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2024年夏臨の房総特急を分析する

今回は京葉線問題ではないものの関連話題として掲題を考えてみたい。

最近の話題から

その前に京葉線ダイヤ改正に係る最近の話題をひとつ。

記事内容そのものに新情報はないが、ノンストップ通勤快速の復元は扱いが難しい、快速復元は見直しの余地がありゼロ回答で応じる可能性は無い、とする内容。記事中には千葉県幹部や県内自治体関係者のコメントもあり、ダイヤ骨子は依然示されていないものの、担当レベルの調整は続いていることを伺わせるものとなっている。詳細続報は意外と近いかもしれない。

2024年夏臨の房総特急を分析する

さて本題。今年も通例通り、2024年夏の臨時列車が発表された。夜行特急アルプスや185系の行く末に注目が集まっているが、本稿では房総特急に着目してみたい。

房総特急の夏臨を見てみる

銚子特急しおさい、内房特急さざなみ、外房特急わかしおを抜粋してみた。

JR東日本プレスリリースより

2024年ダイヤ最初の臨時シーズンとなったGWを概ね踏襲する列車形態となっており、255系の運行が予告されているほか、細かいところでは近年「新宿わかしお」で運行されていたE257系9両編成(5000番台)の運行が無くなっている。新宿わかしおには代わって255系が予告されており、汎用性の高いE257系から房総専属ともいえる255系の充当を優先したとも解釈できる。

注目されるE257系10両編成と255系

255系については、元々3月ダイヤ改正をもって引退とみられていたが、ダイヤ改正後の春臨で運転予告されたのち、6月まで定期列車についても代走することになり日常的に姿が見られていたが、7月以降の動向は不明でこの夏臨が注目されていた。

結論としては、新宿さざなみ1・4号、新宿わかしおでの運行が予告された。SNSでは「9月まで運行決定」と沸いたが、プレスリリースでは運行日までは判明しておらず、春臨がそうであったように255系の運行は新宿さざなみ2、3号が追加運転されるような繁忙ピーク時のみと推測される。

加えて今回は「新宿さざなみ」にE257系10両編成運行が予告されており、車両運用都合に加えて、輸送力確保の観点もあるものと推察できる。

E257系10両編成と255系運行列車を予測する

255系についてはグリーン車連結であること、今夏はE257系9両編成の充当がないことから、夏臨掲載の時刻表発売以降、グリーン車連結列車=255系とわかることになるが、せっかくなので時刻表発売に先立って予測してみたい。改めて千葉エリアの255系とE257系が関連する臨時列車運用を書き出してみる。なお、運用は類推に基づく点にご留意を。

■E257系5両またはE257系10両または255系9両
運用A
新宿さざなみ1号 新宿 751-館山1006 毎週末
新宿さざなみ4号 館山1602-新宿1807 毎週末

■E257系5両または255系9両
運用B
新宿わかしお1号 新宿 722-鴨川 936 毎週末
新宿わかしお2号 鴨川1620-新宿1829 毎週末

運用C
わかしお89号 東京1300-鴨川1456 7/13,14 8/10-12

■E257系5両
運用D
しおさい81号 東京 933-銚子1138 8/3,4,10-12
しおさい82号 銚子1359-東京1610 8/3,4,10-12

運用E
新宿さざなみ3号 新宿 908-館山1118 7/13-15,8/3,4,10-12,17,18,9/14-16,21-23
新宿さざなみ2号 館山1506-新宿1712 7/13-15,8/3,4,10-12,17,18,9/14-16,21-23

運用F
新宿さざなみ81号 新宿1035-館山1247 8/10,11
新宿さざなみ82号 館山1702-新宿1924 8/12

運用G
さざなみ92号 館山1506-東京1715 8/13,14

まず、新宿さざなみ1・4号と新宿わかしお1・2号は毎週末走っており、地元駅では駅貼り時刻表にも掲載されるなど定期列車に準じた扱いになっている。言い換えると、臨時便は最低でも毎週2運用走っていることになる。

さざなみ系統は平日走っていない分臨時設定が多く、比較的設定が多い新宿さざなみ2・3号、次いで最繁忙期に走る新宿さざなみ81・82号、お盆期の平日に走る上りさざなみ92号の構成になっている。一方、定期便が比較的多いわかしお系統は下り89号の1本に留まる。

