katsuma_kineya

親に連れられて歌舞伎を見始め、自主的に通い出してからは約30年。最近は毎週のように歌舞…

katsuma_kineya

親に連れられて歌舞伎を見始め、自主的に通い出してからは約30年。最近は毎週のように歌舞伎を観劇。ひと言感想を2007年からほぼ毎回Twitterでつぶやき中。長唄は祖母が師匠で6歳6月6日に始めて高校で名取り。大学以降ご無沙汰。現在本業は編集・ライター業から翻訳業へとシフト中。

マガジン

  • ひたすら歌舞伎が好きなだけ

    異世界へといざない日ごろの憂さを晴らしてくれる歌舞伎。芝居に舞踊に生演奏、奇想天外な物語もあれば人の心の機微を描き涙を誘う話もあり、俳優は推しを一人には絞れないほどの粒ぞろい。観るだけで楽しむもよし、深掘りして蘊蓄を人に自慢するもよし。とまあ、歌舞伎の魅力は尽きず、この楽しさを多くの人といっしょに味わいたくてマガジンを始めることにしました。毎月半ばごろに、その月の公演の感想と少し先の公演についてまとめる予定です。歌舞伎が好きな方、興味がある方が、何を見ようかなと迷ったときに参考になるタイミングで更新したいと思っています。それ以外に不定期でテーマありきの記事と、今年3月をもって終了したメルマガのアーカイブも掲載予定。体力、気力、資金力が尽きないかぎり歌舞伎を観て本マガジンを続けたいと思っています。どうぞご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

最近の記事

ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその19「演技(3)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

※俳優名は配信当時のものです せりふの見どころと見せどころ2019年8月16日配信  七月大歌舞伎『外郎売(ういろううり)』では、勸玄くん(6歳)が、早口の長ぜりふを堂々と演じて話題をさらいました。立派に大役を勤め、将来が楽しみですね。同演目でもわかるように、せりふは、演技の重要な部分を占めます。とくに歌舞伎では、調子がよく音楽のように聞こえるつらねが特徴的。つらねから発展したせりふの形態もあります。 つらね  今回の『外郎売』の筋書などを見ると「堀越勸玄早口言立て相

    • ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその18「演技(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

      悪役演技の見どころと見せどころ2019年12月6日配信  江戸時代、歌舞伎の興行年度の始まりは11月で、この月の特別な興行を顔見世狂言と称しさまざまな行事が催されました。行事は江戸では幕末に、上方では明治期に廃れていますが、現在でも、顔見世として常より豪華な顔ぶれの公演が行われています。劇場ごとに時期が異なり歌舞伎座は11月。今年も『吉例顔見世大歌舞伎』が華やかに上演されました。  その演目の一つ『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』、通称「髪結新三(かみゆいしん

      • ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその17「演技(1)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

        演技の決まり事の見どころと見せどころ2019年10月11日配信  あるときは気品漂う武家の息女、またあるときは鬼女であり、ときには水もしたたるいい男。そんなふうに、歌舞伎俳優は、七変化どころか性別も性格も年齢も、この世とあの世の境界線までをも越えて無数の役柄を演じます。その演技には、各家はもとより、俳優個人でもさまざまな特徴や工夫がありますが、そのなかで共通してみられるいくつかの決まり事をご紹介しましょう。 世界と趣向と綯交ぜ  まずは、演技の拠って立つところとなる狂言

        • ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその16「子役と超若手」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ※名跡、名前は配信当時のものです 話題の子役と超若手の見どころと見せどころ2019年2月22日配信  新橋演舞場では堀越勸玄くん(5)と堀越麗禾ちゃん(7)が舞踊も口上も立派にこなし、国立劇場には寺嶋和史くん(5)と寺嶋眞秀くん(6)が登場……。1月はあちらでもこちらでも話題の子役が大活躍でした。 人気の子役:客席がほっこり和む初お目見得  冒頭の勸玄くんと麗禾ちゃんの父は十一代目海老蔵。来年5月、勸玄くんが八代目市川新之助を、海老蔵が十三代目市川團十郎白猿を襲名予定

        ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその19「演技(3)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

        • ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその18「演技(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

        • ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその17「演技(1)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

        • ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその16「子役と超若手」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

