているように、
大阪駅前第3ビルの地下通路から指呼の間に「アメリカ領事館」がある。

大阪梅田 → 第3ビル →  アメリカ領事館 → 土佐堀川 → 淀屋橋

平面図になおせば概ね上記のような流れになる。
つまり大阪梅田から淀屋橋へと地下通路を繋げるには、
どうしてもアメリカ領事館の地下近辺をいじらなければならいのだ。

これはアメリカ領事館の安全保障に著しく不利益をもたらす。
だから、
だからこそ大阪梅田から淀屋橋への地下通路は通せないのだ。

これこそブームは去った感のある「忖度」である。



「森を見て樹を見ず」になるな


 大阪梅田 
 福島←西梅田      東梅田
   堂島  大阪駅前第三ビル 
         ↓
         ✖️
        【【アメリカ領事館】】
         ✖️
         ✖️ 土佐堀川
         ✖️
         ↑
        淀屋橋  北浜 

大阪梅田 → 第3ビル →  アメリカ領事館 → 土佐堀川 → 淀屋橋


「土佐堀川があるから大阪梅田と淀屋橋の地下エリアは連結させられないんだ」
ここで読みを打ち切ってしまうと、アメリカ領事館の立地に目が行かなくなる。

「土佐堀川があっても、今の技術ならば地上に雨除け通路とおせるんじゃね??
 だったら大阪
↔️淀屋橋がダメな理由が他にあるはずだ」
このように問いを持ち続けていれば、界隈を歩いてアメリカ領事館に出くわしたした際に、謎は氷解する。


物事の全体像を鳥瞰するのは重要ではあるが、各個の事象把握もときにより重要になるのだ。

ここでは、
「土佐堀川が大阪梅田と淀屋橋の間に流れている」という事象が全体像であり、
「アメリカ領事館が大阪梅田と淀屋橋の途上にある」という事象が各個の事象となる。

だから、
今回のケースにおいては、
全体像よりも各個の事象が重要になったのがわかってもらえたことだろう。


鳥の目とムシの目を併せ持ち 
自分の足で歩き、自分の目で観よ


【鳥の目(面での把握)】

大阪梅田 
 福島←西梅田      東梅田
   堂島  大阪駅前第三ビル 
         ↓
         ✖️
         
✖️    【【アメリカ領事館】】
         ✖️
         ✖️ 土佐堀川
         ✖️
         ↑
        淀屋橋  北浜 

【ムシの目(線での把握)】

大阪梅田 → 第3ビル →  アメリカ領事館 → 土佐堀川 → 淀屋橋


このように、
鳥の目すなわち面での把握では、「アメリカ領事館」というおそらくは正解になかなか辿り着けない。

「アメリカ領事館」という正解に近いところに辿り着くためには、ムシの目すなわち「線での把握」が必須ないし有効となるのだ。

では何故ムシの目すなわち「線での把握」が有効となったのだろうか?

鳥の目での全体像把握というものは物事を一般的に捉える方法論だ。
これは便利であり、時系列変化を伴わない場合において有力なメソッドになり得る。

今回の例であれば、
「大阪梅田地下エリアと淀屋橋地下エリアの間には土佐堀川が流れているため、工事コストが嵩み地下通路を連結させるのは得策ではない」
という過去の鳥の目すなわち面での把握が邪魔をして、
「地下エリアの連結は無理だ」という固定観念を形成してしまったのだ。

この固定観念を打破するには、自分の足で歩き、自分の知識を刷新して、自分の目で確かめることが有効かつ必要になる。

IT時代の現代においても、
変わり行く世の中を観るのは自分の足であり、自分の頭であり、自分の目であるのだから。


だから、サイバー空間で鳥瞰してばかりではなく、
ときに虫のように自分の足で地べたを這いずり回るのも、良い仕事をなすために必ず必要となるのだ。

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