コリアの分断が終わらないわけは?

今朝の新聞で、日本がアメリカから巡航ミサイルの〈トマホーク〉
2026→2025年と前倒して購入することにした、との記事が出ていた。だいたいトータル200発以上のミサイルをアメリカから買うらしい。

トマホークといえば、自分が小学校の時分うちのポストに〈トマホーク来るな!〉という小さな青い紙が入っていたので懐かしい名前だ。勿論当時はトマホーク、がなんのことかわからずたしかサメの絵が併描されてたんで
トマホーク、ていうサメがいるんかなと思っていた(当時は〈ジョーズ〉映画もやっていた時期です)。

日本でここ数年、軍事系の躍進というか活発化が進んできたわけ、として
挙がる単語には〈北朝鮮〉がほぼ出てくるのだが
果たして、
現在の

北朝鮮〉

を脅威だと本気で考えている人は、日本は勿論
お隣の韓国にも、アメリカにも、はたまた中国にも、ロシアにも広げて
世界にどのくらいいるだろうか?

こういう問いを、たまに私は誰かにしてみたくなる。

その建国から1970年代後半あたりまで(つまり故・金日成氏が最高権威を持っていたとみられる時期)、北朝鮮は明らかに韓国(大韓民国)よりも軍事的に優位であり、韓国にとっても脅威だったと思う。いまだその真相に謎があり、いくつかの見方があるであろうー1950年6月25日から始まった朝鮮戦争で、コリア半島を制覇しようとした国だった。

しかし今は客観的に見てどうだろうか?
実はあまり知られていない話だと思うが、韓国では北朝鮮のテレビ放送を大体で視聴が不可能らしい。しかし日本ではYOU TUBEで朝鮮中央放送等の北の放送を見れるので、色々とそこの様子を見ることができるが正直、いま日本や韓国で高々と言われているような軍事大国とは見えない(これを具体的に説明するのは難しい。私は北に行ったことがないし、勝手なことは言えないが良く言えば素朴、悪く言えば1年365日まったく変化のなさそうな国である)。2023年はじめの世界軍事ランキングで、10位以内の日本また韓国と比して、北朝鮮は実は20位近くにいて、同じ社会主義国であり、その軍事について韓国や日本では全然報道されないベトナムよりも下である(そのランキングの信頼性は別問題にしても、この数字結果は物語るだろう)。

決定的なのは、北朝鮮はここ数年間すごいペースで軍事物(ミサイル)を空に打ち上げてきたがISBM(大陸間弾道ミサイル)はじめ重要なものはほとんど〈失敗〉に帰している事である。正直この様は、日本の滋賀県でむかし1年に1回やっていた〈鳥人間コンテスト〉を連想させる。鳥人間コンテストはその成功者よりも、ものすごい時間と労力をかけて準備してきた〈熱血空飛ぶ自転車好き〉さんたちが、本番でスタートしてから10秒ほどで琵琶湖に沈む、というのが最大の見せ場だったというのは私の見解である(まさに青春の熱き1ページ)。

しかし北朝鮮の場合は、〈青春の1ページ〉ではすまないと思われる。あのミサイルを作るお金は人民の犠牲の上にある。

ミサイルの横で微笑む、彼らが称賛する北方系の子孫とはその外見から全く思えない金正恩氏と、娘さん。彼らは自分たちが北方系の高句麗人の子孫と大言してた記憶があるが、北方に発し周辺を占領して帝国化し、大国家中国にまで挑んだ高句麗人は勿論、その王だったチュモン(朱豪)、小獣林王、広開土王たちはあの世から、かつて自分たちが開拓し発展させた平壌の今のありさまを見てどう思うだろうか・・・?
いまの北朝鮮には、周辺を占領して大国化するぞ、みたいなエネルギーは1センチメートルも感じられない。

この客観的な北のありさまを横に、いまアメリカ・日本・韓国が軍事活発化を急ぐわけは何か?これは他でもない

軍事金儲け

この他には見当たらないということである。

昔からアメリカで民主党が勝って、また日韓でいわゆる保守派が強い時は〈北朝鮮〉を挙げて軍事活発化をやるというのは一種のパターンになっており、今回もそのパターンの繰り返しと言えばわかりやすいかと思うのだが、
いまは過去と現状が違ってコロナ不景気にガソリン代の向上、うなぎ上りの物価高という嫌な時世なんだから、各国国内対策にもっと本気を入れるべきなのにそうしないのは何故か?むかしの韓国また今の日本が今回のトマホークでもそうであるように、莫大な税金をアメリカ軍需産業に支払うことは変である(まあこれこそアメリカが、1945年以降日本と韓国にのっかった最大の理由かもしれないが)。

いま、〈北朝鮮〉をネタにして日本も軍事品を作り外国に売り、お金を稼ぎたいというのは本音ではないだろうか?事実、韓国はウクライナ戦争を契機に軍事商売がなお活発化した。ロシア近隣のポーランドに売った軍事品の額が韓国軍事産業売上げ歴代1位とKBSニュースで言っていた。韓国はこの先、北朝鮮をネタに軍事品を作り上げることができ、それを売り儲けを永続できるというのは言い過ぎだろうか?

こうみてくると、米国に日本に南北朝鮮ともに〈南北分断〉が続くほど儲かると思っているのではないか、と言うと言い過ぎだろうか?北朝鮮はアメリカはじめ外国から投資を受け会社を発展さす、国内のモランボン楽団等音楽人を海外で公演させる、北の書籍を外国に売る…等等方策(うしろ二つは珍しいもの作戦)をとれば少しは経済が好転するかもしれないが、

〈ミサイル作って外国に(最近ではロシアに)売れるはず〉

彼らは今これを本気で信じているのではないか?ロシアは北でなくイランから、またトルコから買うだろう。それはロシアの他の反米国家たちも同様であろう。失敗が成功より多い北の武器を誰が買うだろうか?
しかし北の場合にはバックに、金正恩またその取り巻きにそう信じ込ませている人間がもしかしているのかもしれない。いつの時代にも信じやすい人間を利用して生活する人間は存在する。

いつも思うが、コリア分断の被害者は南北離散家族である。私も韓国で住み、体験的に感じてきたが北に親戚のいない人にとって、北は南北交流イベントのない時には関心のない国である。これは北でも同様かもしれない。

昔、北から来たお兄さんに南の弟さんが
〈兄さん、生きておられるとは信じられません〉
と話されお二人が笑っておられるのをVTRで見たことがあるが、
こう思わなければならない理不尽は、何十年も、世界と南北朝鮮の一部の人々から無視されてきて、今に至るのだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?