年末年始に絵柄改善
本年もよろしくお願いいたします!
さて、年末に原稿の納品を終え、年始の業務開始まで、今年は少し時間が取れましたので「3ヵ月上達法」の2回目を行いました。
再び絵柄のブラッシュアップをして今年からのお仕事に備えたかったのです。
2回目の3ヵ月上達法
1回目の3ヶ月上達法についてはこちらの記事です。
詳しくはこちらをよんでいただくとして…
実際1回目をやってから1年半近くたっていますもんね、そろそろ再ブラッシュアップが必要だなと思っていたのでした。
今回は女子は「ぷきゅのすけ」先生、男子はちょっとご縁があって絵柄寄せを事前にしていましたが「針野シロ」先生を研究元にして行いました。
(前回は女子は「筒井大志」先生、男子は「枢やな」先生でした)
模写をし、違う点、改善点を洗い出していきます。
模写絵なのでぼかしを入れていますが、先生方の作品を見れば元の絵は見つかると思います。
模写をし、気づいた点をメモし、実際の作品と重ねてどれだけずれているか検証していきます。
今回の課題は顔の比率はもちろんなのですが「頭」と「髪の毛」です。
絵柄改善のポイント
今回の絵柄改善、「時間があったからそろそろやらなきゃ」っていうのもあったのですが、きっかけは担当さんの「髪が固く感じる(サラサラ感がない)。あと頭の高さをもっと出してみては」というアドバイスからでした。
なるほど!顔の比率は一生懸命改善してきたのですが、頭と顔の比率は盲点でした。
娘に相談すると、今 若い子が習う「顔の描き方」は昔のベーシックな描き方とは比率が違うことがわかりました。
そこから違うのか…(床に崩れ落ちる50代)
絵柄改善していて思うのですが、パーツそのものの描き方や髪の描き方、ベタの処理などいろいろ課題はあるけれど、何より印象を変えるのは配置と比率!
絵柄変えてます!って言ってる方で「…変わってる…???」ってあまり印象が変わらない(絵柄改善の効果が小さい)方も少なからずいます。
たぶんこの配置と比率をいじっていない可能性が高いです。
では私の絵柄改善前と3ヵ月上達法1回目、2回目(今回)を並べてみましょう。
比率を変えるとどれだけ変わる?
もちろんまだまだ課題は山積みですが、初期と比べてもらえるとだいぶ垢ぬけたと思います。
絵柄変える?変えない?
さて、必死で絵柄改善をすることに対して「その人の絵を無理に変えなくてもいいのでは」「漫画は話が大事だから絵ばっかり変えても」という意見があるのは私もよく知っています。
ただ、変える必要がある人と必要がない人がいるのだという事は分かってほしいのです。
変えなくていい人とは…
「絵柄を変えなくても仕事が取れている人(または趣味で描いている人)」
「絵柄の固定ファンが一定数いる人」
「個性的で人を魅了する話が描けてそれで読者を引き込める人」
「絵柄の流行があまり関係しないジャンルの人」です。
考えてみて下さい。
定番の高級お菓子があります。とらやの羊羹みたいな。
ファンもいて、安定したおいしさで高くても安心して手に取れる。
新しいお店が同じものを隣で出して売れると思いますか?
百貨店(漫画では出版社ですね)が同じもので新しいお店を入れてくれますか?
「うちにはとらやさんが入ってるからもう羊羹はいいよ」ってなるでしょう?
唯一無二の個性があるものであればとらやさんの隣でもいけますよね。
とらやさんと別のジャンルのものであっても同様です。
私が絵柄を変える必要がある理由はいくつかあります。
私の状況は
1「画力は商業の仕事を取るのには足りている」
2「昔の絵柄のままではすでに仕事をしている漫画家さんと競合しても勝てない」
3「作話や発想、構成力が弱く、絵柄を変えずにそこで勝負できない」
4「3の力を伸ばすのにかかる数年を待っている年齢的な猶予はない」
5「すぐに継続的に絵で仕事が欲しい」
ということです。
私が基本的な(突出してはいない)漫画の力と絵だけで取れるのは、
現状「作画」「コミカライズ」です。
漫画家じゃない、作画家だなんて言われますが、作画家上等です。
「できることで多くの人に楽しんでもらい、描き続けられるだけ絵でお仕事をしたい」というのが私の心願ですから。
そして、作画のニーズが高く、私も楽しく描けるジャンルの読者さんは
「20-40代の女性」です。
つまり20代女性が見て「これはちょっと」とならない絵柄にする必要があるという事です。
絵柄は「増える」
もちろんレーベルによって求められる絵は変わります。
例えば縦スクの作画では「目を上に置いた長めの顔の大人っぽい絵、頭身は高く」というオーダーがありましたのでそのように調整しています。
絵柄を変えるといいますが、前の絵が描けなくなるわけではありません。
絵柄改善をすると「受けられる仕事の幅が増える」のです。
もちろんオリジナル作品をいつか描いて発表したいという夢はあります。
作画をすることは、実は作話を伸ばす最短距離なのではないかと考えています。
なぜかというと、作画するものは「企画プロットが通っているもの、みんなにすでに評価されているもの」だからです。
話の盛り上げ方やキャラの立て方、エピソードによる好感度調整や複線の貼り方など、描きながら本当に勉強になります。
私は作画の仕事をしながら作話の勉強をし、ネームは担当さんに千本ノックのごとくフィードバックをしてもらえる環境を有償で得られるのです。
未熟な漫画描きにとってこんなに恵まれた環境はないと思います。
私は自分のできることを精一杯努力して、みなさんに作品としてお返ししつつ、いつか自分のメッセージを届けられるように今年も頑張ります。
さて、それではもう一度、今回の絵柄改善の絵を上げておきましょう。
たくさんのお知らせができますように!
今年も引き続き見守っていただければ幸いです。
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