ボーイ・ミーツ・ガールもしくはガール・ミーツ・ボーイ的なアイドル楽曲

ボーイ・ミーツ・ガールもしくはガール・ミーツ・ボーイ的シチュエーションを含んだアイドル楽曲に共通する、なんともいえないしっとりとした冷たい雰囲気が好きなのだが、うまく言葉にできていない。
タイトルに「ボーイ」「ガール」が入ってるからボーイ・ミーツ・ガールもしくはガール・ミーツ・ボーイ的だと断定するのは安直かと思うが、それぞれの曲の歌詞が「ボーイ」「ガール」を対比させ、くっきりと「すれ違い」を示しているような、それがしっとりした冷たい雰囲気を醸し出している気もしてくる。

-----

サイエンスガール ▽ サイレンスボーイ/さくら学院 科学部 科学究明機構ロヂカ?

BABYMETALを輩出したさくら学院の部活動ユニットの内の一つ。言わずもがな、BABYMETALもさくら学院の重音部として結成されたのがはじまりである。
この曲は科学究明機構ロヂカ?のデビューシングルで、振付はMIKIKO先生によるもの。あまり恋愛に積極的でない男の子が、化学をキーワードに自分の恋愛事情を重ね合わせているという歌詞。
以下、楽曲制作者のEHAMICによるコメントが印象的。

科学部への楽曲提供は、昨今、日本の音楽業界で模倣が横行している「エレクトロ・サウンド」に対して真っ向立ち向かうものとなり、本収録曲は戦いの記録となった作品です。
具体的には、「打ち込み」と「ケロケロ声」の二つをタブーとし、生演奏を主体にしたアレンジをさせていただきました。ただし、科学のイメージを想起させるデジタル音ははずせないということになり、シンセサイザーもひとつひとつつまみを回し、納得いくまで何度も弾きました。

-----

ロボットボーイ ロボットガール/Cupitron

あのテクプリのプロデューサーであるトベタ・バジュンが手掛けるアイドル・Cupitron。正直売れたわけではないと思うのだが(5年経たずに解散状態になってしまった)、篠原ともえとコラボしたり、ラストシングルとなってしまったゴダイゴの「銀河鉄道999」のカバーシングルでは松本零士がデザインを提供したりと、各シングルで衣装へのこだわりを見せている。

個人的には先述の「ロボットボーイ ロボットガール」より、「銀河鉄道999」のカバーの方が好みである。奇しくもPVが3人の別れを予感させているような演出で驚いた(この時点で解散状態が伝わっていたのだろうか?)。「銀河鉄道999」自体もそうだが、漫画、アニメもボーイ・ミーツ・ガールの流れを辿っているよな、とこの曲を聴きつつ思った。

-----

Good Boy Bad Girl/カントリー・ガールズ

作曲は星部ショウ、作詞は我らが児玉雨子。
1stと2ndシングルでは、当時のハロプロではあまり見られなかったタイプの可愛らしさを前面に押し出していた彼女らだけれど、梁川奈々美と船木結の初参加シングルである3rd「どーだっていいの」からロカビリーにも挑戦。同時にチェッカーズの「涙のリクエスト」をカバーするなど、うっすらと「ヤンキー性」が見出されてきていたように思う。
嗣永桃子のラスト参加シングルである本曲では、ロックンロールらしく青春期の若者たちの揺らぎが描かれている。本曲で特徴的なのは、二人一組の振り付けだろう。男性役と女性役に分かれ、痴話喧嘩の歌詞に合わせながらお互いに向き合ったり睨みあったり。特に、冒頭での森戸知沙希と小関舞がキスをするかのような振り付け、そしてその後に続く、

「なななななんで今キスしたの!?」
「待って、なんでイヤがってんの!?」

という歌い出しは秀逸である(2ndシングル「わかっているのにごめんね」でも二人はカップルを演じており、会話もパートとして用意されている)。
求めているものは同じなのに、喧嘩をして相手を傷つけてしまったり、いらない見栄を張って浅はかな行動をとってしまったり、そんなうまくいかない恋愛模様を描いた曲である。
個人的にはこの後にデジタルシングルとしてリリースされる「待てないアフターファイブ」には今後のカントリー・ガールズの方向性を示唆する可能性が秘められていると思っていて期待していたのだけれど、昨年活動休止に至ってしまった。とても残念である。

-----

ハロプロ周辺をざっくりと聴き流していると、「男女」、いや「女男」が気ワードになっている曲が多く見つかる。この辺りについても追々追記していければ。

最後まで読んでいただいてありがとうございます! コメントなど、ご意見もいただけると嬉しいです。 いただいたご支援は、大好きなおやつカルパスとこんぶのお菓子の購入費に充てたいと思います。