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【これまでの試合のまとめ】最終戦を迎えずしてレギュラーステージ敗退が確定しました。 【心境の変化】 #BPLS3 #SDVX

この記事を読もうと思っていただけている時点で試合を観ていないという方はほぼいないと思います。ただ、もし視聴がまだの方がいらっしゃるのであれば、まずは見てください。お願いします。
本当にすべての試合が前年度よりもレベルが高く面白くなっています。

※本記事は、いわゆる普通の「試合の振り返り記事」というよりは、主に私「かわちゃん / KAWACH」自身が関係している内容や出場した試合のうち、特に当時の私の心境の変化に影響を及ぼした事柄にフォーカスを当てて記載しています。
尚、元よりこういった記事を公開したいと思っていたため、試合終了ごとにこの記事のためのメモを取っていたのですが、中には刺激の強い表現も含まれるかもしれません。当時の心境を可能な限りありのまま伝えることを目的としているため、敢えて精査を加えすぎないように執筆しています。予めご了承ください。

尚、各試合の詳細な振り返りについては、チームレジャーランドYouTube公式チャンネルにて配信済みの各種「振り返り配信」をご覧いただけますと幸いです。この振り返り配信内でお伝えしていることは、この記事内ではあまり触れていません
(3/11[月]時点で第14試合 vs TAITO STATION Tradz 戦まで実施済みです。)

チャンネル登録、よろしくお願いします。





レギュラーステージ敗退確定

2/28(水)放送の試合、および途中結果をもって、我々チームレジャーランドの敗退が確定してしまいました。

残り1試合をもし「勝利」で終えても最高4位。
APINA,GiGO,ROUND1がこの後のすべての試合で負け続けない限り我々は4位に残れないが、
そもそもGiGO vs APINAやGiGO vs ROUND1の試合が残っているため我々が4位以内に残る択が存在しません。

昨シーズンのリベンジを果たせなかった悔しさ、応援していただいている皆様へ勝つ姿を中々お見せできていないこと、セミファイナル・ファイナルへ挑む姿をお見せできないことへの申し訳なさでいっぱいです。

他チームの振り返り配信や記事を見ると「何か一つ掛け違えていれば負けていたかもしれない」と、我々チームレジャーランドの実力を評価していただけている表現も見受けられます。
ただ私はこの結果を、明確に実力が足りていないことを痛感させてくれるものだと解釈しています。他のチームの方が強く、レジャーランドは弱かったんです。

この結果をもって今後どのようにSDVXと向き合うかは自分次第です。
少なくとも私は、上達へ向けて歩み続けるその足(手?)を止めることはありません。というか、歩んでいては追いつけないので走り続けます。


心境の変化

ここから先は、SDVXのプロ選手として活動したり、試合を重ねたりしていく中で、その行動指針や、いちSDVXプレイヤーとしての在り方に影響を与えたことを中心に、試合の振り返り等をしていきます。


BPL S3 SDVX部門 シーズン開始

さて、BPL S3 SDVXは試合開始前から、1チームの参戦撤退や有料生配信システムの施策など、日頃からBPLを視聴してくださっているファンにとっても、関係者にとっても、様々な驚きのニュースが耳に入り続けているシーズンかと思います。

今になってわざわざこの話題に触れているということは、YouTubeで試合が公開される前のこの時点でプロとして活動していく上での心境に変化が起きたということです。

それを色々と語りたいところなのですが、それは話しません
余計なことを話せば話すだけ、本当に伝えたいことにノイズが乗ってしまうためです。
試合へ向けて本気で準備し、出場した選手として、
「とにかく配信を観てほしい」からそれをひたすら伝えていこう
この一心に尽きます。
だから、この記事の最初にもそう書きました。
(この記事を書きながら、私は今、「そう言うのなら既にBPLが好きで見てくれている人向けのこういう発信だけじゃなくて、BPLを見ていない人に見てもらえるような発信をするべきだろう」というジレンマに駆られています。)

私が言うことではないかもしれませんが、YouTubeでの配信も音声や映像のトラブル等が連続で発生してしまっており申し訳ない思いでいっぱいです。遅くまでご視聴いただいている皆様、いつも本当にありがとうございます。

試合内容のみならず、新曲等のアップデートの情報、採用作品の情報、アーティストによるDJ、それら全てを引き続きお楽しみいただければ幸いです。
グレイスちゃんもいつもありがとう♥


vs GiGO(第2試合)

