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大抵のことはすでに誰かが考えている ~私の車輪の再発明談 計量経済学編~

車輪の再発明という失敗

車輪の再発明という言葉は、すでに発明されたアイディアを全く新しく自分が発見したアイディアと勘違いして無駄なコストを支払ってしまうこと、もしくはその様子を言います。時折別に再発明してもいいという意見も聞きますが、基本この車輪の再発明とはネガティブな意味で使われます。

有名な例としてメンデルの法則があります。1865年にメンデルが公表していたメンデルの法則を、1900年、カール・エーリヒ・コレンス(ドイツ)、エーリヒ・フォン・チェルマク(オーストリア)、ユーゴー・ド・フリース(オランダ)の3人の独立した研究により再発見された。

ITでは再発明は教育、技術習得的観点からいいのではという方もいますが、これはプログラムのソースコードが数学の証明と同型なので、うまく行きます。数学は証明をなぞったり、自分でやってみたりすることが練習になります。同じようにプログラミングはソースコードをなぞったり、書いたりすることで実力をつけることができ、車輪の再発明肯定論がうまれます。まあこれは余談です。

私のやった再発明

皆さんは計量経済学ってご存知ですか?私はあまり経済学にあまり明るくなかったため知りませんでした。計量経済学は統計学やネットワーク理論などを駆使して、経済を分析する分野です。

最近、この歳になって経済学を知らないのもなんだかということで、経済学の勉強を始めましたが、ミクロの入門書、マクロの入門書と読み進めてると、経済学の基本である交換はおろか贈与や略奪などの話が一切出てきません。では数学のこの分野の内容を私が表現できるかもという小賢しい考えが頭に浮かび、経済学の基本の交換を、テンソルネットワークを基本に据えてモデルを作っていけばいいのではという安直な考えのもと考えていました。

作り方としては、必要だろうと思う制限を考えていってテンソルに組み込んでいくというやり方でした。ひと月くらい粘って考えていましたが、会計学のほうで行列を使う方法を知ってもしかしたらと調べてたどり着いたのが統計経済学でした。ちなみに会計学のほうで行列を使う方法は様々な人が考えているようで、古い本でったり最近の本でも結構お高めな本でちょっと手が出なかったので詳しい内容はわかりませんが、以下のような資料を見つけました。

https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R000001153/3-4.pdf

そして私の考えている方では計量経済学以外ではいかに様な資料もあります。

https://www.shs.ens.titech.ac.jp/~inohara/lab/chrn-403.pdf

https://www.rieti.go.jp/users/it/infra/network2.pdf

まあ、こんなにたくさん行列やテンソルを使う経済学は考えられていて、私は正に車輪の再発明をしてしまったわけです。とりあえず私の話はここまでです。

行列を使う会計学のほうで最近精力的に活動されているっぽい日本人の方を見つけたので、最後にその方を紹介してこの記事は終わりにします。


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