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棋譜と著作権

囲碁の記事を投稿している過祭と申します。今日は時事ネタです。詳細は割愛しますが、16日に大阪地裁が将棋の「棋譜」「公表された客観的事実」として「著作権侵害に該当しない」という判決を出しました。


棋譜とは

棋譜とは将棋・囲碁・チェスなどにおいて対局(試合)で着手した順番を記した記録したものになります。

囲碁の棋譜(3子局 1-107)白91=黒54 白が私です。

この棋譜が著作権に該当するかが争点になっています。
法律は解釈や立場の違いで様々な意見や正解が出てくるのは十分承知しているつもりです。以下はあくまで囲碁を普及したい一囲碁ファンの願望と捉えて頂ければ幸いです。

プロ棋士の先生方の生活が第一

個人的に棋譜(特に上図のように手順が明確なもの)は個人情報と同等の価値があると思います。プロ棋士の先生方は文字通り命を削って手順を尽くして対局(試合)を行っています。その試合が行われているトーナメントやタイトル戦の運用を考えるとある程度の秘匿性は必要だと思います。

ここから将棋と囲碁で分けて考えなければなりません。囲碁は競技人口が年々減少して苦しい時間を迎えています。七大タイトル戦の1つである本因坊戦が今期から縮小されますが、これは囲碁人気が凋落した結果以外の何物でもありません。縮小理由が「棋譜を誰かが公開してスポンサーや新聞社の利益を損ねた」なら棋譜は保護されるべきですが、私は「単純に競技人口が減ったから」だと考えています。

囲碁界においては棋譜を公開しようがしまいが、このままでは競技人口は減る一途です。スポンサーや新聞社の利益優先すればプロ棋士の先生方の生活が安泰という前提が囲碁界では崩れています。

囲碁界は英断を

今回の判決は囲碁界にとってはチャンスだと思います。将棋界が判決に不服申し立てをするかは分かりませんが、囲碁界が先んじて棋譜使用のルールを見直すことで意見が活発になり普及に繋がるのではないかと思います。

裁判がどうなるかは分かりませんが、地裁が「棋譜」を「公表された客観的事実」として「著作権侵害に該当しない」と判決を出したことを前向きに捉えて、普及と競技人口の増加に向けた次の一手を打てるかが注目です。

私自身は手順付きの棋譜を解説することは考えていませんが、表現の自由のもとに次の一手予想などアイデアを記事にしていきたい気持ちはあります。囲碁の普及に少しでも貢献したいと考えていますので、ご意見などコメント賜れば幸いです。

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