地球推しになる条件
「地球のお医者さんになりたい」
息子が幼稚園のときに言った将来の夢。
小さい頃の夢はコロコロ変わるものだけど、11歳になった今の彼も、「地球環境の仕事がいいな」と話しています。
息子は地球推し。
休みの日は、科学館に通ったり、森を再生する映画を見たり、海のゴミ問題を考えるイベントに行きました。家族旅行も、いつもどこかの山、川、海。
それほど地球っ子な息子なのに、地球への想いがなくなったことがありました。
学校で理不尽な経験をし、傷つき、不登校になったのです。
朝起きれなくなり、食欲もなくなり、機嫌がいいときに鳴らしてた鼻歌もなくなり、地球のことも話さなくなりました。
どんどん元気がなくなる息子を見て、
「他に選択肢があるはず」と考えたり、
「学校に行かせなくてはいけない」と悩んだり、
気持ちがあっちこっち行って、体調を崩してしまいました。
そして葛藤した末、私にとっての幸せは、息子が健やかに生きることだと気づきました。
「みんなと同じじゃなければ幸せになれない」
そんな、自分でも気づかないまま塗り固めてきた価値観を、壊そう決めました。
息子に「そのままで大好きだよ」と、言葉で伝える。心の底から嘘偽りなく。葛藤する日々はまるで修行のようでした。
でも不思議なことに、親が変わると子どもも変わる。
息子は少しずつ回復しました。
そして、ある日、
「科学館に行きたい♪」
息子が鼻歌混じりに言葉にしてくれました。
私は嬉しくて、息子と科学館に行きました。
小さい頃から通っていた、大阪市立科学館。
息子が大好きな地球と触れ合える場所。
大阪のその日の星を見せてくれるプラネタリウム、くるくる回る大きな地球儀、大きな水晶やアメジスト。
宝物を眺めるように、息子の目はキラキラと輝いていました。
「やっぱり、地球っていいね!」
息子の言葉は、私の心にあたたかく染み渡り、自然と私は答えていました。
「私も地球が好き」
自分が満たされたから。
大切な人が笑ってくれるから。
地球のことまで愛すことができる。
人は傷ついたとき、他の人の幸せなんて考えられない。
ましてや地球のことなんて。
SDGSを本気で考えるなら、自分を満たすことが最初のステップになる。
そのためには、
「〜しなければならない」という鎖を外し、「自分にとっての本当の幸せとは何か」を見つけること。
それが、今の自分に、未来の子どもたちに、できること。
川口真目(@kawaguchi_game)
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