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今日でアドウェイズ社長をやめる岡村陽久が、会長になったらやりたい3つのこと

2021年6月30日、つまり今日でアドウェイズ代表取締役社長を退任する岡村陽久。翌日からは「会長」に就任する。そんな大きな節目を前に、岡村に呼び出された高山と西久保。

集合して早々、岡村から放たれたのは「会長になったらやりたいことを、どうしても伝えておきたかった」という一言。怒りに全身を震わせていた前回とは打って変わって、穏やかに口を開き始めた。会長・岡村陽久が世に放つ、壮大な3つの計画とは?                     

会長になったらずっとやりたいことがあった

西久保:岡村さん、今日まで社長おつかれさまでした。明日から会長ですね。

高山:会長って毎日「鯉に餌をやっている」イメージなんですけど、岡村さんはこれから何をするんですか?

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岡村:よくぞ聞いてくれました。じつは会長になったら、やろうと思っていることがあるんですよ。それを西久保さんと高山さんには事前に伝えておきたくて。

高山:なんですか?

西久保:政治家との会食?

岡村:3つあって、まずは「サウナ事業」。次に「キャンプ事業」。3つめは……あとで言います。

西久保:もったいぶりますね。

高山:サウナとキャンプは、どっちも岡村さんの個人的な趣味も入ってますよね。それをアドウェイズ の新規事業としてやるんですか?

岡村:そうです。アドウェイズの新規事業としてガチでやります。

高山:おお。                            

24時間いつでも入れるサブスク型サウナを作りたい!

西久保:新しい事業の構想はもう固まってるんですか?

岡村:いま、頭の中にあるのは「月額会員制で24時間いつでも入れるサブスク型のサウナ」です。全国にたくさん店舗を作って、会員ならどこでも利用できる。いわば、エニタイムフィットネスのサウナ版ですね。僕もそこで、熱波師として働きます。タオルの交換もします。

高山:べつに会長自らやらなくても……。

岡村:Tシャツに「会長」って書いてやりたい。

西久保:お客さんからも「会長」って呼ばれそうですね。そういうニックネームの名物おじさん店員かと思ったら、まさか本当の会長っていう。

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岡村:とりあえず、現時点で言えるのはここまでですね。ただ、ビジョンは完全にできあがっています。

高山:そもそも、どうしてサウナ事業なんですか?

岡村:これは西久保さんづてに聞いた、お世話になっている取引先の方の言葉なんですけどね……。

高山:はい。

岡村:その人もサウナ好きなんですが、「人はたくさんの悩みを抱えてる。でも、サウナに入ったらほとんどの悩みを忘れている。サウナから出た後も悩んでたら、それが本当の悩みだ」と、おっしゃってたみたいで。

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西久保:確かに、そうおっしゃってました。

岡村:僕はね、この言葉にものすごく感銘を受けたんですよ。つまり、僕らの悩みなんて、大半はサウナに入れば忘れちゃうくらいのものなんじゃないかって。でも、その程度の悩みでも、夜まで引きずってしまって眠れなくなり、どんどん肥大化してしまう。

高山:そうなる前に、サウナで解消してしまおうと。

岡村:その通り。ただ、今は毎日サウナに行くって、若干ハードルが高いじゃないですか。お金もかかるし、場所が遠かったり、混んでいたりもする。だからサブスク型で、行きたいときに近くの店舗にサッと入れるようにしたら、そのハードルを少しでも取り除けるかなって。忙しい会社員でも、喫茶店感覚でいつでもサウナに入れる状態を作りたいんです。

西久保:そういえば、岡村さんもサウナを自作したんですよね。

岡村:そう。だからといって、毎日入るわけじゃないんですよ。ただ、「俺はいつでもサウナに入れるんだ」っていう安心感が、ものすごい心の支えになるんですよ。

高山:正露丸みたいなもんですね。持ってると安心しますからね。

西久保:正露丸は違うでしょ。

岡村:いや、正露丸です。                      

キャンプの楽しみを倍増させるギアをお手頃価格で提供したい!

西久保:キャンプ事業はどんなサービスなんでしょうか?

岡村:キャンプギアを作ろうと思っています。企画と開発はもちろん、自社で工場を持って製造と販売までやる。キャンプギアのD2Cですね。

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高山:どうしてD2Cなんですか? っていうかD2Cってなに?

※D2C(DtoC)とは……Direct to Consumerの略。製造者がダイレクトに消費者と取引を行うビジネスを指す。

岡村:キャンプ用品って、当たり前ですけど良いものは高いんですよ。サウナテントひとつとっても、日本で主に流通しているのはロシア製とフィンランド製で、モノは抜群に良いけど高い。テントとストーブを合わせると20万円くらいします。

西久保:めちゃくちゃ高い。

岡村:だから、良いものを安く提供できるように、もう僕が作って販売までやってしまおうかと。サウナテントだけじゃなく、ナイフとか薪ストーブとか、いろいろ作ります。そういう良い道具があるだけで、キャンプライフってとんでもなく充実しますからね。高品質なギアを安く販売して、多くの人が最高のキャンプを体験できるようにしたいんです。

西久保:根本的な考え方は、サウナ事業と似ていますね。どちらも素晴らしい体験だからこそ、多くの人に門戸を開きたいと。

岡村:そうですね。そのギアがあることで、ずっとキャンプをしていたくなるようなものを作りたい。土日だけのつもりが、楽しすぎて月曜日に会社行くのを忘れちゃうぐらいに。

高山:経営トップの発言とは思えませんね。             

「最強の営業力」育成会社を作りたい!