        マガジン

        • ひたすら歌舞伎が好きなだけ
          27本

        記事

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその8「衣装編」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          衣装の色と柄の見どころと見せどころ2019年5月24日配信  歌舞伎の楽しみの一つは、何といっても贔屓にしている俳優を鑑賞できることにありますが、もう少し客観的な視点で見ると(笑)、衣裳の素晴らしさにも心を奪われます。大胆かつ美麗な色合わせ、絢爛豪華な織り地や刺繍、モダンな意匠など、魅力は数え切れないほど。そこで衣裳について2回に分けてご紹介します。今回の主なテーマは色と柄。 役者が流行らせた柄  江戸時代、歌舞伎役者はトレンドセッターの役割を果たしており、衣裳に使われ

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその8「衣装編」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその6「演出・舞台美術編(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          廻り舞台、セリ、がんどう返しの見どころと見せどころ2018年11月16日配信  歌舞伎では、大がかりな仕掛けや装置などをひとくくりにして、大道具といいます。手がける人は大道具師。今回からしばらく、この大道具の世界をのぞいてみたいと思います。 江戸時代の大発明、廻り舞台  いまでこそさまざまな演劇で使用されていますが、廻り舞台(盆)は元来歌舞伎独特のもの。明治以降は海外にも影響を与えています。舞台が廻る仕掛けの初登場は、正徳・享保期(1711~36年)。ぶん廻しというもの

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその6「演出・舞台美術編(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその15「俳優(3)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ※名跡は配信当時のものです 巳之助丈の見どころと見せどころ2016年6月3日配信  ひいきの役者さんを探して七回目となる今回からは、さらに若手で、まだ初々しさの残る世代を、しばらくご紹介してみようと思います。役者さんとしても人としても伸びしろが大きく、まさに傍らに寄り添って見守ることができ、ファン冥利に尽きる役者さんたちです。  青田買い第一回目は、坂東巳之助丈。もちろんまだ二十代で若さ弾けるときですが、実は、すでにかなりのご活躍です。昨今は舞台から熱が伝わってくるよう

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその15「俳優(3)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその14「俳優(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ※名跡は配信当時のものです 勘九郎丈の見どころと見せどころ2016年2月5日配信  今年は『真田十勇士(さなだじゅうゆうし)』が映画化されるということで、歌舞伎以外でも充実した役者道を順調に歩み続ける、中村屋さんの六代目勘九郎丈。亡くなられたお父上の十八世勘三郎丈が大きくした名跡を継ぎ、新しい勘九郎像を着々と形作っています。  六代目勘九郎丈は、きりりとした目元で上背もあり、立役として恵まれた容姿。さまざまな役柄をこなせる実力派です。ご紹介するにあたって筋書きを見直して

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその14「俳優(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその13「俳優(1)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ※名跡は配信当時のものです 海老蔵丈の見どころと見せどころ2015年12月4日配信  歌舞伎は芝居だけでなく歌も踊りも楽しめる極上のエンターテインメント。笑いあり涙あり、ときに荒唐無稽でときに情緒溢れ、絢爛豪華だったり幽玄だったり。このメルマガでは、歌舞伎の胸躍る異次元の世界にどっぷりと浸かるのが何よりも好き、そんな一ファンから見た、率直な歌舞伎の魅力をご紹介していきたいと思います。まだ観たことのない方にもこの楽しみをシェアしていただけることを願いつつ、しばらくお付き合い

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその13「俳優(1)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその12「家(3)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          中村勘三郎家の見どころと見せどころ2018年3月30日  名跡、中村勘三郎は、平成二十四年、十八世が没して以来空席。現在、中村勘三郎家を支えるのは、中村勘九郎と中村七之助です。芸だけでなく、十八世の音頭で始まった赤坂大歌舞伎やコクーン歌舞伎、平成中村座も受け継ぎ、精進を重ねています。ところで、平成中村座は、十八世の心中にあった「中村勘三郎という本来座主の名跡として伝えられてきた名前を継ぐからには、という思い*」が働いて作られたともいいます。さて、どういうことなのでしょうか。