「今シーズンは本気でダメかもしれない」

中堅戦被2タテから始まった私のBPL S3。
大将戦を迎える直前は、この感情に支配されていました。

自選のENDYMIONは、決して「魅せるため」ではなく、全ての課題曲の中で一番勝率の高い楽曲を選び抜いたものでしたし、他選についても不安要素の少ない楽曲だったはずです。

今シーズンは本気で優勝したいという思いから自分自身に与えたプレッシャーに飲まれてしまいました。

自分自身に与えたプレッシャー(BPL S3 ドラフト会議前に公開された意気込み)

今見返すと「何を言ってんだか…」というプレーだったように思います。
情けない…


「大丈夫、ストラテジー使おう。」

ただの2タテではなく、あろうことかこの後大将戦で1vs1で戦う
--H.R.--選手に2曲とも1位を取られてしまうという展開。
精神的にどちらが優位かは、もはや言うまでもありません。

チームとしても3タテ以外に勝ち目がない状況の中、わざわざ1巡 vs 1巡の力比べでストラテジーを切る判断をしたことに驚かれた方は多いかと思います。実際、私は反対していましたし、実況解説席でも「おそらく使わないだろう」という旨の解説がされていました。

そんな中、ストラテジーを切る最終判断をしてくれたのはアドバイザーの「緑風マルト」くんです。

KAWACH「ストラテジー使って勝てないリスクも怖いし、そもそも俺Ice Fortressめっちゃ得意だから大丈夫だよ。」
マルト「いや、わざわざこの曲投げてくる相手に勝負するのは危ない。大丈夫、ストラテジー使おう。でも相手にストラテジー使うことバレるとまずいから首は横に振って。」
KAWACH「わかった。使おう。(首を横に振りながら)」

こんな会話をしてたと思います。たった30秒でこの判断ができるうちのメンバー、すごいよね。


「蓬莱ばかりにいい思いをさせてたまるか」

嬬武器烈風刀「チームレジャーランドよりストラテジー発動!よってチームGiGOの課題曲は『Nostalgic Blood of the Strife』に変わりました!Ready!」

互いに微妙な反応をする様子

--H.R.--「(ストラテジー)使うなよ…。」

烈風刀からの「Ready」の後、--H.R.--選手の口からはこの言葉が漏れていました。
正直、変更後の課題曲を見た時点では自信がなかったものの、この言葉を聞いた瞬間にストラテジーによって精神的に翻弄させられたのではないかと感じました。
「今シーズンはダメかもしれない」といった「不安」以外のことを考える余裕ができた瞬間です。
そして真っ先に感じたのは、いわば怒りのような感情に近い原動力です。

S2の私は本当に負けませんでした。勝ち続けていました。
だから、(多分)輝いていました。
今、その対象が勝利して輝く--H.R.--選手だろうなと思った瞬間、それとは対称的な自分の不甲斐なさを痛感しました。

そうして芽生えた感情が「蓬莱ばかりにいい思いをさせてたまるか」というものです。「嫉妬」とはまた違う、自分自身の不甲斐ないプレーや、それによって招いてしまった当時の状況に対する自分への怒りや相手への対抗心によるものだと思っています。

悔しい最期に終わったS2のリベンジをしたくて再チャレンジしに来たというのに、初戦から何も残せなかったら、じゃあ何をしに来たというのか。
応援してくれているファンにも、信じてくれたチームメイトにも申し訳が立たない。

この感情に背中を押され、自選曲の「ちくわパフェだよ☆CKP[XCD]」では、とにかく目の前の譜面に集中できていました。

曲中に何度も「大丈夫だよ」と言ってくれるこの曲は、
いつしか私にとっての応援歌のような存在になっていました。

この1勝をきっかけに、私の中で完全にスイッチが入りました。
(中堅戦からスイッチ入れておけよと言われればそれまでなのですが…)
正直、相手のミスに救われた部分も多かったものの、気づいた頃には初見勝負も終え、レジャーランドが勝利していました。(そのミスがストラテジーの翻弄によるものなのだとしたら、それはレジャーランドの作戦が刺さったと言っていいでしょう。)

