タトゥーがあっても休職中でもお金のない若者も。サウナの前で人は皆平等である
株式会社アドウェイズ会長・岡村陽久が手がける、会員制定額サウナ施設の「オールドルーキーサウナ」。一号店として六本木通り店がオープンし、続いて2022年11月に渋谷忠犬ハチ公口店、12月に新宿駅新南口店のオープンが決定した。順調のように見えた店舗展開も、そこに至るまでは思わぬ失敗や計画の立て直しなど、四苦八苦もした様子。そこで今回は、新店舗オープンのこぼれ話や「サウナの可能性は無限」と話す岡村の展望を探った。
渋谷区だし代々木駅の方が近いけど「新宿」って名乗りたかった
岡村：呼び出しておいてなんですが、社長室が使われていて入れないので今日はここにしましょう。
西久保：会長になると社長室って使えなくなるんですね。
高山：皮肉ですね。
西久保：ともあれ、まずは「オールドルーキーサウナ 新宿駅新南口店」のオープン決定おめでとうございます。
岡村：ありがとうございます。最初は六本木、渋谷、新宿に出店するって決めてたので感慨深いですね。
高山：でも「新宿駅新南口店」って、代々木駅から徒歩15 秒なんだから「代々木駅前店」とかの方が良かったのでは？
岡村：いや、どうしても店名に“新宿”って付けたかったんですよ。代々木駅の方が近いけど新宿区だから良いかと思ってたら、HPに新店舗のページをつくっているときに渋谷区だと発覚して愕然としました。
西久保：すごい凡ミスですね。
岡村：でも、新宿駅から徒歩12分のサウナが新宿店って名乗ってたりするしいいか、と思って。「オールドルーキーサウナ 新宿駅新南口店」は新宿駅南口から徒歩6分なので、許容範囲内です。
一年後に良いサウナになるように。コンセプトは「PDCA」
岡村です。女性店を検討してましたが、延期します。女性にとって最高のサウナを作りたいという気持ちでいろいろ企画を立てヒアリングをしましたが、女性サウナーの気持ちをぜんぜん理解していませんでした。期待をさせてしまい申し訳ありません。いつか、少しでも喜んでいただけるサウナを作ります。
— 【公式】オールドルーキーサウナ (@oldrookiesauna) August 26, 2022
西久保：ちなみに前回の記事では「次に出店する新宿駅新南口店は女性専門店」と宣言してましたが、記事を公開した9日後にTwitterで撤回してましたね。
高山：俺、自分の妻に自慢しちゃったし、親戚にも言い回っちゃいましたよ。
岡村：すみません。実は、最終確認のためにTwitterのスペースでヒアリングしてみたんですよ。そしたら、僕が考える女性向けのサウナと、女性が求めているサウナにギャップがあったんです。
西久保：どんなギャップですか？
岡村：ぼくは、大前提としてサウナは毎日通いたい場所だという認識があって。だから個人で使えるロッカーも設置して、アメニティも充実させて、美容器具も使えるようにしようと思ってました。でもそれだと初期投資もかかるから、月額料金も高くなってしまう。
高山：だいぶリッチな設備にしようとしていたんですね。
岡村：でも実際に女性に話を聞いたら、2日から3日に1回リーズナブルに通えるサウナが良いとのことでした。あとは湯船に入りたい、とも。
西久保：イメージしていたものが根底から覆されたんですね。
岡村：そうですね。完全に自信を失いました。こんなに自信がなくなったのは人生で2回目です。
高山：1回目は何なんですか？
岡村：それはここでは話せません。
高山：……そうですか。
西久保：僕はなんとなく予想がつきます。それで女性専門店の計画は一旦休止になったんですね。
岡村：そうです。ただ、来年中には実現しようと思っています。
高山：「オールドルーキーサウナ」って、それぞれ店舗ごとにコンセプトがあると思うんですけど、女性専門店のコンセプトはもう決まってるんですか？
西久保：確か、六本木通り店は基本の「Basic」、渋谷忠犬ハチ公口店は2つのサウナ室があるから「Dual」、新宿駅新南口店はサウナの熱さと水風呂の冷たさにこだわった「Ice&Storm」ですよね。
岡村：そうそう。女性専門店は「PDCA」です。
西久保：「PDCA」ってビジネス用語の？
