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国民全員の共通の作品と言えば?

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

先日、読書会にて日本国民全員が一度は読んだことがある本はなんだろうかという話題になった。よくサラリーマンの必読書とか、経営者の必読書とかがあるが、国民の必読書、と言うか、一度は読んだことがある本はなんだろうかと。

(個人の見解ですが) イギリス人がシェイクスピアは必読書だというように、アメリカ人が一家に1冊聖書を持っているように、日本人にとって、全員が一度は読んだことがある作品はあるのだろうか。

一番最初に上がったのは、夏目漱石の「こころ」である。国語の教科書にも載っていた上、ご年配から若い方々まで、一度は耳にしたことがある作品である。「国民的ネタバレ小説」とはよく言ったもので、一番のクライマックス、Kが自殺してしまうところをみんなが知っている。だが、「こころ」を最初から最後まで読んだ人は少ない。

教科書の中から探せることはできるか、それも難しい。年配の方と若い方とでは収録されている本が異なる上、同じ世代でも出版社によっては取り扱っている作品が違うらしい。ちなみに私は重松清さんのカレーライス世代である。

古典はどうであろう。竹取物語や源氏物語など、日本には古来から優れた文学が存在していた。しかしこれも同じ理由、教科書で出会ったけれども、最初から最後まで読んだことはない。春はあけぼのは一体なんの作品だっただろうか。

小説においては当然好みはある。私自身、東野圭吾さんをいまだに読まず嫌いのままだし、湊かなえさんや村上春樹さんなど、有名だけれども手付かずの方も多い上、読んだとしても作品があまりにも多いため、同じ本という共通の話題にはなるまい。

ふと憲法はどうだろうと思った。書物に含まれるか否かと問われたら首を傾げるが、これならば誰もが一度は読んだことがある。とまで書いて、いや最初から最後までは読んだことないなと自分で反駁する。

海外みたいに宗教に関係する本があるわけでもない。そもそも一家に1冊レベルの本を求めている自体が、少々厳しいのかもしれない。あるとすれば、スマホの取扱説明書くらいだろうか。

そう考えると、やはり桃太郎や浦島太郎あたりの昔からある絵本あたりが無難なのだろうか。今の子供達が桃太郎やかぐや姫をすっ飛ばして、鬼滅の刃や呪術廻戦にでも行かない限り、誰もが一度は読んだことがある本だろう。ただ、物心着いた頃に、改めて読み返したかと言われたら微妙である。読み聞かせならあるが、読んだことはあっただろうか。

何か、これだと思う作品はないだろうか。

いっそのこと、的を狭めて、この作品ならみんな最初から最後まで読んだことがあある、というレベルに落とし込めば、一つ思い浮かんだものがある。

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」

……どうだろう? 必読書というかは作品、作品というよりは詩のレベルだが、一度はみんな読んだことがあるのではなかろうか。教科書にもあった上、何かしらの折に触れたことがある作品ではなかろうか。みなさんの意見をお伺いしたいところである。それではまた次回!

・追記
書き終えて、改めて読み返してふと思う。確かに雨ニモマケズはみんな知っている可能性はあるが、話題にはならないな、と。

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