満身創痍の私と、あまりにも嬉しそうなPNT*EEB選手

初見楽曲のメロディの一部分も全く思い出せないほど、勝つためのプレーに集中していました。


「自分の尻拭いは自分でやる」

貴重なストラテジーカードこそ使ったものの、中堅戦の失態を同じ試合で返すことができました。

貴重なストラテジーを無駄にしない1勝

何よりも、あの--H.R--選手を相手に3タテすることができたことは私にとって大きな自信につながりました。
「初戦を勝ててよかった」という安心、「やっぱり俺は強いんだ」という確信などの感情でいっぱいになっていたと思います。もう、よく覚えていません。

今シーズンは勝ちにこだわるチームレジャーランド
その真髄をお見せすることができたのではないでしょうか。


vs APINA VRAMeS(第4試合)

「2ptを持って帰る、それ以上のことをする」

この試合で私ができることは「先鋒戦に勝って2ptを持って帰る」ことのみ。ただ、主に情報面で中堅戦や大将戦に少しでも関与できるよう、練習中は様々な部分にアンテナを張り、先鋒戦のpt獲得以外の面でも貢献できるよう努めていました。

少し脱線します。
私は結構神経質な性格なので、本番前は自分が試合で勝つために集中できること以外の要素が介入するのを本来は嫌がります。(一応先に弁解しておくと、この性格を自分自身であまりいいものではないということをちゃんと自覚しているつもりです。)
本番前の練習時間では相手やチームメイトのプレーをあまり見すぎないようにして目や耳に入る譜面や曲の情報の管理をしていたりします。その時の気分によりますが、会話を嫌がるときもあるかもしれません。
「練習時間の残り時間は俺から聞くから基本そっとしといてほしい。」みたいなことをチームメイトにお願いしたりしたこともあります。そういう細かな数字の情報すらも自分のタイミングで整理したがるんです。

でも、例えば「相手チームが練習中にとんでもない高スコアを出してざわついてるのが聞こえてくる」とか「練習中に談笑が聞こえてくる」とか、そういうことには一切翻弄されずにシャットアウトできます。

これだけ聞くと何がセーフで何がアウトなのかよくわからないと思います。
私の中で集中するための足かせとなるものとそうでないものの線引きがあり、少なくとも私はそれを完全に理解しているので、他者の協力がないと成り立たないものについてはなるべく正直に伝えるようにしています。
チームのみんな(この件については特にアドバイザー)、いつもありがとうございます。

長くなりましたが、つまりこの試合の直前は本来シャットアウトしたがる情報を積極的に取り入れられるだけの余裕があったということです。

先鋒戦で飛んでくる楽曲の予想に自信があったこと、そのうえでの勝ち筋、ゲージ管理等のプランが前日までにある程度完成していたこと。
既にGiGO戦を勝利で終えており、中堅TRICKY、大将PEAK出場のために割いていた脳のリソースに空きができたこと。などが要因です。
特に、GiGO戦でptを獲得できないまま2戦目を迎える形となってしまったPNT*EEB選手が抱えるであろう不安要素や迷いを、少しでも減らしたかったという思いが強かったです。

なので、例えば相手チームの中堅タッグ(YU11,PAPER.)が両方とも練習中に選曲している楽曲やそのリザルトの水準、もっと言うとプレー後の表情や反応まで見て「この曲は99%投げてこないよ」みたいなことを伝えていました(すべて当たっていました)。
※スポーツマンシップ的な面を問題視されるかもしれませんが、練習環境的に互いに全てが見える同条件の環境のため、ルールで定められない限りは問題ない行為である、という認識です。

そういった情報にも気を配りつつ、結果的に先鋒戦は理想的な試合進行で勝利を収めることができ、中堅戦の相手チームの選曲予想も「Deadly Dolly Dance」以外の可能性を否定できる根拠を集められていたと思います。(大将戦は何もわかりませんでしたが…)

最後あぶねえなおい

当然緊張はしていたし、通常スコア勝負で進行する前半ターンではケアレスミスも誘発していましたが、最後勝った時には「当然のことをしたまでだ」と言わんばかりに、どんと構えていました。


「YU11選手が上手くて本気で悔しい」

全体結果としては2-10で敗北しました。

先鋒戦の流れをも断ち切るその強さに脱帽です

試合を終えた後の私は、もはや「先鋒戦でptを取っていたこと」や「チームとして負けてしまったこと」を考えるのは二の次になってしまうほど
YU11選手への対抗心」でいっぱいでした。