岡村：そうです。女性に満足してもらえる店舗をつくろうと試行錯誤しても、僕の考えることはたかが知れてると思うんですよ。考えても考えても見当違いなサービスを提供してしまうかもしれない。それでも、とにかくやってみる。そこで気付くこともあるはず。だから、一年後に良いサウナになるように、ひたすらにPDCAを回していく。そんな想いを込めて「PDCA」です。
高山：なるほど。岡村さんの姿勢が反映されてるんですね。
岡村：社会人になって20年以上経ちますが初めて「PDCA」という言葉を使いました。
高山：俺はいまだに使ったことがないです。
タトゥーOKの店舗を徐々に増やしていきたい
西久保：そういえば、渋谷忠犬ハチ公口店では、今実験的にタトゥーがOKになってるんですよね。
岡村：そうですね。来年はタトゥーOKの店舗も増やしていきたいですね。
高山： 岡村さんの知り合いであったら利用できるでんでしたっけ？
岡村：そうです。いきなり全店舗OKにしてしまうと他の会員の方がびっくりしてしまう可能性があるので段階を踏んでいこうと思っていて。
西久保：なるほど。
岡村：まずは1店舗で解禁にして、その次は近隣3店舗のうち1店舗を解禁……みたいなペースで少しずつ皆さんの理解を得ていきたいと思っています。
高山：タトゥーを入れている友人も車で1時間とかかけてサウナに行くって言ってたから、喜ぶと思います。
岡村：そうですね。サウナの前では人は皆平等 だと思っているので。
西久保：博愛主義に通ずる考え方ですね。
高山：俺も「オールドルーキサウナ」がタトゥーOKになったら、胸のど真ん中にラーメン彫ろうかな。
西久保：それだったら「経費精算」とかの方がいいんじゃないですか？ いっつも忘れてるから。
サウナと運動を組み合わせて休職復帰のサポートをしたい
岡村：”サウナの前で人は皆平等である”という意味でいうと、もう2つほど挑戦したいことがあって。
西久保：何ですか？
岡村：1つは「オールドルーキサウナ」を活用して、休職中の方向けに無料で休職復帰プログラムを始めたいんです。心労にサウナは効くので。
高山：アドウェイズの社員向けにってことですか？
岡村：いえ、社内外関係なく全てのビジネスパーソンに向けて展開していきたいです。
高山：すごい。
岡村：できればスポーツジムと連携したいですね。というのも、心が病んでしまうのって睡眠が深く関係していると思っているんですよ。ジムで一時間筋トレをした後、サウナですっきりすれば、体も心地よく疲れて眠りやすくなるはず。僕の周りでも、運動とサウナで持ち直した人はたくさんいます。
西久保：「サウナに入ってそれでも悩んでたらそれが本当の悩みだ」って「オ ールドルーキーサウナ」のHPにも載ってますもんね。
岡村：僕の好きな言葉ですね。
高山：休職しても、ずっと家にいたら悪化する可能性もありますもんね。
岡村：そうですね。それだったら一日の2〜3 時間を運動とサウナに費やして「体に良いことができたな」と思って帰宅してほしい。
出世払いでいいからサウナに入ってほしい
西久保：もう1つのやりたいこと、というのは？
岡村：「オールドルーキサウナ」の出世払い利用です。
高山：え！？ 無料で入れるってことですか？
岡村：本当はサウナに通いたいけど金銭的な問題で難しいっていう若者に「オールドルーキサウナ」を利用してほしいんですよ。
高山：いいなあ。
西久保：出世払いが利用できる基準や条件はあるんですか？
岡村：できれば、芸人や俳優、ミュージシャンなどで夢を追っていたり、学生でやむを得ない事情を抱えている二十代前半の若者がいいですね。応募理由を書いて提出してもらって、僕が納得したり感動すればOKとさせていただきます。
西久保：殺到しそう。
岡村：理想は、僕が非常階段でタバコを吸っているとき、「サウナいただきます！」と挨拶に来た若者に「飯食べた？ まだ？ じゃあこれで何か食べて」と言って千円渡す、っていうのをしたいんです。
高山：いいなあ。会えたら飯も食べられるんだ。
西久保：二度美味しい。
岡村：サウナの可能性って無限大だと思うんですよね。人によっては生きがいになる人もいるほど力を秘めている。だからこそ、更に「オールドルーキーサウナ」は色んな人が利用できる場所でありたいんです。
高山：優しいビジョンですね。
西久保：ただ、9日後に撤回される可能性もあります。
岡村：……最新情報は「オールドルーキサウナ」のSNSでチェックしてみてください。
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