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刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑
2024年5月19日 23:39
祖父から引き継いだ1振の刀は残念ながら偽銘であった。祖父の事は以前もこのブログで少し触れたが、日本軍将兵の死者数が16万人という史上最悪と言われるインパール作戦で奇跡ながら生還した1人であった。終戦後は風呂にも入れないような非常に貧しい生活をしながらリヤカーを押して起業し、1代で40名規模位の会社を作ったと聞いている。贅沢な暮らしをしているようには子供ながら見えなかったが、晩年は苦労を傍で
2024年5月17日 23:36
「桑名打ち」と聞いて何を連想しますか?恥ずかしながら私がこの用語を知ったのはつい最近で、最初は伊勢国桑名(村正とかの)で打たれた刀の事をこう呼んでいると思っていました。実際は幕末頃に桑名で打たれた室町期の備前刀の偽物の事を指すようです。日本刀大百科事典には以下の様に書いてあります。また「寒山刀剣教室 基礎編」では以下の様に書かれています。以下は成瀬関次著『実戦刀譚』 - 偽刀談義
2024年5月15日 23:51
何かしら活動していると批判される事もありますが、一方でこのブログがきっかけで刀の世界を知って刀に魅力を感じて買ってみましたと言って下さる方も少なからずいて、そうした方が今現在も手元で刀を大切にしている事実があるのでこの活動(と言っても好きで刀や刀装具を買ってブログで発信したりケース作ってるだけですが)やっててよかったと思えます。いつの時代も所有者が居なければ刀は後世に残っていきませんし、刀にとっ
2024年5月12日 23:25
先日「一成」と箱書きされた茶杓を発見、購入してみた。輪島塗で加賀象嵌が施されており、もしや成木一成氏の物ではないか?と頭をよぎり買ってみた。成木一成氏は昭和35年に鐔の研究と試作を開始しているが、それから6年後の昭和41~44年にかけて高橋勇氏より加賀象嵌技法を習得している。因みに落款は常に見る成木氏のものと異なるが、鐔箱に押された落款は古い物でも昭和52年の物であり、それ以前の物は個人
2024年5月8日 23:24
4/27~6/16まで刀剣博物館で開催中の「五ヶ伝と五ヵ国の日本刀」を見てきました。一番の目的は鍋島藤四郎吉光。享保名物帳所載で鍋島加賀守直茂が所持していたことからこの名が付いており、その後は池田光仲、その子の伯耆守綱清が5代将軍徳川綱吉に献上しています。その後は綱吉→家宣→吉宗→家重→家治→家斉→家慶→家定へと徳川家で代々受け継がれてきた事が徳川実記に記載。現在付帯している古鞘には文政1
2024年5月6日 23:18
またまた刀から呼ばれてしまったかもしれまない奇妙な話について。ちょっと刀の写真もアップしているので続きは月マガにて。
2024年5月5日 14:50
鉄鐔は刀の茎同様に赤錆が付きます。一見あまり見えなくても…よく見ると赤茶けて見えるところがあります。こうした所に鹿の角を当てると、赤錆が浮き出てきます。これをサラシで拭いとると如何に汚れていたかが分かります。再び鹿の角で擦ると…やはりまた赤錆が。。しかし今度は赤錆意外にも白い粉も見えます。これは鹿角の方が削れた粉です。鹿の角は赤錆は取っても黒錆は取り除かない丁度良い硬さを
2024年5月4日 23:09
先日長船で販売されていると現代刀匠の安藤さんから情報のあった研師の横山智庸さんの作られた打ち粉。横山さんは2023年に現代刀職展の研磨部門にて木屋賞(特賞)を受賞されています。「通常ならそのまま使用するような上質な内雲砥石の粉に、師匠から頂いた粉をブレンドし、さらに加工した打粉です。」とあり、顕微鏡で見たところ、粒子が丸みを帯びている事が確認できたと記載ある打ち粉。早速購入しまして先日届
2024年5月3日 23:54
昨日2回目となる霜剣堂さんの即売会へ。初日には無かった「兼住作」という3字銘の短刀に目が止まる。刃長30㎝くらいで元重ねは5㎜位だろうか。反りはない。生ぶ在銘で健全な刀身に小沸出来の直刃、地鉄は良く詰んで大肌が出ず白け映りが立っている。ノサダの「兼」の字によく似ている。茎は同じく檜垣鑢で斜めに十字にクロスするように鑢目が入っていた。尚、鑑定書は付いていない様子。関の短刀で室町頃だ
2024年5月2日 23:28
今日は東京プリンスホテルで行われているザ・美術骨董ショーへ行ってきました。昨年初めて訪れたのですが刀もちょこちょこあり楽しめたので昨年に続き今年も面白い物が無いか物色へ。①刀関係骨董ショーというだけあってジャンルは多岐に渡り、まさに何でも並んでるのですが、目当ては刀装具など刀に関するもの。数はそこまで多く無かったですが一応ありました。他の商品に混じって無造作に鐔がポンと置かれていたり、柄
2024年4月28日 23:57
打ち粉(刀にポンポンするやつ)は古い油を取る為の道具ですが、このポンポンした時に付着する白い粉は実は刀を研ぐ時の砥石の粉末です。しかしこの打ち粉にも良い物、悪い物があり、悪い物を使うとヒケ疵が付きやすくなります。これは粉末の粒が大きかったり、そして角ばっている為にその角ばったものを刀身に載せて布などで擦るから、と考えれば分かりやすいかと思います。一方で良い打ち粉は微細な粉でかつ丸みを帯びて
2024年4月26日 23:37
心構え、なんて大層なこと言える立場でもないのですが自戒を込めて…。今年もこの季節になりました。いよいよ明日から霜剣堂さんの即売会。毎回様々な名刀が並ぶのでとても楽しみです。今回は左文字の短刀が表紙のようです。姿からして品格がありますし、在銘かつ帽子あたりも左文字の特徴がよく出ているように見える典型作でこれまた凄そうな短刀です。ところで皆さんは今欲しい刀はありますか?私は今はどうして
2024年4月19日 16:58
「刀剣美術」という日刀保(日本美術刀剣保存協会)の会員になった人だけが貰える冊子があり、そこには毎月1題「この作者はだれでしょう」という形で問題が出されています。実物の刀を見ずに誌面でやる刀の鑑定なので誌上鑑定。今まで応募がハガキという事もあり面倒でやっていなかったのですが、なんと令和6年4月号の刀剣美術より、QRを読み込んで回答が出来るようになったようです!!QRを読み込むと、会員番号や
2024年4月18日 23:26
円安の影響もあり刀が海外で高く売れているようですね。とはいっても全ての刀が海外で高く売れているわけではなさそうで、完全に2極化しているようです。例えば清麿や虎徹、村正、正宗という有名工は高いそうです。五ヶ伝で言えば相州伝は人気だとか。金筋や砂流し、地景など目に見えて派手さがあり分かりやすいからかもしれません。一方で日本人が好き?な粟田口などはそこまでの人気ではないと聞きます。地鉄の奥ゆ