YU11選手は昔から同じゲームセンターで一緒にボルテを練習してきたプレイヤーであり、当時一緒に出場した8thKAC 東エリア決勝で戦ったことのある相手でもあるため、私を除く20名のプロ選手の中でも、
特に長い期間ライバル視してきている人です。
そんな人に「あの水準のプレーは私にはできない」と明確に感じさせられました。上手すぎて
3タテされて負けて悔しいのはPICOLTEX選手のはずなのに、なんだか私は私で燃えていました。

いつか手が届くといいな。


vs GAMEPANIC(第7試合)

「この試合を落とせば、レギュラーステージ突破は難しいかもしれない」

「レギュラーステージ突破には3勝(=9pt)は欲しい」という前提のもと、
APINA戦の敗北、そして特に強豪のチームとして危惧していたTradzとSILKHATとの試合が後半収録に控えていたことから、チームとしてはなんとしてもこの試合で勝っておきたいという感情に支配されていたと思います。

私個人としては、「レギュラーステージ突破の可能性を大きく左右する1戦」とまで思っていました。(後々触れますが、この心持ちであったこと自体が本当に良くなかったし、今も許せないです。)


「PURAIMU選手とのメガミックスが不安で不安で仕方ない」

前述の心境から、この先鋒戦は絶対に落とせないというプレッシャーをひしひしと感じていました。
また、対戦相手のPURAIMU選手は、ランクマッチのメガミックスバトル回では五分五分か、下手したら負け越していたくらいの相手でもあり、練習期間中もどこか苦手意識を抱え続けていました。

実際にこの心境をチームメイトに吐露することは試合を終えるまではありませんでしたが、一人で勝手に精神的不利を抱えてしまう悪い状況だったと反省しています。
そもそもVF、PLAYER RADAR、S-PUC数の差だけで見ても、力量差や付け入る隙が十分にあるはずの相手であり、そういった面で自信を持つべきでした。


「読まれている曲を投げてはいけないんだ」

どこか自信を持てないまま始めてしまった対策は、その感情の通りに翻弄され続けていました
高速鍵盤、縦連、物量、そういった攻め方をしようと選出していた楽曲の全国TOPはとことん「PURAIMU 10000000」で埋まっており、「対策されているから他の曲にした方がいい」と、今考えるとあまりにも薄い根拠で選曲を変えていたように思います。
加えて、相手の選曲は1曲も予想できない状況。試合の日が近づくにつれて不安は増す一方でした。

レジャーランド vs GAMEPANIC戦の前日に行われたSILKHAT vs GAMEPANIC戦の「Holy Legacy」のプレーを見れば、0個勝負が相手の得意分野だということは一目瞭然のはずなのに、わざわざ「セイレーン~悲壮の竪琴~[EXH]」なんかを切り札にしていたのは、その不安が生んでしまった間違った選択でした。

そして、そんな心境のまま迎えた運命のメガミックスバトルは、筐体の選択ミスに始まり、ギアをとことん防がれては通され、その度に聞こえてくる相手チーム席からの大きな歓声にも飲まれ、12ターンのほぼ全てにおいて理想とかけ離れたプレーをして敗北に終わりました。

自選曲のGEARをすべて返されてしまいました


「自分自身のすべてが許せない」

冷静になって当時を振り返ると、勝利の可能性を勝手に潰してしまう選択をわざわざ取り続けていたな、と思います。
こうして迎えた試合は何千人という規模の人たちが見るのであり、その方々に顔向けできるような向き合い方ではなかったと猛省しています。

特に、試合終了後に号泣してしまったことについては、まるでこの時点でレギュラーステージの敗退が決まったかのような姿を見せてしまっていたと思うし、それは前述の「この試合は絶対に落とせない」という心持ちが生んだものです。チームメイトや、大勝して大喜びしたかったはずの対戦相手にも気を使わせてしまったと思います。

見る人にとっては「まだ3試合が残っていて十分に勝ち筋がある状況」でしたし、この試合に馳せる私の個人的な思いなどはこの時点では知られていないことなのです。

見てくれを気にさえしていればOK、というわけではないですが、ポストの通り、「"プロ"として戦う」とは何なのか、そういったことを今一度見つめ直すきっかけとなりました。

