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原理運動の研究/茶本繁正【読書ノート】

茶本 繁正(ちゃもと しげまさ、1929年10月3日 - 2006年3月10日)は日本のジャーナリスト。大分県出身。戦時中は少年兵に志願し、終戦時には特攻隊下士官であったことから平和への思いが深く、イラクへの自衛隊派兵や有事法制に対する批判を度々行っていたことでも知られる。早稲田大学卒業後、新聞記者、主婦と生活社勤務を経て、1960年よりフリーのルポライターに転向。1977年(昭和52年)、統一協会(現・世界平和統一家庭連合)傘下の学生組織原理研究会の内幕を追った『原理運動の研究』『同 資料編 1』『同 資料編 2』を刊行。翌1978年、この3冊により日本ジャーナリスト会議奨励賞を受賞。後に同会議で代表委員を務めた。また、同年10月13日には村井資長早稲田大学前総長を中心とする原理運動を憂慮する会の呼び掛け人にもなった。日本ジャーナリスト専門学校で講師を務めたほか、「九条の会」傘下の「マスコミ九条の会」呼びかけ人を務めていた。
2006年3月10日、胃癌のため東京都立川市の病院で死去。76歳。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%B6%E6%9C%AC%E7%B9%81%E6%AD%A3

統一教会、原理研究会、勝共連合にいち早く警鐘を鳴らした歴史的名著!
安倍元総理銃撃事件を契機に注目を集めた統一教会。日本での活動の歴史は60年以上もさかのぼる。1970年代には統一教会の影響下にあった原理研究会が全国の大学で組織活動を広げ、大きな社会問題となった。強引な勧誘、募金、集団生活……。それは家族も巻き込んで多くの悲劇を生んだ。本書はいち早く原理運動に警鐘を鳴らし、社会に衝撃を与えた歴史的名著といえる。
解説 有田芳生

読者レビュー

統一教会、原理研究会、勝共連合という所謂ヤバい団体に対して、いち早く警鐘を鳴らした1977年刊行の歴史的名著の文庫化。
世界の各国がカルト団体に指定している統一教会が何故か日本では野放しにされているというおかしな状況である。しかも、何時の間にか公安のマークも外され、団体名も統一教会から世界平和統一家庭連合と変わり、密かに多くの政治家たちの選挙支援をしていたという恐ろしい事実。そして、その事実にマスコミは一切触れて来なかったというのもおかしい。
日本を揺るがした元首相の銃撃暗殺事件により注目を集めた統一教会の日本での活動の歴史は60年以上も前に遡ると言う。統一教会は1970年代から強引な勧誘や募金、桜田の壺で有名な高額で怪しげな物品販売で資金を集めていた。
自分が学生の頃、創価学会の第三文明研究会と統一教会の原理研究会には近付くなと言われていた。新入生が入学する頃、大学のキャンパスには部活の勧誘と共にやたら親しげに話し掛ける学生が第三文明研究会や原理研究会といった怪しげな会に勧誘するビラが配っていたのを覚えている。
統一教会は日本に上陸するや反共活動と手を組み、日本のフィクサーと呼ばれる人物たちの後ろ盾で政治の中枢とも結び付いていくのだ。何故か公安のマークが外された後も統一教会の暗躍は続く。その中の一つが政治家への選挙支援である。政治家は選挙支援の見返りに旧統一教会の会合に顔を出したり、メッセージを送ったりと統一教会の存在を正当化していたのだ。それが元首相の銃撃暗殺事件へとつながる。
現代は、本著が刊行された1977年よりもさらにヤバい時代のようだ。一体、誰が、何が正しいのか解らなくなった混迷の時代。政治には期待出来ず、明るい未来を見出だせず、自然災害と隣国の共産国からの攻撃に怯えるだけの時代。政権を担うのが旧統一教会を後ろ盾にする自民党と創価学会を後ろ盾にする公明党の連合政権という恐ろしさ。
旧統一教会も創価学会も教祖による異状な集金システムが稼働している点ではその本質は変わらない。
岸田は旧統一教会に解散命令を出すとか言っているが、出さないという公算の方が強い。旧統一教会の支援が無ければ、自民党議員の大半が落選するのは目に見えている。従って、解散命令を出したとしても形式だけに過ぎないように思う。

https://honto.jp/netstore/pd-review_0632695880.html

【目次】

1 社会問題化への経緯 
原理運動の実勢/各国政府の対応/社会問題化の先進国・日本
2 マスコミからみた社会問題化 
「親泣かせ」で表面化/父母の会の結成/勝共連合発足への布石/布教目的に密入国/あいつぐ奇異な事件/〝洗脳〞の社会的土壌/ソウルで合同結婚式/エアライフルの大量輸入/散弾銃の威力/京都でWACL総会/二万人を集めた日本大会/「茨木事件」と「日本の狂気」/東京都知事選と〝災害〞/東大生対象にセミナー/フランスでも父母の会/アメリカでの報道/国会でも問題化
3 疑惑の系譜 


1 教祖・文鮮明の奇怪な「過去」 
台湾政府の布教禁止措置/サタンと闘い、神と霊交する/曖昧な再臨大予言/ナゾが多すぎる人間経歴/「血分け運動」の発端/「神の啓示」による結婚歴/神が死ねといえば……/朝日にむかって「お父さま」/その狂信的エネルギー/ニューヨーク郊外の大財産
2 統一協会・原理研の〝怪金脈〞 
一大フェスティバルの熱狂/人参茶〝快進撃〞のナゾ/奇妙なり〝藪の中〞/小切手不正輸出事件も……/「三カ月で四百個売って下さい」/涙ぐましい〝花売り〞体験/パンの耳をふかして食べて……/モグリの街頭募金活動
3 錯乱者が続出するメカニズム 
青年の奇怪な死に方/なぜ〝狂った〞のか……/残された日記の奇々怪々/福島駅での行き倒れ/入信者が錯乱するメカニズム/宗教という名の洗脳/死者・廃人の責任問題
4 統一協会・勝共連合の素顔 
協会と勝共連合は表裏一体/現金化にナゾの人物が登場/関連企業への資金援助か/割引運賃の差額を献金/実態不明の街頭募金のカネ/アメリカに膨大な不動産/情報活動の資金づくり?
5 サタン教の思想と行動 
『ニューズ・ウィーク』の文氏〝特集〞/文=統一協会とKCIA/フレイザー委員会での証言/暴露されたKCIAの汚ない手口/あらゆる商行為の陰にKCIAあり/日本との関連
あとがき 
解説―――――有田芳生 


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