役者からは、スタッフの様子が丸見えだよ(初心者の映画制作講座)
学生時代、役者として何本か舞台に立ったことがあります。
舞台の稽古というのは、映画の準備やリハーサルにあたると思うんですが、これらは雰囲気が全然違うんですね。
舞台の稽古では、役者が常にメインで前に立ち、スタッフはその様子を端っこで見ています。
一方、映画のリハーサルは完全にスタッフがメインです。
機材やセッティングが完了してから役者を立たせ、微調整に入る。
さて、今回は役者の目線から見た光景について書きたいと思います。
舞台の稽古中、つまりスタッフが周りに散らばった状態で演技をします。
そんな中、演出家から注意が入り、やり直します。
役者の僕らは真剣です。
演出家の言うことを聞き漏らさないように集中しています。
しかし。
僕には、あちこちに散らばったスタッフの様子が隅々まで見えたのです。
あの人は真剣に観てるなあ。
あの子、寝てない??
あ、遅れて来た人がいる。
あいつ、こっち指差してニヤニヤ話してる。感じ悪い!
稽古中でも、見ている周りのスタッフが応援してくれてる雰囲気だと、こちらの演技にも力がみなぎってくる。
一方で、雑談してる人や居眠りしてるのが目に入ると、やはりイラッとしてしまう。
これ、映画の撮影現場でも同じことが言えます。
スタッフがどんな状態か、
みんながどうしてるか、
ぜーんぶ、役者の目に入っています。
つまらなそうな態度をスタッフがすると、演技や撮影現場の雰囲気に影響してしまうんです。
役職が何だろうと、どんな立場であろうと関係ありません。
いつからか、僕は自分が監督している時も、360度全体を気にするようになりました。
隅々まで見張る。
誰ひとり、あくびは出させない。
居眠りもさせない。
撮影現場も演出していくことが、役者の演技、果ては作品の質にも影響してくると思うのです。
何かのインタビューで、ウィル・スミスも答えていました。
「撮影現場が楽しいかどうかは、作品に出る」と。
ところが、です。
監督はたいていカメラの横にいます。
スタッフ達の最前列ですね。
つまりこれでは、監督は、自分の背後の様子は分かりません。
さらに、監督は正直、そこまで余裕がないことが多いです。
そこで、僕はいつもこうしてます。
全体を見晴れるスタッフを一人、背後に張り付けておく。
撮影に参加する以上、一人残らず仕事を割り振り、暇な人間がいないようにする。
僕は常々、撮影に見学を受け入れない主義なのですが、これが理由です。
また、自分が撮影のお手伝いに行った時や、ワークショップの撮影では、「一番後ろで全体を見る人」役をやるようにしています。
それが、一番手薄になる役どころだからです。
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