全員に反省点のある試合でもあり、試合終了後の控室の空気は本当に重かったです。(でもどこか、心地よかったかもしれないです。)

一生忘れることのない「敗北」


vs ROUND1(第11試合)

「GAMEPANIC戦の反省を生かす機会が早速訪れた」

大将戦の相手がREIK選手だと断定できた時点で、そう思っていました。

前半3試合の総括として、精神面の有利不利を特に自覚しやすい性格で、それが練習や本番でのプレーに直に影響を出す傾向があることを感じていたため(誰でもそうかもしれませんが)、後半3試合で実力を発揮するには、まずはそれをコントロールする必要がありました。

そして、REIK選手はPURAIMU選手の時と同様に、ランクマッチでは負け越していた相手です。対峙前の状況がGAMEPANIC戦と似ていました。

自分自身のすべてが許せない」とまで感じたGAMEPANIC戦の反省を生かす時が来たと、そう思いました。


「多分、Ghost Triggerだろう」

まず、その「有利」にことを進めるにはどうすればいいのか。
イマイチ根拠に欠ける考察では精神的優位を確立するのは難しいため、課題曲の練習を始める前に自分が安心できるための判断材料を(荒く)探し出す作業を行いました。

①相手チームには古くからの友人である「けけ」アドバイザーがいる。
私が苦手な楽曲を把握されていて、それを投げてくれるという信頼がある。(「根拠」と言いつつ、「信頼」とか言っている時点でこれはただの予想でしかないのですが…)
→私が得意な譜面傾向も把握していて、どの曲に重点を置いて対策をしているかをある程度予測できる

②大将ONE-HANDは課題曲が99曲あるが、得意不得意こそあれど、難易度的に地力の足りていない譜面が1つも存在しないため、必然的に自選候補を多く保有できる。
→候補のうち、相手が手厚く対策しているであろう譜面を除いたとしても選択肢がごまんと残っている。

これにより、
・対PURAIMU戦で抱えていたような「何を投げてくるのか予想できない」状況を回避できる。
・加えて、対策している可能性のある曲まで先に予測しているため、今後の自選候補曲の全国TOPに「REIK 10000000」の文字が見えたとしても焦らずに済む。
という状況を、練習開始前の段階で生み出しました。

後々考えると考察に欠けていたと感じる判断もあったかもしれませんが、そもそも精神面の問題をクリアすることが目的であったため、「どことなく不安を抱えたまま練習を始めてしまう」状況を回避できていた時点で意味のある行いでした。

特に①の状況は本当にありがたく、練習を始める前の段階で相手の選曲最有力候補が「5曲」程度、うち60~70%くらいは「Ghost Triggerだろう」と絞れていました。(相手はきっと、「うぇるかむ-||祭みっくす||-」や「Concertino in Blue」なんかをたくさん練習していたことでしょう。)

そのような状況の中、数多ある自選候補の中から「これは予想できないだろう」「予想できていたとしても力量差で勝てるだろう」というような楽曲をじっくり考察する余裕があったので、練習のしやすさは vs PURAIMU戦とは段違いでした。(結果的に最終的な自選曲は前者の考え方で選びましたが、「読まれているから選択肢から除外しよう」という安直な考えは捨てていました。)

加えてGhost Triggerについては、練習期間中にREIK選手の自己ベストを上回ることができたので、精神的優位という点ではこれ以上ない材料を得ることができていました。

REIK選手の自己ベストはMAX-9、私はMAX-7でした。

唯一の反省点は「最後までGhost Triggerの一発スコアが上手くならなかったこと」ですかね…本末転倒ですが。


「『"試合"を楽しむ』ってなんなんだろう」

私って、試合を楽しんでいるように見えていますか?
だとしたら、ここまでの試合ではそういう風に見せようとしてきていたので良かったです。
実は、「試合の楽しみ方」が本当によくわかっていませんし、そのことを前シーズンからずっと気にかけていました。

ポストの通りです。(ツリーで話を繋げているので、ぜひリンクから飛んで全文を読んでみてください。)
チームの進退がかかっていて、何千人という試合を見る人がいて、大好きなゲーム・コンテンツの製作に携わっている方々がすぐ近くにいる状況。
「楽しい」って口に出すのは簡単ですが(言ったこともあると思いますが)、試合の時の私は「緊張」「不安」「勝ちへのこだわり」が常にその感情を上回っているので、とてもじゃないけど「今チョー楽しい!!!」とはなりません。

