リベラル派の私が蓮舫氏と立憲民主の敗北に納得しか出来ない理由【都知事選挙】※追記あり
2024年7月7日(日)20時、各局の選挙特番は番組スタートと同時に小池百合子の都知事三期目の当選を報じました。
私のTwitterのTLはリベラル寄りな方々が多いので、その報道に失望したり怒ったり、そういった反応が多く目に入ったなという印象です。
そういう私も、世間的にはリベラル寄りな政治観を持っている方だと思います。女性やLGBTの方々、経済的に苦しい人が生きやすい国になってほしいと思うし、人種による差別など無くなってほしいし、政治と金の問題にもいい加減にしろと憤る気持ちも持っています。
しかし今回の都知事選において、私の失望や怒りの感情は小池百合子氏やその支持者ではなく、蓮舫氏/立憲民主/そして彼らの一部支持者に向いていました。
お前ら勝つ気あるんか?と。
別に小池氏をアシストしたい気持ちなどないので、選挙期間中はそこまでネガティブなことを書くつもりはありませんでしたが、自分みたいな素人が想定した通りに蓮舫氏が惨敗したのを見ると、そして選挙後のいわゆる"リベラル界隈”の反応を見るに、恐らく次の解散総選挙でも負け、2025年の参院選でも大した成果は出せないでしょう。
「蓮舫さん残念だったけどよく頑張ったよ!」「街頭演説は盛り上がったから少しずつ流れは来ているよね」「マスコミが邪魔しなければ…!」「既得権益の組織票に負けた…」じゃないんですよ。
毎回毎回選挙で負けるたびにそういう反応がTLに流れてきてますけど、甘くないですか?
正直私は既に立憲民主党を支持してはいませんが、かつて何度か票を入れたこともある人間として、今回の選挙で感じたリベラル政党≒立憲民主のダメさをまとめてみました。
この声が立憲民主党やその支援者の方々に届き、小さなことでもいいので議論のきっかけにでもなれば嬉しいと思っています。
あくまで感想であり、細かいところをきちんと精査しているわけではないのでご承知おきください。明らかな間違いがあったら優しく指摘してもらえるとありがたいです。
※私は都民ではありません。
※都民じゃないくせに黙っとけと言われたらごめんなさい。※都民じゃないくせに黙っとけというのであれば、維新が票取ってるからって関西人を一緒くたに馬鹿にするようなこと二度とするなよボケ。そういう態度も含めてクソって話やからよう読んどけ。
選挙戦略の明らかな失敗
そもそもリベラル陣営が思っているよりも小池都政は都民に評価されていたという実態があります。
立憲支持者ですら過半数は小池都政にポジティブな評価をしています。
その状況において「小池都政を止めたいなら蓮舫さんしかいない!」という呼びかけは空回りしていることがわかると思います。誰もそこまで小池都政を止めたいと思っていないのです。
これは私の意見と思ってほしくないのですが、リベラル派閥が強調する「朝鮮人虐殺の追悼文の送付拒否」とか「神宮外苑再開発」とか、都民は大して興味ないんです。というかそんなことを考えている余裕がない。自分の生活/子供の教育/老後の心配/給料が少ない、そういった身近な問題が深刻だからこそ、多少の汚さや不透明さがあれど具体的にアプローチしてくれる(くれそうな)政治家を求めているのでしょう。
となると、今回の選挙の攻め方としては「私はこういう政策を進めていきます。それは現在の小池都政よりも現実的で効果的でスピーディですよね」と、小池氏の政策よりもさらに具体的なビジョンを見せる、代案提案型の戦略が効果的だったはずです。
では今回蓮舫氏≒立憲民主はそのようなPRができたでしょうか。
何度も言いますが私のTLにはリベラルな価値観の方々、蓮舫氏を応援する方がたくさんいますので演説の動画なども流れてきます。
しかし私が観測した範囲では、上記のような具体的な政策の提案はほとんど無いように感じました。よく見たのは「小池都政を止めなければいけない!」「自民の政治を止めなければいけない!(関係ある?)」「よりクリーンで透明性のある政治をしていきます!」といった内容です。
元々小池都政に不満を感じていた人はそれで納得でしょう。では無党派層は?無党派層を囲い込まなければ数の差で勝つことが出来ないことは絶対にわかっていたはずなのに、その層を振り向かせる戦略から逃げ、はじめから自分を応援してくれている人達の方ばかりを向くというラクな道を選んでしまった。これが蓮舫氏が敗れた理由の大きな一つではないでしょうか。
