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5月11日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年5月11日(土)の朝に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!

この日は新規の方が2名、リピーター様が4名の計7名で朝活×読書会。暑い日でもホットコーヒーを注文しているのは、主催者だけだ。

会社などの組織以外で、年令を問わず読書などの趣味でつながれる場所って結構大切なんだと、改めて実感する次第。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

阿辻哲次「漢字再入門」中央公論新社

小学生時代の漢字ドリルやテストでやたらと「とめ・はね」を意識されたせいか、漢字に対してアレルギーをお持ちの方も多いのではなかろうか。

生活する上で欠かせない漢字を、もっと楽しく学べたら面白んじゃないかっていう再入門。漢字の成り立ちや歴史を学ぶと、また世界が広がるのではなかろうか。

ギュスターヴ・ル・ボン「群集心理」講談社

群集心理:集団の中でも、特定の方向に向いている人々の集まり。染まりやすく、偏りやすく、単純な思考回路を有するために、悪い方向にも動きやすい性質を持つ。実際にナチスでも読まれた書物だとか。

ちなみに著者は、最も悪い群集心理を「学校教育」と記している。詰め込み教育は”廃人”か”官僚”しか産まないと(それゆえ著者は「職業訓練」を通じて、個々人の能力を高めていくべきだと提唱している)。

悪い意味として使われがちな「群集心理」だが、”特定の方向”が良い方向であれば、数の力でより良い方向に進むことも可能である。スタジアムのゴミを拾う日本人サポーターのように。

長谷川英祐 「働かないアリに意義がある」メディアファクトリー

自然界に生きる蟻の集団は、非常に働くアリ・普通のアリ・全く働かないアリの3つに分かれるといい、これが最適な生存戦略だと分析する(いわゆる2・6・2の法則)。

「非常に働くアリ」しか存在しない組織は、想定外のことが起きた時に対処できないことが多いのだという。ある種の「窓際族」の存在は、こうならないためにも働こうというモチベーションになるのかもしれない。

人間も自然の一部ではあるけれども、アリのように単純(?)には束ねられないものなのよ(ちょっと群集心理に通じる)。

本明秀文「SHOE LIFE 『400億』のスニーカーショップを作った男」光文社

「起業」して大金持ちになった経営者ではなく、「売却」して400億円の企業を生み出した著者のサクセスストーリー。

よくあるIT系ではなく、小売店で成功しているのも面白い。

村田由美「漱石がいた熊本」風間書房

「草枕」「二百十日」の舞台として、夏目漱石が教師として働き、結婚、子どもが生まれた熊本という土地は、漱石の作品及び人生にどんな影響を与えただろうか。

連休中、九州方面を旅行していた紹介者が、熊本は「長崎次郎書店」の地元ゆかりコーナーにて手に取った本。

「草枕」の舞台となった前田家別邸にも訪れたそうで。そのゆかりの地を巡る旅も楽しかったという。

アゴタ・クリストフ「悪童日記」早川書房

ハンガリーの動乱の中、魔女と呼ばれる祖母の家に疎開した双子が、強かに、それはもう強かに生きていく物語。

日記というタイトルでありながら、双子の心情が全く描写されていない。悪童として行動は起こすけれども、その理由や感情が描かれていないがゆえに、ひたすら読み手に委ねられている。

なぜ?を考える文学として、ぜひ子どもから大人まで読んでもらいたい作品である。

2024年5月・6月の読書会スケジュール


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・注意事項
こちらの読書会は、神保町ブックセンターのカフェにて開催しておりますが、運営元のUDS様の主催とは別のイベントでございます。

お見かけした際には店員さんやスタッフさんにお伺いせず、直接主催者(アンダーリムの眼鏡の男)にお声掛け下さい。

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