2月収録試合前夜にふと「試合を楽しむってなんだろう?」みたいなことを自問してみて、その答えが見つからないまま寝て、気づいたら試合当日になってvs ROUND1戦が始まっていました。

そして、いつも通りDJで流れる曲にノって、色んなポーズをしてみましたが、試合が終わった直後もやっぱり「試合を楽しむ」の本質はよくわからないままでした。
じゃあ、どうすれば試合を楽しむことができるのだろうか。

少し話を戻します。
私はどうして「試合を楽しんでいる風に見せてこようとしていた」のか。
それは「試合を通してボルテやBPLの面白さを伝えること」がプロの役目であるという認識のもとです。
なので、正確には「試合を楽しんでいる風に見せなければならない」と思っていました。

ROUND1戦を終えた後、その日はTradz戦も控えていたのですが、その間にも隙あらば自問自答していました。その中で、ある単純な回答にたどり着きました。

そもそも、必ずしも試合を楽しむ必要があるのだろうか
ボルテやBPLが好きで、面白いコンテンツであるということを身をもって伝えられればそれでいいんではないだろうか。

今まで「試合を楽しんでいる様子を見せることがボルテやBPLの面白さを伝えたことになる」という考えになってしまっていたのではないか。むしろ、本気で挑む姿を見せるのが競技シーンなのだから、特にBPLというコンテンツでは楽しそうな面以外のありのままの姿を届けるのもまたエンタメではないだろうか。

そもそも、前述した「DJで流れる曲にノる」「色んなポーズをする」といった行為は「楽しんでいる様子を見せなければならない」という使命感で行なっているわけではなく、そのほとんどがボルテが好きすぎる故に自然と出てきた行動のはずなのです。(一部はネタ合わせ等々していますが、その「ネタ」すらもボルテやBPLが好きでなければ生まれなかったものだと断言します。)

なのでこの考えに至った時、「『好き』をありのまま伝える」という点では初めから達成できていたなあと安堵しました。「楽しむ」という感情に長い間固執していたが故に思考が迷走していましたが…

反対に、極端な緊張や不安は隠し通そうと取り繕っていました。
vs GiGO 中堅戦で自選の「ENDYMION」をカウンターされた後なんかがまさしくその瞬間です(手を挙げた時のあの笑顔は完全に取り繕っています)。
負の感情を見せてしまうことがBPLやボルテに対するマイナスイメージにつながってしまうことを危惧し、必要以上に躊躇っていました。
もしあの時感情に身を任せていたらどう振る舞っていたんだろう。

振り返ってみると vs GAMEPANICの大将戦でぴこさんがENDGAMEで惜敗して大きく落ち込んでいる瞬間なんかは、まさしく競技シーンの面白さや選手自身の魅力を体現しているような名場面だと思います。
選手のそういった感情が垣間見えるところこそBPLの面白さなのだから私も当然それでいいのです。

次の試合からは「試合を楽しんでいる風に見せるための行い」ではなく「BPLやSDVXが好きで好きでたまらない人間による『好きの体現』」として色んなことをしています。同じ行為でも心持ちは違っています。
逆にしんどい時や苦しい時、何も考えられなくなってしまう瞬間が来てしまった時は、それがたとえ楽しくなさそうに見えたとしてもありのまま見せてやろうと思っていました。

スポーツなんかだと、例えばテニスなら自分のプレーが許せなくて自らの手でラケットをめちゃくちゃに壊すプロ選手なんかもたくさんいるほどですからね。競技は決して「楽しい」だけなんかじゃないんです。(その行いが良いものだとは決して思いませんが、人と戦うとはそれだけ神経を使うものなのだという一例として挙げさせてください。)

そんなこんなあり、残り2試合は「大好きなゲームであるボルテを皆さんの前でプレーできることを誇りに思い、その『好き』を全力で伝えていこう」「緊張も不安も勝ちへのこだわりも、(なるべく)取り繕わずありのまま魅せていこう」という姿勢で臨むことにしました。


vs TAITO STATION Tradz(第14試合)