※何件かコメントいただいたので追記しますが、人権や民主主義に関わる主張や政策を全てやめるべきだという話ではなく、それ以外の政策についても考えていることをもっと発信するべきではという考えです。
しかも意味不明なのが、今回蓮舫氏は立憲民主党を離党したのにもかかわらず、何故か上述したいつもと変わり映えしない戦略を選んでしまったという点。
その是非や成否はともかく「揚げ足取りばかりする政党」というイメージが立憲民主についてしまっていることは事実です。今回離党したことで「立憲時代とは違うんです」「批判ばかりではなく、東京都民の皆さんのための政策を本気で考えてきました」とPRすれば、むしろこれまでの評価をひっくり返すこともできたかもしれないのに、それをやらなかった。
立憲議員が応援に駆け付けるいつもと大して変わらない選挙戦を進めたことが要因で、イメージの切り替えをすることが出来なかった。
それであれば立憲の政治家として立憲の推薦を貰ったうえで戦えばよかったものを、推薦を受けず「オール東京という党派性を超えた人たちからの応援を受けたい」という何を言っているのかわからない方向性を選んでしまった。それで共産党系の人たちと協力はできたかもしれませんが、歴史的背景などもあり共産党とは組むことがない連合票を失ってるならプラスマイナス同じ話ではないでしょうか。むしろ是が非でも共産党だけはダメだという一部の無党派層を完全に切り離してしまった。それはこれまでの国政選挙で既にやったことです。なぜ繰り返してしまったのか。
全ての戦略がチグハグで、どんな意図で決定したのか本当にわからない。
行き当たりばったりに「今自民が落ち目で立憲は勢いあるから、蓮舫の名前があればいいところまで行くだろう」という甘い考えで選挙に臨んだのではないでしょうか。
そういうチグハグさを放置しているから、政治資金パーティーを禁止する法案を提出しているのに、党幹部が政治資金パーティーを開催しようとするようなことが起こるんです。そりゃあ国民に「あいつら大丈夫か?」と思われて当然です。
※実働的な連携不足とオール東京の不明瞭さに関しては、記事投稿後に拝見した下記noteに詳しく纏めておられましたので添付しておきます
アシストどころか邪魔しかしてない一部支持者たち
ご存知の方も多いかと思いますが、今回の選挙では小池百合子の演説が聴衆のやめろコールで中断させられたという出来事がありました。
どの属性のどんな人がこの行動をしたのか詳細は知りません。蓮舫支持者なのか選挙は関係ない完全な小池アンチなのかその真相は情報わかりませんが、プラカードを持っている人たちや蓮舫支持を表すRのマークを着た人たちが合唱している動画も見たので、素直に考えれば立憲支持者や共産支持者などのリベラル派、蓮舫さんを応援している人たちの行動であり、少なくとも「(無党派層の)都民から自然発生的に湧き上がった」わけではないでしょう。
この行動に関して、保守系の人だけでなくリベラル派の人からも選挙妨害ではないかと批判的な意見が出ていました。直近起こったつばさの党による選挙妨害を連想させてしまう行動でした。しかし一部リベラル派の人たちはこのやめろコールを問題視しない、むしろ称賛するべきと思っているようです。
引用するのもめんどくさいので「やめろコール 権力」とかでTwitter内検索でもしてみてください。肯定的な意見がゴロゴロ出てきます。
「市民による抵抗権」だとか「つばさの党のやったこととは本質が違う」とか、理屈は色々あるんだと思いますし、本記事にてその議論は避けさせてもらいますが、一つだけ言わせてください。あなたたちは全員アホです。
何がアホなのかというと、今回の選挙の主目的を見失っているのです。
この都知事選において蓮舫氏を支持する人の最重要な目的は当然「蓮舫氏の当選」のはずです。
そして国政選挙などの結果を鑑みれば、無党派層を取り込まなければ勝てないことは自明です。
それにも関わらずテンションが上がってしまったのか知りませんが小池氏の演説を妨害し、ゴチャゴチャとしょうもない理屈を後から並べてその行動を正当化する。
第三者がその姿を見れば「あいつらヤバ…」とドン引きするに決まっています。
あなたは本気で「いや、これはつばさの党のやったこととは本質的には違い〜」とか「市民の抵抗権は民主国家では認められるべきものであり〜」とか説明すればみんながわかってくれると思っているんですか?
