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「ザクっと感想企画書」で差がつく!憧れの企業に対面営業 ー子育てフリーランス7話ー
フリーランスイラストレーター歴12年のカワグチマサミが、妊娠・出産・育児と夫の関係に向き合い、試行錯誤しながら「いい感じ」の働き方にたどり着くまでの赤裸々エッセイ。著書「子育てしながらフリーランス」の原作。火・金更新!
「いつか子どもが生まれたらいい感じで働くフリーランスイラストレーターになりたい」という思いから、カワグチは準備を進めました。
そこで、手軽に営業できる「+電話」の営業法を思いつきます。
しかし、どうしても会って営業したいと思う雑誌がありました。
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私は、対面営業をすることを決めました。
その雑誌Sは、母が愛読している主婦向けの本でした。
私も、自然に手にとって読んでいました。
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しかし、母は私がイラストレーターになることを良く思っていませんでした。
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それは、親心から娘のことを心配して言ったのかもしれません。
だけど当時の私は、自分の夢を母に否定されたことを、とても悲しく思いました。
もし、この雑誌にイラストを描くことができたら…
母が、私のイラストを認めてくれたら…
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いや、あの、昔から読んでて愛着のある雑誌だし純粋に、好きな気持ちもありますよ!
ちょっとだけ、ひねくれた気持ちも相まって…
やる気が満ちました。
そして夫に、東京へ営業に行くことを相談し、
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翌日、きもち、ほんのちょっとだけ、掃除をしてから雑誌Sの編集部に電話をかけました。
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PLLLLLLLL
PLLLLLLLL
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無事に、第一希望の雑誌Sの編集部にアポを取ることができました!
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そこでふと、せっかく東京に行くのだから雑誌S以外にも売り込みをしようと思い立ちました。
売り込み候補にあった東京の出版社に電話をかけました。
しかし……
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電話営業を10社あたりを超えてから、新しい感覚が芽生えました。
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テレアポはゲーム感覚でやることにしました。
30社ほど電話して、ようやく2社のSSR、じゃなくてアポがとれました。
結果、日帰りで雑誌Sの編集部を含め、3社に営業することが決まりました。
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以前、交流会でクライアントにプレゼンした時のことを思い出しました。あの経験で学んだことは…
「クライアントの立場に徹底的に立つこと」
出版社の立場になって、どんなアピールをすれば喜ばれるかを考えてみました。
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そこで、私が思いついたのは……この前作った「アピールしやすいポートフォリオ」と「名刺 de ミニポートフォリオ」に加えて
「感想企画書」を作ろうと思いました。
企画書と言っても、目的は企画を通すためのものではないので、簡単なものです。
大切なのは、「気持ちを伝える」こと。
「私は、こんな仕事ができます」「これだけやる気があります」という想いを伝えるための簡単な企画書です。
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ポイントはガチで作り込まないこと。
あくまでも、企画を決めるのは出版社のお仕事です。
あまり作り込むと…
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ビジネスパートナーになることって、恋愛でお付き合いすることに似ています。さながら、この「感想企画書」は、ラブレターみたいなものです。
なので、ここはあえて、ふんわりと作りました。
私は、この、お仕事ゲットの三種の神器(「感想企画書」、「アピールしやすいポートフォリオ」と「名刺 de ミニポートフォリオ」)を持って、東京へ向かいました。
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ー東京出張、当日ー
その日のスケジュールは、午前に「子ども向け雑誌Rの編集部」、
午後いちで、「主婦向けの雑誌Iの編集部」、
そして最後に営業に行くのが第一希望の「主婦向けの雑誌Aの編集部」でした。
え〜〜
結論を先にいいます。
「子ども向け雑誌Rの編集部」と「主婦向けの雑誌Iの編集部」の営業の結果を
1コマで表しますと……
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私は、雑誌R、雑誌I、ともに、同じポートフォリオを用意しました。
それぞれの仕事内容に合うように多少はカスタマイズしていますが、作品はほとんど同じものが入っています。
ですが…
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同じ作品を見てるのに、意見が真っ二つだったのです!