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその12「家(3)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその11「家(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          松本幸四郎家の見どころと見せどころ2017年12月1日配信  来年早々からの襲名披露公演を控え話題が持ちきりの松本幸四郎家。松本幸四郎が二代目松本白鸚(はくおう)、市川染五郎が十代目松本幸四郎、松本金太郎が八代目市川染五郎を襲名します。興行は歌舞伎座「壽初春大歌舞伎」「二月大歌舞伎」を皮切りに二年をかけて行われる予定。当代の松本幸四郎といえば、歌舞伎のみならず、ミュージカル『ラ・マンチャの男』をはじめ、舞台、映画、テレビでも活躍し、全国で知らない人はいないといってもいいくら

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその11「家(2)」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその10「家(1 )市川團十郎家編」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          市川團十郎家の見どころと見せどころ(一)2017年8月10日配信  今回からしばらく、歌舞伎の「家」についてまとめていこうと思います。ご紹介する「家」は、これまで同様、一ファンとしてのミーハーな視点から選ぶ予定です。まずは市川團十郎家から。市川團十郎家の歴史は歌舞伎の歴史ともいえるため、数回にわたっての紹介になります。 市川團十郎家はなぜ市川宗家なのか  ほかの芸能とは異なり、歌舞伎には家元は存在しません。にもかかわらず、市川團十郎家を「市川宗家」と呼ぶのは、江戸の人々

          ARCHIVES『THE NIKKEI MAGAZINE Ai』プレミアムクラブ会員向けメールマガジンその10「家(1 )市川團十郎家編」(2015年11月~2023年3月配信/文:Katsuma Kineya、編集:講談社、配信元:日本経済新聞社)

          これ観ました! 芝居見物レポート 七月@歌舞伎座 夜の部

          神霊矢口渡歌舞伎座新開場十周年 七月大歌舞伎 義太夫狂言 😊古典名作・手負ごと 観劇日 2023年7月16日 『神霊矢口渡』は、平賀源内が福内鬼外の名で明和7(1770)年に著した人形浄瑠璃。人形浄瑠璃と言えば上方と思いがちですが、本作の初演は江戸の外記座で、内容も江戸が中心です。歌舞伎の初演はその24年後ですが、天保2(1831)年七世團十郎と五世宗十郎が上演した型が定着しました。 本公演では、ひと目ぼれした相手を身を挺して守ろうとする純情な娘お舟を児太郞が熱演。傷つ

          これ観ました! 芝居見物レポート 七月@歌舞伎座 夜の部

          これ観ました! 芝居見物レポート 七月@新橋演舞場

          刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)新作歌舞伎 😊スペクタクル・眼福・美麗立廻り・異世界 観劇日 2023年7月16日 本作は、人気ゲーム『刀剣乱舞』に取材した物語。日本の名刀が人の姿形をとり、強く美しい刀剣男士として、歴史を変えようと企む時間遡行軍と、軍と結託する異界の翁と媼を撃退します。 時代背景は室町時代応仁の乱の後。義輝を殺害することになる松永弾正少弼久秀を重鎮の梅玉が勤め、将軍足利義輝の愛刀三日月宗近を松也、義輝と小狐丸を右近(尾上)、弾正の息子

          これ観ました! 芝居見物レポート 七月@新橋演舞場

          これ観ました! 芝居見物レポート 五月@歌舞伎座 六月@歌舞伎座

          制作中 ※トップページに戻る

          これ観ました! 芝居見物レポート 五月@歌舞伎座 六月@歌舞伎座

          これ観ました! 芝居見物レポート 七月@歌舞伎座 昼の部

          菊宴月白浪 忠臣蔵後日譚歌舞伎座新開場十周年 七月大歌舞伎 三代猿之助四十八撰の内 通し狂言 😊スペクタクル・四世南北作・パロディ・ホラー・32年ぶり再演 観劇日 2023年7月15日 サプライズ付きの大凧の往復宙乗り、大屋根の上の立ち回り、舞台上方を漂う「ふわふわ」、花火に紙吹雪、呪術にあやかしと、スペクタクルな要素を詰め込みながらも、テンポよく物語が進む通し狂言。 四世鶴屋南北が文政4(1821)年に初演しその後長らく上演されませんでしたが、昭和59(1984)年に

          これ観ました! 芝居見物レポート 七月@歌舞伎座 昼の部