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ウェブ小説の作法は万人受けはしない

 小説家になろうやカクヨムなどのウェブ小説投稿サイトに投稿される小説を、ウェブ小説と呼んでいる。

 このウェブ小説の読まれやすいテンプレートにしろ、長文タイトルにしろ、それは特定の層は引き寄せるが、別の層はむしろ遠ざけるのである。

 ただし、ウェブ小説の世界ではほぼ圧倒的と言っていいほどの勢力や人気がある。ウェブ小説としての人気だけ考えるなら、読者を遠ざける一面もあるのだとは、考えにくくなるのだろう。

 要するにnoteでも使われるタグと同じような、一種の目印なのだ。

 例えば、ダークファンタジーのタグを入れたら、ダークなのが好きな人は関心を持つが、嫌いな人はそれを避ける。当然の事である。

 いわゆるなろうテンプレも長文タイトルも同じだ。本当は、それらを好む人ばかりで考えないほうがいいのだが、ウェブ小説界隈の渦中にいると分かりにくくなる。

 いや、本当は彼らも分かってはいる。ただ、ウェブ小説投稿サイトで読まれたければ、それが唯一とまでは言わないが、一番の近道ではある。

 故に、テンプレや長文タイトルを嫌う者は、単に今の流行に付いていけない者、現実を受け入れられずに文句ばかり言う者と見なされる。

 ダークファンタジーを好くも嫌うも自由であるようには、テンプレや長文タイトルを好くも嫌うも自由であるとは認識されていないようである。

 さて、その遠ざける効果もあるテンプレや長文タイトルで埋まっている現状のウェブ小説投稿サイトとは、つまりどのように見られているのであろうか。

 ウェブ小説の書き手であれば、文句を言わず多数派の読者の要望を受け入れろ、も成り立つ。

 だがその世界の外に出れば、もはやそんな事は関係がなくなるのだ。

  なろうテンプレや長文タイトルのウェブ小説について、「読みもしないで批判するな」「○○な話も探せばある」とよく言われる。

 実は、ちゃんと読まれないのも探されないのも、読まれたり探してもらえるのと同じ原因なのである。

 
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