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桃尻とは、よく言ったものだなぁ。
桃って、見ているだけで癒される。
かわいくて、しかも、おいしい。

小川糸「昨日のパスタ」幻冬舎文庫より
『もも、もも、もも 9月5日』p.96 

昨年から、桃という果物に惹かれ始めている。これまでも決して嫌いではなかったのだが、最近では自ら積極的に桃に関する商品を探すようになってしまった。
一体どこに魅力を感じるのか考える際、私が桃そのものが持つ果物としての特徴を並べるのは今更野暮というものだろう。ここでは、果物としての桃という枠を超えた、その魅力を残したいと思う。

ビジュアル的視点から、桃そのものの可愛さはいったん置いておいて

それにしても、桃のイメージはコスメにも投影されていることが多い。特有の瑞々しさが我々を魅了するのだろう。
桃色と近しい色に、桜色がある。日本人の遺伝子レベルで魅了されているといっても過言ではないその色より、桃は少しだけ主張が強く、またバリエーションも多い気がする。

代表的なものが、黄桃/白桃の種類分けだろう。黄味が強くオレンジに近いコーラルなピンクは、パーソナルカラーでいうところのイエベ春が大得意なカラーだ。可愛らしさ・若々しさの象徴である。

この系統は韓国のコスメに多い気がする。マニキュアに似た容器に入っているが、その実チークらしい。かわいい…。

少しだけテイストが異なる色として、白桃のピンクを強くし、青みを足した色も桃色のひとつではないだろうか。パーソナルカラーでいうところのブルべ夏が似合う、黄桃よりもさわやかさ、清楚さが目立つ色となっている。


「桃」に関わる音楽


「桃」を題材にした音楽を探したところ、多くのアーティストが曲を残している。それらを集めたプレイリスト「🍑」より、2曲紹介しよう。
他にも何曲かあるが、そちらはまた追って話せたらと思う。

「Peach Time」/岡村靖幸


私が彼を知ったのは、好きな声優さんのラジオで紹介されていた「カルアミルク」であったが、
今回桃に関連する音楽で紹介するということに、不思議な縁を感じている次第である。
底抜けに明るく、いかにもチャラチャラとした男性目線の歌であるが、その歌詞からは「あなたとの素敵な時間」というイメージとして桃が使われている。
先日お邪魔したツアーの開演前アナウンスでも「皆様とのデートというPeach な時間を過ごすために~(うろ覚え)」と使っていて、その考えは確信に変わった。

Peach Time I Love You
今晩バシッとダンスをしようぜ Down town boy
絶対にヤダ 降参ばっかで そんで浮かれて ダンス×3

「Peach Time」歌詞より 時代を感じる…。

「桃」/槇原敬之 


余りにも有名すぎるシンガーソングライターであるが、彼の書く詞の中の「桃」は岡村のとは異なる。
彼は桃に大好きな「君」自身を投影しているように感じている。この主人公のように、自分のネガティブな面をさらけ出せる人は素敵だなぁ。

高い場所に実を付けた
桃に手が届くように
君を抱き上げることさえ
思いつきもしなかった
高い場所に実を付けた
桃に手が届かない君に
気付かないような僕の手は
柔らかいものを潰してしまう

「桃」の歌詞抜粋

あとがき


文章を書く練習として独りで書いてみたテーマとして正解だったと思う。
ひとつの果物からここまでのインパクトを持たせる果物も少ないだろう。
暑いのが苦手な私にとって、夏が少しだけ楽しみになる一つのきっかけであった。
(桃の持つ物語的な魅力については、また時間をおいて書けたら、と思っている。)