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私には何もない それ、本当?

キャリアのご相談をお伺いしているときに、たまに聞くことば。

「私には大したスキルも経験もありません」

「それ、本当ですか?というか、自覚していないだけで必ず何かしらの経験やスキルが積みあがってますよ。」というのが私のリアクション。

例えば、新卒で働き始めて数日~数週間くらいの人であれば、ひょっとしたら本当に全く何も備わっていないということもあるかもしれない。
しかし、社会人として10年とか働いている人であれば、間違いなく何かしら備わっている。

大抵の人は、きっとこのように考えているのだろう。
(他の人と比べると)大したスキルや経験がない
(経歴書に書けるような)大したスキルや経験がない
(資格を取れるほどの)大したスキルや経験がない
(年次に見合った)大したスキルや経験がない
(転職市場でバリューがありそうな)大したスキルや経験がない


でもね、と。
これまで中途採用や面接に携わる中で10万人近い方の経歴書を見てきた私の考えでは、周りと比べても明らかにスペシャルなスキルや経験を持っている人の方が少数派なんです。もちろん、これは私の考えなので、違った考え方をする方もいるかもしれません。

別の見方をすると、1万人いれば1万人のキャリアストーリーがあり、10万人いれば10万通りのキャリアストーリーがあるので、全く同じ経験やスキルセットを持っている人というのは存在しないのです。(系統として似ている人はたくさんいる)

何が言いたいかというと、誰でもがオリジナルの経験をしているので、オリジナルの”何か”を積み上げているはずなのです。自覚しているかどうかは別として。

例えば、
「10年間、電話番しかしてこなかった」というような人がいたとして、確かに電話対応というのは新人研修で習うくらいビジネスパーソンとしては基本的なスキルかもしれませんが、それを10年間継続して集中的に行ったというのはレアな経験ですし、恐らくその中で対応方法の工夫なり、相手の話し方からパターンや傾向を掴み取ることが上手くなったり、話しながらメモを書くのが異常に早くなったり、同じ単純作業であったとしても、繰り返すことで習熟度は上がるし、経験値も増えていくものなのです。

それでも「自分には大したスキルも経験もない」と感じる人は、自分の経験に対しての意味付けが出来ていないか苦手なのだろうと思います。

過去の自分の行動によって、周りにどのような影響があったか、どれだけの人に効果があったか、自分自身に変化があったかなど、小さな成果の一つ一つにフォーカスを充てることで、行動に意味が生まれ、その積み重ねによって自信に繋がっていきます。

本当か嘘かわからない話ですが、
NASAで働く掃除夫に「あなたは何の仕事をしているのか?」と聞いたときに「宇宙飛行士を月に送るサポートをしています」という答えが返ってきたという逸話がある。

この掃除夫が行っているのは、ただの掃除である。
新技術を開発しているわけでもないし、何かしらの研究を行っているわけでもない。それでも、NASAという組織の中で掃除をすることは、宇宙に繋がっていると考えて「宇宙飛行士をサポートする仕事」と解釈している訳である。

無論、この解釈を他の誰かが否定することは出来ない。
自分にとっての仕事の意味を決められるのは自分以外にいない。

さて、
あなたにはどんな経験やスキルがありますか?
どんな仕事をしてきましたか?

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