「絶対に泣かない」

この試合のオーダーは以下の通り。
これまで中堅戦のみしか出場してこなかったPNT*EEB選手がXD*LEVI選手を相手に大将で戦うというオーダーです。

PNT*EEBのこれまでの大将戦での対戦相手
KANEKO→KANEKO→XD*LEVI
重荷を課してしまい本当にごめんなさいの気持ち

結果は以下の通り。
そして、後の試合で我々のレギュラーステージ敗退が決まることとなります。

一筋縄ではいかない相手でした

結果が表示され、選手同士でお互いを称え合った後、私はこの場から立ち去りたくないという感情に襲われ、「TAITO STATION Tradz WIN」と表示されるパネルの前でずっと立ち尽くしていました。

カメラでは最後まで自席に戻ろうとせず、
パネルの方向へ振り返る瞬間の私の姿がほんの少し映っています

そして、泣きそうになっていました

流石にこの敗北は致命傷になるだろうとわかっていたこと。
次の試合が今シーズンの最後の試合になるかもしれない。ひょっとしたら
このメンバーで戦えることそのものすらも、次が最後かもしれない
そういったことを考えるうちにまだネメシスアリーナに立っていたいという思いが抑えられなくなっていました。

ただ、ここでは私は泣きませんでした。絶対に泣きたくありませんでした
何度か深呼吸して、落ち着いたのを確認してからチームメイトの方を振り返ってインタビュー室へ向かいました。

ここで「絶対に泣きたくなかった」理由は vs GAMEPANIC戦での反省、だと思っているのですが、正直ちょっと違っていたかもしれません。あの時のようにチームメイトに気を使わせたくなかったという点では同じですが、ちょっと強がりたい的な感情も含まれていたかも。「取り繕わない」ってそれはそれで難しいなあ、なんて思いました。

どんな理由にせよ「あの時点ではギリギリ敗退が確定していなかった場面であり、かつあと1試合残されている」状況だったので、結果的にその後のインタビューを含めカメラやチームメイトの前で涙を見せなかったことは正解だったと思っています。


「ぺんたさんはなんでずっと笑顔なんだろう」

レジャーランドとしてはこれが5試合目。
そして、この時点でPNT*EEB選手はチームに対して1ptも獲得できないでいるという状況です。

では、そんな苦しい状況の彼の試合中の表情はというと…

すごく表情が豊かで楽しそうです。
現地で試合を観ていた時も「楽しそうにしてるなあ」と感じましたし、実際、試合が終わった直後の本人もそう言っていました。

ただ言えるのは

・(2月収録は特に)試合中本当に楽しかった
・最後まで諦めずに試合ができた

BPLS3 SDVX 2/10までの有料配信、第15試合までのネタバレ注意 今の僕の気持ち - ぺんたEEB

この記事も是非読んでいただきたいです。
いつも笑顔で楽しそうな彼は、ここまで精神的に追い詰められてもなお、「試合が楽しかった」と断言しています

理解できませんでした

この試合の直前に「必ずしも試合を楽しむ必要はない」という結論には至っていたものの、それはそれとして「どうしたら試合を楽しめるんだろう」的な疑念は残っていたので、控室に戻った後、少しだけぺんたさんにその思いを打ち明けました。

あの苦しい状況で『楽しい』と感じるのは俺には絶対にできないことだから本当にすごいと思うし、それがぺんたさんの魅力だと思う

理解できないとは言ったものの「楽しむ」の答えが知りたかったわけではないので、「どうすれば楽しめるか」みたいな質問はせず、こんな感じのことをラフに伝えました。

この日、彼は一足先にホテルへと向かい、先ほど引用したnoteを書いていました。私が記事を目にしたのは翌日の起床直後です。
あんなに苦しい思いをしていたのに「カメラの前ではずっと笑顔」なぺんたさんのことを、チームメイトとして支えるだけでなく、もはや一ファンとして応援したくなった瞬間でした。


vs SILKHAT(第21試合)

「失うものがまだ残っている」

私たち選手3人は、これまでの試合でそれぞれたくさんの課題・苦悩に直面してきました。
決して「失うものがない男たち」による「もう敗退が決まった消化試合」というわけではないのです。

この試合を終えた後のチームレジャーランドは、私は、いったい何を思うのか。

3/13(水) 19:00~、乞うご期待。

【BPL S3 SDVX】レギュラーステージ 第19試合 / 第20試合 / 第21試合 / 第3試合

BPL S3 SDVX
Team LEISURE LAND所属
かわちゃん / KAWACH


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