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教育スタートアップとカタリバ、二足のわらじで活躍。「自分自身も多様な環境の中で、視点を広げていきたい」

noteマガジン「はたらく人」は、カタリバwebサイトに掲載している「カタリバマガジン」の記事の一部を転載しています。元の記事はこちらからご覧ください。カタリバマガジン:https://www.katariba.or.jp/magazine/

学校と連携して中高生向けプログラムの企画・運営を手がける会社で働きながら、カタリバが取り組む外国ルーツを持つ高校生支援プロジェクト「Roots」に参画し学校連携コーディネーターとして活躍する渡邉慎也(わたなべ・しんや)。自身も多様なルーツとバックグラウンドを持つ彼が、二足のわらじを履きカタリバに関わる理由とは…?

*本記事は2021年4月に作成されたものです


ー早速なのですが、カタリバのRootsプロジェクトに関わろうと思ったきっかけは?


「日本に暮らす外国にルーツを持つ子どもたちの力になりたい」
と思ったからです。

高校時代から教育関係に関心があり、その後アメリカや香港で活動していました。2018年頃に日本に来てからは、中高生を対象とした研修プログラムの企画・運営を手がける企業へ入社。ラーニングデザイナーとして働き始めました。

ただ、仕事で外国にルーツを持つ子どもたちと接しているうちに「自分自身と重なる姿が見え、自分も彼ら・彼女らのために何かしたい」という気持ちが大きくなって。その頃「外国にルーツを持つ子どもたち向けのチームが結成される」というカタリバの広告を見つけ応募しました。

ー外国にルーツを持つ子どもたちへの課題意識は、ご自身のバックグラウンドが関係しているのでしょうか?


そうですね。高校時代までを過ごしていた香港では、周りはほとんど香港にルーツを持つ人たち。

自分の日本人や韓国人といったアイデンティティを意識する環境ではあったと思います。さらに強く意識したのは大学でアメリカに行ってから。アジア圏からアメリカに移ると、周りからの見られ方が人種ごとに異なる感覚や、自分自身もそういうフィルターで他人を見ているのかもしれないという感覚もあって。

うまく言語化できないんですが、きっとそれって経験してみないとわかりづらい感覚でもありますよね。

ーなぜ複業という方法を選んだのでしょうか?


「いろいろな人の考えに触れていきたい」
と思ったからです。物事って、ひとつの環境しか知らないとひとつの視点で見てしまいがちです教育においても同じで、ある環境だけに身を置いていることで、自分の判断基準がその環境のなかでしか通用しないものになってしまう危機感がありました。

教育に携わる立場にいるからには、自分自身が色々な環境や背景に身を置きながら、視点を広げなければいけないと思い、専業ではなく複業で関わろうと考えました。

ーカタリバともうひとつ、教育系スタートアップでの業務に関わっていると聞きました。業務内容について教えてください。


学校と連携した、中高生向けのプログラムの企画・運営を手がけているタクトピアという企業で、ラーニングデザイナーとして活動しています。

具体的には例えば、修学旅行という既存の学校行事のプログラム設計や、新規プログラムの企画から関わっていくような仕事をしています。

ー次に、カタリバでの仕事内容についても詳しく教えてください。


都内の定時制高校と連携し、外国ルーツの生徒たちが勉強したり進路について考えたりできる場所をつくっています。

そのために、先生たちと一緒に年間カリキュラムやプログラムを考えたり、細かいところでいうと言語サポートに入ったり、進路相談に乗ったり、オンラインで学習支援をしたりしています。「生徒たちのためにできることは全部やる」という感じです。

ー難しいと感じる部分は?


タクトピアでの仕事が修学旅行などの年間行事にスポット的に関わるもの、かつ学校の外で行う活動なのに対し、カタリバでは学校の中に入って1年間じっくり関わっていくところが大きな違いです。その辺りのペースの違いに慣れたり、学校関係者との連携の取り方に最初は苦労しました。

結局、場数を踏むなかで慣れていったんですが、大事なのは「生徒に目指して欲しい姿」を先生たちからしっかりとヒアリングし、どうすれば近づけるかを議論していくこと。イメージを共有し、お互いの得意分野を発揮しつつ、関係性を積み重ねていくことを意識しています。

ー複業というライフスタイル自体はどうでしょうか?


それぞれの組織の仕事で頭の使い方も仕事の進め方も全く違うので、結構エネルギーを使いますね。個人事業主なので、会社に所属していれば考えないようなことも考えなくてはいけないし。実際にやってみて、大変だなと感じる部分もあります(笑)。

ー複業からプラスの影響が出ているとしたらどのような点でしょうか。


いままで関わったことのないバックグラウンドを持った生徒たちと関われている点です。また、タクトピアではスポットで非日常のプログラムを作ることに関わってきましたが、カタリバで学校と連携して新しいカリキュラムや制度づくりなど生徒の日常的な部分に関わるようになったことで、視野も広がったと感じています。

ー最後に、今後の目標について教えてください。

渡邉たち、カタリバの「外国ルーツの高校生支援プロジェクト」が活動を行う都内の定時制高校の生徒たちと。後列右端が渡邉。

まだまだ若い世代のためにできることはあると感じています。このままずっと教育のフィールドでやっていくのか考えることもありますが、生徒の可能性を広げていく仕事に意義を見出していて。

自分が培ってきた視点や自分の経験などを活かしながら、教育の仕組みづくりをしていきたいです。今後住む国が違っても、立場が変わっても、それだけは変わらないような気がします。

(原文:田中 嘉人)

▼記事全文を読む
渡邉が考える、「教育に携わる人間が多様な視点を身に付けること」の意味など、noteで紹介しきれなかったエピソードはぜひこちらから全文をご覧ください。


▼カタリバの行う「外国ルーツの高校生支援プロジェクト」とは?


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