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短編小説・ショートショート

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500字から3000字程度のお話たちです。息抜きにどうぞ。
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【短編小説】悴んだ恋文

君の足音は聞こえない。 天使の翼から離れた羽毛のように、フワリフワリと優しく地面に降りた…

加糖 紅茶
3か月前
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【短編小説】多幸性の夜、他光星の夢。

「現を抜かすか、鬱と暮らすか。そのどちらかしかないのでしょうか」  そんなことを嘆きなが…

加糖 紅茶
4か月前
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【短編小説】氷は溶ける、されど季節は廻る。

 氷は泣いていた。その冷たい体で型どった憂鬱がタラリタラリと崩れていく。もう誰も私の融解…

加糖 紅茶
7か月前
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【短編小説】父はピエロだった。

「人前でこの仮面を外してしまったんだ。それが多分、いけなかった。だから、お父さんはずっと…

加糖 紅茶
2年前
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【短編小説】letter

「綺麗な綺麗な仮面はいかが?素敵な素敵なお面はいかが?一度被れば人気者!みんなみいんな貴…

加糖 紅茶
2年前
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Potlatch

UFOが私を捕まえたなら あなたは私を忘れてしまうのでしょう 私をもらったお返しに 彼らは何を…

加糖 紅茶
1年前
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【短編小説】悪魔のたまご

一匹の雛鳥がとても温かい巣の中で産まれました。親鳥たちは雛鳥が卵の中から出てきたことに気づくと大層喜び雛鳥を可愛がりました。 「おはよう、私達のかわいい雛鳥。無事に産まれてきてくれて嬉しいよ。卵の中は暑くなかったかい?寒くなかったかい?狭くなかったかい?広すぎやしなかったかい?ああ、なんてかわいい我が子だ。本当に産まれてきてくれてありがとう。」 「はじめまして、私達のかわいい雛鳥。お前が兄弟で一番乗りだ。外が楽しみだったのかい?私達に会いたかったのかい?お腹が空いたのかい?歌