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丸山太郎に出会った旅 長野県・松本

先日、長野県松本へ1泊2日の旅をしてきました。
下調べ不足で突然思い立って行きましたが、収穫の多い楽しい旅でした。
みなさん、丸山太郎って知ってますか? わたしは全然知らなかったのですよ。

まず松本に着いてすぐに散歩してみて驚いたんですが、街中に水路が張り巡らされているんですね。井戸もあちこちにあって、水がどばどば出ている。飲んでみると美味しい。とにかく水が豊か。

軒下に水路
こんな井戸がたくさんある

子どもを抱っこして一生懸命に水路を見せている女性がいたので近付くと「ニジマスがいるんですよ。あの角を曲がった先にもたくさんいますよ」と親切に教えてくれました。

「これフナですか」と言いかけた。言わなくてよかった

あとでネットで調べたら、ニジマスがいるというのは「ブラタモリ」でも紹介されるほど有名な話だそうです。でもこうしてたまたま出会った地元の人から教えてもらって知ったほうが、なんだかありがたい。

実は前日になって松本行きを思い立ったので、あまり下調べせずにきてしまったのです。新宿から乗った特急「あずさ」の車中でスマホで情報収集しようと思っていたのに、車窓の風景があまりに良くて目が離せず、余裕がなかった。南アルプスや八ヶ岳。学生時代に登った山々が懐かしかったです。

ネットでざっと調べた数少ない情報をもとに、みんなに人気だという「ちきりや工芸店」へ行ってみました。あれもこれも欲しくなってしまいます。お皿などを買いました。

「ちきりや工芸店」。建物もグッドです

「ちきりや」では絵葉書も売っていたのですが、柚木沙弥郎などのほかに「丸山太郎」の絵葉書も並んでました。わたくし、恥ずかしながら丸山太郎(1909-1985)という人をまったく知らなかったんです。誰なんだ、地味に推してるなあ、と思って店を出ました。

その後に寄った古書店に丸山太郎の『旅の鞄』という本があったので立ち読みしてみると、全国各地を民芸品の買付のために旅する話でとても面白い。わたしは旅行先では地元で出版された本を探すのが楽しみなのですが、これはもちろん買いました。

夜、宿に戻ってからネットで調べると、丸山太郎って、松本の民芸運動の立役者みたいな人で、民芸の世界ではめっちゃ有名じゃん! しかも「ちきりや」の創業者じゃない! 無知ってすごいですね。砂漠に水を注ぐように丸山太郎に関する知識がわたしの脳みそに注がれます。井戸からどばどば出る湧水のように。

なんと市内には丸山太郎が開設したという「松本民芸館」なる施設もあるというではないですか。もちろん翌日、バスに乗って行きました。

日本だけでなく世界各地から集めた陶磁器や家具、仕事道具、玩具などが並べられています。眼福。

沖縄の玩具。鯛に子どもが乗っているよ。。。
日本の浮き玉とニューギニアのお面
メキシコのかわいい皿(左)と伊万里が並んでいる

種々雑多なものがいっしょに展示されているのに、なにか統一的に貫かれている美しさも感じます。

昨日「ちきりや」でスルーして買わなかった絵葉書のほか、松本民芸館の冊子などの資料も購入しました。

みなさん、松本に行ったら松本民芸館は絶対行った方がいいですよ! 前日までその存在すら認識していなかったわたしですが、断言します。

もちろん松本城も行きました。
城って、お山の上に立ってるものが多いと思いますが、ここは平地にあるのが珍しいと思った。北アルプスの眺めが最高です。

お城の脇にある市役所の展望台から撮影した天守閣と北アルプス
右側の常念岳から左に下がった稜線の向こうに槍ヶ岳のピークがのぞいています(下の写真)
ちょこっと槍ヶ岳

松本城には武士っていうか足軽?のコスチュームのおじさんがいて、外国人観光客との撮影に応じています。わたしも一緒に写真を撮りました。東京から来たと告げると、松本への移住を勧められました。その方も転勤族だったそうなのですが、退職後に奥様と移住したとのこと。いかに松本の環境や暮らしが素晴らしいかを力説しておられて、うん、たしかにいいかもしれないと思いました。

城の近くには昼飲みができるバーがあって、店内で醸造しているというどぶろくを飲みました。美味しい。店員さんがいろんなどぶろくの味の違いや、今後の増産計画などを教えてくれました。

なんだか松本は観光客に対してオープンで話好きな人が多いような印象を受けました。地元の方と会話が弾むと、旅の楽しさがぐんと増しますよね。

まだ松本の良さの一端しか感じていないと思うので、ぜひまた訪れてみたいです。

松本民芸館↓

ちきりや工芸店↓

松本どぶろく醸造所↓


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