仕事が絶好調になった矢先の妊娠発覚、そして「絶対安静」の壁 ー子育てフリーランス8ー
子どもが生まれてもイラストレーターの仕事を続けられるように、オリジナルのポートフォリオや名刺を作り、メールや対面営業にチャレンジしました。
ーそして半年後ー
発信や営業をし続けて、半年後くらいから少しずつイラストの仕事が増えてきました。
地道にまいた種の芽がようやく出てきたのです。
営業してから半年後に…!
やっぱりそれくらいはかかるのかもしれません。
初めての雑誌のイラストの依頼は、あのS編集部のKさんからでした。
一緒に頑張ろうと言ってくれたKさんへの想いや、やりたかった仕事の憧れ、仕事がなかった反動もあり
私は超張り切りました。
120%以上の仕事をやろうと思いました。
具体的には…
編集さんや、デザイナーの人が作業しやすいように心がけました。
その結果…
イラストは好評で、編集のKさんは、リピートで依頼をしてくれました。
人って、期待以上のものをもらうとき、喜んでまた人に頼みたい!ってなるんじゃないかなと思います。
言われたことをただやるだけじゃなく、クライアントが喜んでくれることを考えて
120%以上で対応することで、信頼を得ることができる。上乗せの20%がリピートに繋がる。
その循環で、営業をしなくても、少しずつイラストの依頼が増えて行きました。
月々パートくらいの収入だったのが、この頃は会社員時代と同じくらいの収入になっていました。
あれ、そういえば…
これってもしや…
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ー数日後ー
病院に行くと、妊娠5週目ということがわかりました。
この頃の私は、「いつか来てくれたら嬉しいな」と思っていました。「絶対に子どもが欲しい!」という気持ちはありませんでした。
それは………
ズボラで家事もできない私が子どもをちゃんと育てられるか不安だったのと、
軌道に乗り始めたイラストレーターの仕事を続けたい気持ちがあったから。
正直、軌道に乗ったこのタイミングで、営業をかけて、仕事をどんどん広げて行きたい思っていたところでした。
でも…
と、前向きに考えることにしました。
それでも、妊娠中は体も心も、いつもの自分とは変わっていく…。
ストレスも増えていきました。
また、妊娠ホルモンの情緒不安定にもなり、小さいことでもイライラしてしまうことが増えました。
赤ちゃんを産む準備のために変わっていく自分の身体に出来るだけストレスを抱えないように生活も働き方も変えました。
食べたい時は食べる、眠たい時は寝る、働きたいときに働くという、 スーパーフリースタイルで過ごしていました。
この働き方で、安定期まで続けて、様子を見ながら仕事を少し増やしたり 調整していこうと思っていました。
こうやって、何かあったときに仕事を調整することができたり 家の中で自由なライフスタイルで働けるのは、 フリーランスの大きなメリットだと感じます。
また、そこそこの仕事は、妊娠中も気晴らしになりました。
安定期を目の前に、心も少し落ち着き始めていました。
しかし、妊娠5ヶ月目の検診日
医者から言われた言葉は、予想外のことでした。
安定期に入り、ようやく気持ちも体も落ち着いて暮らせると思っていました。
なのに、医者から告げられたのは、まさかの「安静令」でした。
私は呆然としたまま、診察室を出ました。 待合室にはたくさんの妊婦さんたちがいました。
ネガティブな夫が、一生懸命励まそうとしてくれていました。
ー数日後ー
検診が終わった日から、私はずっと布団の中にいました。 トイレとお風呂以外は、ずっと寝たっきり。
妊娠ホルモンや出産への不安で情緒不安定になっていました。また、両親と義理の親は、家に通うのも大変なので、あまり頼ることができず、夫が生活と心の支えでした。
そろそろ、仕事も断らないといけない… そう思っていたとき
一通のメールが来ました。
メールは、誰もが知っている週刊誌からの仕事の依頼でした。
でも・・・・・・・・
私は、週刊誌の漫画の案件を断りました。他にも、取引のあった案件全ての担当の人に事情を話し、全ての連載や新規の案件を断りました。
私は当時、イラストレーター仲間もいなかったので、
自分が抱えていた仕事を誰かに引き継ぐこともできませんでした。
精神的にも、そこまで配慮することができませんでした。
今まで頑張ってきた仕事がなくなってしまうこと、
初めての出産で母子ともに危険ということ赤ちゃんができたことを喜ぶべきなのに悲しんでしまってること
そんな私に、子どもをちゃんと育てられるのか不安でいっぱいになっていること…
心配、悲しみ、恐怖が、一気にこみ上げてきました。
私は、マタニティブルーに陥ってしまいました。
つづく
読んでいただきありがとうございます!今のカワグチだよ〜!
この頃の私はどん底でした…。妊娠ホルモンの影響で、ナーバスになっていたこともあると思うけど、一からキャリアを積んで頑張っていた仕事を全て手放したことがとても悲しかったです。
そして、赤ちゃんが来てくれたのに、仕事がなくなったことで悲しんでいる自分にも罪悪感がありました。自分の意思とは反して、取引先に一人一人断るのも本当に辛かった。
でも、仕方ないんですよね。本当に。出産は、当たり前のことじゃない。赤ちゃんを産むためにお母さんは、体調も体重も変わって別人になって準備をします。
命を産むっていうのは、命がけなんですね。世界中の人に言いたい。出産ってできて当たり前みたいな風潮あるけど、
「「「そんなことねえからーーーーー!!!!!」」」
妊娠するのも、出産するのも、赤ちゃんもお母さんも命がけ!全然、当たり前なんかじゃない。あとこれから妊娠する人、してる人にも伝えたいことがあります。
「妊娠ホルモンで人格別人になるからそれ夫や家族に伝えとこ〜!」
妊娠したら性格が変わるとは噂で聞いてましたが、あれ本当ですね。個人差はあれ…。
もう全くの別人になってました。
私自身がルーズだし、ズボラだし、テキトーだから、人に怒ることはあまりないんですけど、
そんな私でも、夫が洗濯機に靴下丸めて入れたり、ワイシャツ裏返しで入れてるだけで、イライラしました。
それだけ、赤ちゃんを守るために、お母さんの体が頑張ってることです。
でも、自分が変わっていく様子って、自分じゃわかんないんですよ。疲れてる時って自分じゃわからないように…。気づく時は、通常の状態に戻った時…!数年後!
もし、妊娠したときに、夫に「私の性格がきつくなっても、それは赤ちゃんを守るための妊娠ホルモンのせいかもしれないのでお気になさらず」って話せてたら、お互いストレスも減ったんじゃないかなぁと思います。
この寝たきり妊娠生活で唯一の救いだったのは、趣味がゲームだったことです。布団の中で、ひたすら異世界転生をしていました。ゲームがなかったら心が壊れてたと思います。
妊娠したら、アクティブな趣味は厳しくなっちゃいますが、オタ活ならもってこいです!みんなオタクなろ〜!
では、またね〜!
カワグチマサミ(ほぼここにいます)
トークイベント【仕事と家庭を大事にするための失敗談】
2022年3月1日(火)18:30 ~ 20:00
参加費無料、アーカイブあり、会場書籍販売あり
会場(KOIN 京都経済センター3階)orオンライン
子育てしながらフリーランスで「いい感じ」で働くための赤裸々エッセイ+仕事に繋げるためのハウツー本「子育てしながらフリーランス」出版。
子どもと親の自己肯定感を高める、「子育て言い換え事典」(KADOKAWA)出版。
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