大原則はE257系5両編成で運行されるが、春臨では繁忙期となるGWに限り、新宿さざなみ1・4号に255系で運行された。このことから、夏臨の繁忙期となるお盆が中心になると予測できる。

夏臨期間中の運用数として書き出すと以下の通りとなる(筆者推定)

7/6-7  2運用
7/13-14 4運用
7/15 3運用
7/20-21 2運用
7/27-28 2運用
8/3-4 4運用
8/10-12 6運用
8/17-18 3運用
8/24-25 2運用
8/31,9/1 2運用
9/7-8 2運用
9/14-16 3運用
9/21-23 3運用
9/28-29 2運用

上述の通り最低限の2運用を基本に、夏休みシーズンや連休には適時増便されている。春臨では臨時5運用以上の日に255系運用があったと推測され、6運用がある8月10日~12日の255系運用となる可能性は高い。

E257系10両編成の設定意図を考える

新宿さざなみ1・4号のみ「E257系10両編成」と記載があり、ファン間でも話題になっている。言うまでもなく房総特急で最大輸送力を確保できる編成で、単純に考えれば需要が大きいところ、沿線イベント需要やお盆の最繁忙期への充当が予想できる。夏臨期間中の沿線イベントの全てを把握できているわけではないが、目ぼしいところだと8月3、4日と10〜12日に蘇我でロック・イン・ジャパンが開催される。同じく蘇我でGWに開かれるJAPAN JAM同様の大規模イベントであり、GWの新宿さざなみ255系運行時とも重なっている(開催日と一致しているわけではない)。特にお盆と重なる8月10日~12日は輸送力最大化が見込まれるが、E257系10両編成の運行となると、今度は車両が足りるか懸念が生じる。

ここで一考すると、新宿さざなみ・同わかしおのほか255系の記載があるのは「わかしお89号」となっている。これは春臨でも設定されておりE257系5両編成での運行だった。このわかしお89号は下り片道のみの設定で、前後の運用は不明であり以下推測の域を出ないが、通常は勝浦まで送り込み回送している上りわかしお20号(勝浦18:10→東京19:42)につながり、この運用は定期運用(E257系5両編成)の代走の可能性がある。これによりE257系1運用が浮く計算になり、臨時列車は255系2運用、E257系4運用で賄える。

■8月10日~12日の臨時運用予測
新宿さざなみ1・4号 E257系10両編成
新宿わかしお1・2号 255系
わかしお89号 255系(定期運用代走←E257系運用捻出)
新宿さざなみ2・3号 E257系5両編成
新宿さざなみ81・82号 E257系5両編成
しおさい81・82号 E257系5両編成

まとめ

お盆以外の日程では車両稼働数に比較的余裕があり、E257系で賄えることから必ずしも255系運行の必要性は低い。プレスリリースからこれ以上の情報を読み取ることは難しいが、E257系5両編成では輸送力不足となりそうなロックインジャパン開催となる8月3・4日は新宿さざなみ1・4号と新宿わかしお1・2号を255系で、同イベントとお盆が重なる8月10日〜12日は新宿さざなみ1・4号をE257系10連、新宿わかしお1・2号とわかしお89号・定期20号を255系と予想しておく。

また、本論から逸れてしまうが、本noteで何度か指摘している通り平日の通勤特急(わかしお13号・15号など)の輸送力不足が懸念され、定期列車の輸送力確保が臨時列車より優先されるべきとも考える。

E257系10両編成の運行は指定券発売開始(えきねっとシートマップ等)を待つ必要がありそうだが、グリーン車連結となる255系運用については、時刻表発売とともに判明すると思われ、この手の予想があまり当たったことはない筆者だが趣味予想として発表を楽しみに待ちたい。

【5/24追記】答え合わせ


当初記事掲載の5月19日から5日後、夏臨掲載時刻表が発売になったので追記。255系充当は引用tweetの通りとなった。

きちんと調べれば分かったのだが、最繁忙期に走るわかしお89号は新宿わかしお1・2号の間合い運用だったようで、8/10~12も1運用で収まり、夏臨期間の255系は1運用で足りそうな結果となった。

定期代走も6月で終了となり、夏臨でもお盆以降9月は設定がなく、秋臨での255系の動向が気になるところではある。


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