西久保:そろそろ3つめを教えてほしいんですが。

岡村:新しい会社を作りました。社名は「昭和デジタル」です。

高山:退任したばかりなのにまた社長やるんですね。ちなみに、その会社で何をするんですか?

岡村:昭和デジタルでは中卒、高卒、養護施設出身者、そして少年院を出た若者たち、いわばBASE人材だけを採用します。期間は原則3年。その3年間で「最強の営業力」を身につけてもらう。そして、卒業後はインターネット系企業に転職してもらうんです。夢としては、いつか昭和デジタルからFacebookやGoogleに人材を送り込みたい。GAFAが欲しがるような強靭な精神力と最高の営業力がある人材を育てる。そういう会社です。

※BASE人材とは:岡村の造語。機会に恵まれればいくらでも成長できるダイヤの原石のような人材の事を指す。

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高山:いいですね。すごくいい。

西久保:でも、それって学校や人材紹介業とは違うんですか?

岡村:違います。学校でもないですし、人材紹介業でもありません。実践の場で営業をガンガンやってもらって育てます。1年目は気合と根性があれば何とかなる営業から始めて、2年目、3年目は、より高度な提案力やプレゼン力、マネージメント力を身につけられる営業へと難易度を上げていく。ネット系企業は実力主義なところも多いので、学歴や出自がどうであれ、実績を買ってくれます。そういう意味では、夢があるんですよね。       

高山:それって、もう動き始めてるんですか?

岡村:準備はかなり進んでいます。僕が本格的に取り組むのは、会長になってからですね。

西久保:つまり、明日からか。昭和デジタルは最終的に何人くらいの組織に?

岡村:毎年1000人くらいは送り出したいですね。そして、また1000人を受け入れる。中卒の子や養護施設出身の子、少年院を出たBASE人材たちがGoogleやAppleっていう誰もが知ってる企業に入れたら、夢があると思いませんか?

高山:夢しかないですね。

岡村:それは僕がやるべきことだと思っているんですよ。いや、もはや宿命です。なぜなら僕も中卒で入れてもらった会社、次に入った会社で上司に恵まれて、たまたま夢のあるネット業界でチャンスを掴むことができた。これはね、僕の実力なんかじゃなくて運がよかっただけなんですよ。僕だけじゃなく、中卒で大成功している人って相当な強運に恵まれていると思います。でも、運には再現性がないから多くの若者は埋もれてしまう。いい上司との出会いとか、教育とか、チャンスとか関係なく、中卒だろうが何だろうが希望のある人生を送るための仕組みが必要なんです。

西久保:それが「昭和デジタル」なんですね。

岡村:そう。僕が提供できるものって営業力しかないですからね。僕が社会で25年間ひたすら培ってきたこの力を、少しでも還元したいと思っています。僕自身が前職の近畿設備やそのときの上司である西村所長に育ててもらったように、昔の自分のような人材に夢と希望を与えられるような会社を作りたい。そして、一人でも多くのBASE人材を育成して社会に送り込みたいんです。ゆくゆくはリクルート、ソフトバンクに次ぐような人材輩出会社にしたいですね。                            

次回から「会長編」に突入

西久保:サウナ、キャンプときて、最後にまさかそんな壮大なプランを描いていたとは。

高山:でも、会長になっても暴れてくれそうでなんか嬉しいです。このまま隠居しちゃうのかと思っていましたから。

岡村:最後に一言だけいいですか?

高山:はい。

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岡村:ここまで会長としてやりたいことをお話ししましたが、アドウェイズの社長として、最後に感謝を申し上げたいと思います。社員のみなさま、これまでアドウェイズで働いてくれたみなさま、そのご家族のみなさま、お取引していただいたみなさま、株主のみなさま。多くのみなさまの支えがあって、社長として20年間やってこれました。心から感謝しております。

これからは会長として、みなさまに貢献していけるよう精進してまいります。みなさまが1日の疲れを少しでも癒せるようサウナ事業をやり、良きキャンプライフを過ごせるよう新しいギアを作っていきます。そして、僕がお世話になったインターネット業界に恩返しができるよう、BASE人材が夢を見られるよう、昭和デジタルを作ります。これからも変わらぬご支援、ご指導のほど何卒よろしくお願いいたします。

高山・西久保:パチパチパチ! 本当におつかれさまでした!

岡村:お二人も、今後ともよろしくお願いします。

高山:こちらこそ、よろしくお願いします。というわけで、この「勝手にしやがれリターンズ」も、いよいよ「会長編」に突入ですね。

西久保:このまま島耕作みたいに「相談役編」に突入して、スピンオフで「ヤング編」「学生編」もやりましょう。

高山:目指せ! 連載1000回、いや1万回!!



編集・構成:榎並紀行(やじろべえ)

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