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ファイブ・アイズ①

今回はファイブ・アイズについて。最近よくネットでも目にする言葉だが、そもそもファイブアイズとは?

米英などアングロサクソン系の英語圏5カ国によるUKUSA協定に基づく機密情報共有の枠組みの呼称。米英が立ち上げ、1950年代までにカナダ、オーストラリア、ニュージーランドが加わった。米国以外は英連邦の構成国である。

簡潔に言うと、五カ国による機密情報共有ネットワーク。これに日本が参加できるのか?できないのか?疑問に思っていたところ、慶應義塾大学の鶴岡路人氏の記事が非常に参考になったので、今回はその記事を基に考えてみる。

SNS上では「日本もファイブ・アイズへ加入だー!」みたいな論調を目にするが、そう簡単なものでもないし、メリットばかりでもない。
日本のみなさんがファイブ・アイズ加入を期待しているのは、対中国・北朝鮮を想定してのことではないだろうか?本文でも鶴岡氏が指摘しているように、ファイブ・アイズは中国や北朝鮮に対して特に強みを持っているわけではない。(が、有益な情報も含まれている可能性は有る)


それらは特に中国や北朝鮮に強みを持っているわけではないが、日本の安全保障にとって有益な情報も含まれるはずである。


日本人が脅威として対中国・北朝鮮を想定するのであれば、ファイブ・アイズに固執するよりも、同盟国のアメリカとの関係強化に努めるべき。これは想像し易いが、同盟国であるアメリカから日本の安全保障上重大な情報がもたらされていなかったとしたら、確かにそれは日米の連携がうまくいっていないということにならないか。同盟国が知らない重大な情報を他国が知っているということだ。これでは同盟関係などと言えないだろう。新しい枠組みを取り入れるよりは、既存の枠組みの運用見直し・強化した方がリスクもコスト少なく、リターンは大きいものを期待できる。
そして仮に日本が知らない情報がファイブ・アイズにはあるとして、加入したら即アクセスできるかと言えばそうではない。国家は二股・三股外交をするということを忘れてはならない。どこの国も自国の国益を優先する。つまりは、無償で有益な情報を差し出すなんてことは有り得ない。ギブアンドテイクで、他五カ国が欲しがる情報を日本は持っているか、もし持っていたとしたら、先程の話しに戻るが、同盟国以外に与えることができるか、ということである。更にやっかいな要因は、ファイブ・アイズがどのような情報を持っているか不明な点であろう。もちろん公になっている情報などは機密情報ではないので、各国がどのような情報を持っているかは不明なので、その時点で日本としても、いわば隠し球とも言えるカードを差し出すことができるのか、という点が問題になるだろう。
更に、担当者レベルでもどこまでの情報にアクセスできるかも不明。そして、アメリカとイギリスによるヒエラルキーも存在しているとのこと。考えて見れば、ソ連KGBに諜報活動を仕掛けられて目覚めたのが、イギリスで、MI6のようなインテリジェンス機関が先行したのは周知の通りであろう。そこに日本が加入して対等な関係を築くことができるだろうか…

②へ続く

#ファイブアイズ #インテリジェンス #安全保障



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