対面なので、厳しいことも言われることは覚悟していました。
だけど…
二社に同じ作品を見せて全く違う意見を言われるとは、想定外の出来事でした。
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絵に答えはない。人によって答えが違う。
絵の仕事をするというのは、相性なんだと改めて思いました。
ふと、次の雑誌Aのために作ってきた「感想企画書」を手に取りました。
「感想企画書」を作ったのは雑誌Aだけ。
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そして、雑誌Aを出版している会社のビルに着きました。
受付を済ませると、受付スタッフの人に会議室に通されました。
ドキドキドキ
ハラハラハラ
作品は、生み出すもの。
自分の分身のようなもの。
それを晒して、意見をもらうというのは、何度だって緊張します。
どんな人が来るのか、ドキドキしながら待っていると…
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当時の私と同じ年頃のくらいの女性でした。
他の出版社は年配の人だったのもあり、少し緊張も和らぎました。
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Iさんに言われた時は、ふてくされて聞き流してました。
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Kさんに見送ってもらい、ビルを出ると夕日が沈みかけていました。
その日もKさんは、夜遅くまで残業して本を作るらしい。
本作りの現場を垣間見られた気がしました。
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Kさんに会うまで、私は、仕事は偉い人にお願いしてもらうものだと思っていました。それも一つの方法だと思います。
だけど…
Kさんや、他の編集さんに作品を見てもらって、新しい発見がたくさんありました。
私の作品は「目つきが悪い」ということに気づくことができました。
指摘されたこと全てを鵜呑みにしないでいいと思うけど、3人中2人から指摘されたら、それはもう改善点だと思います。
編集の人たちがどんな思いで本を作っているのかも、知ることができたと思います。
それは、会いに行かないとわからないことでした。
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つづく
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こんにちは〜!今のカワグチだよ〜!
今回は対面営業のお話でした。
「営業に興味があるけど、何だか怖い」っていう方は多いと思います。
私もそうでした。
営業は、好きな人に告白したいけど、フラレたらどうしようっていう気持ちに似てるのかもしれないですね。
ただ、企業は、好きな人と違って、フラれても終わりではないです!
その時は、まだ仕事に繋がらなくても、顔を覚えてもらったり、アドバイスをもらえることだけでも勉強になると思います。
また自分が成長した頃に、昔営業した会社が声をかけてくれることもありました。
カワグチ的「対面営業する上でのワンポイントアドバイス」をするなら
①1日で複数受ける
②好きな会社を受ける
です!
①1日で複数受ける
「絵」って、どうしても見る人の主観的なジャッジが入ったり
出版物によって相性もあります。
なので、同じ絵であっても、見る人によって感想はバラバラです。
自分自身が、客観的にアドバイスを聞けるように、一度に複数の意見を聞く。
その中で、今回の話のように、例えば3社営業して、うち2社から同じアドバイスをもらったら
反映する価値が高い意見なんじゃないかと思います。
実際に私は、それを繰り返す中で絵のスキルが向上しました。
②好きな会社を受ける
忙しい出版社側からしたら「仕事もらえたらラッキーくらいの人」が来るより「自分の出版社と一緒に仕事したい!思う人」の方が嬉しいですよね。
さらに、その思いを形として「感想企画書」としてもらえると印象に残ると思います。
「感想企画書」作るの面倒くさいけどね!
私は一度「感想企画書」作ったら、似たような企業に、持ち込んでました。
一生懸命作ったんだもん!
使い捨てはもったいないよね!
今は、対面営業もしづらくなっていますが
メールや郵送営業でも「感想企画書」は、力になってくれると思います。
一方で、イラストの売り込みについて知り合いの編集さんに聞いてみたんですが
「一緒に仕事をしたいと思うならオンラインで打ち合わせを提案するのもいいのでは?」
という意見もいただきました。
出版社側もバ●コ編集さんのように、スキルだけじゃなくて、
人柄や意欲も込みで、一緒にお仕事してくれる人を探しています。
私が今、どうしてもお仕事したい!という企業があるなら、感想企画書を作って、
対面、またはオンラインで営業を申し込むと思います。
中には、「営業したことないよ」っていう人もいますけどね!
そういう考えもアリアリだと思います。
ていうか
羨ましい!!!
営業しなくてもいい人は、営業しなくてもいいスキルとか運を持ってるんです。
マーケティングとか発信力とか、お友達いっぱいいるとか。
いいなあ!!!
駆け出しの頃の私は、マーケティングスキルもお友達も少なかったので、営業する必要がありました。
でもやってみたら案外、怖いものではなかったし、気付きもたくさんありました。
つまりは、どの方法が自分に合っているか。
それはやってみないとわからないということですね!
なので、今の時点で、自分が納得できていない状態なら、営業を試す価値はありだと思います。
やってみて辛くて辛くてどうしようもなかったら、違う方法を試したらいいんです。それも、やってみないとわからないですからね!
まずはやってみる!楽しんでみる!
どんなことでも新しいことをする時は、勇気がいるけど、それ以上の発見があると思います。
では、またね〜!
カワグチマサミ(ほぼここにいます)
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