これがデモや市民としての政治活動ならまだわかりますよ。でも選挙なんですよ?自分の行動が候補者の印象にどんな影響を与えるのか客観的判断が一切出来ていない。
蓮舫氏の勝利ではなく、自分たちのイデオロギーの主張や、自陣営の盛り上がりを優先する支持者が一定数おり、そういったダメな支援者を批判できない空気がある。そんな状況が続けば無党派層はこれからも離れ続け、リベラル派はさらに孤立化していくでしょう。
(首相が銃殺されたり爆弾を投げ込まれてる国で「ゴミを投げただけで国家権力に取り押さえられた〜」という発言が冷静にヤバいと思えませんか?)
上記のように暴走する支持層を嗜めるそぶりでも見せれば多少は印象も変わるのに、ほったらかしにしていた蓮舫氏や立憲民主党にも責任はあるといえるでしょう。上記行動を無理やり擁護しつつ蓮舫氏支持を表明していたリベラル系インフルエンサーも足を引っ張ったと言わざるを得ません。
本筋とはズレますが支持者に関する話で言うと、自分たちと意見が合わない人たちを敵視しすぎという問題もあるでしょう。
例えば今回石丸氏が蓮舫氏を抜き2位という順位になりました。
この結果を受けて蓮舫支持の方々を中心に「民主主義の崩壊だ」「そんなに日本を終わらせたいのか」「若者は判断力が弱いからああいう人間を選んでしまう」と言った意見が多数出ていますが、選挙結果を「愚かな国民(都民)」という敵のせいにしていてはいつまで経っても選挙で勝てません。その愚かな国民に振り向いてもらえない限り、立憲民主党の勝ち筋など無いのです。
そもそも簡単に「愚かな国民」と断じること自体傲慢な行為だと思います。
100%完璧な候補者なんてどこの国のどの選挙においても居ないわけです。そのなかで少しでも自分に関する問題を争点にしてくれている候補者、少しでも何か変えてくれそうだと思わせてくれる候補者を探して、それぞれが迷って迷って迷った上で投票している。そんな有権者がほとんどでは無いでしょうか。
そうやって苦渋の決断の上で投票した人に「愚かである」「極右」「レイシスト」「こういう人たちのせいで日本が終わる」と感情的に判断して罵倒することがどんな結果を産むのか、少し考えてみてください。
社会経験も政治知識もない10代が散々考えた挙句自分なりの判断で石丸氏に投票した結果、蓮舫支持者に「若者は判断力が弱いから石丸に投票した」と言われたら、もうそれだけで分断が生まれるには十分です。
彼らが改めて立憲民主党に興味を持ち、投票してくれるまで何年かかるでしょうか?その頃までに党は存続できているでしょうか?
※維新が躍進する関西を馬鹿にする方もおられますが、その人気にも関わらず大阪市民は二度も大阪都構想を否決しました。そのバランス感覚は民主主義のあり方として評価されるべきであり、是々非々が出来ずにジリ貧の人たちがどうこう言えるものではありません。
小池都知事を支持しているからと言って、彼らは別に都庁のプロジェクションマッピングに賛成しているわけでもないし、追悼文拒否を肯定しているとも限りません。「都民がみんなレイシストだということがよくわかった…」というツイートが流れてきましたが、自分たちと少しでも意見が違う人たちを「敵」と認識し、「自分たちVS敵」という世界観でしか世の中を見ないから、小池支持が多い=都民はレイシストとなってしまうのです。しかしそれは論理の飛躍であり陰謀論です。
「自分とは違う候補者に投票する人」はほとんどの場合「自分とは少し重要視するポイントが違うだけの普通の人」です。
勝手に敵と断定し、その人たちのせいで負けたと言い訳していては改善はありません。そもそも負けた理由は明らかに蓮舫陣営側の戦略ミスにあります。現実を見なければ次も同じように負けるでしょう。
今後どうしていきますか
自分みたいな素人でも上記程度の分析はできるのですが、立憲民主党は今回の選挙結果を「信じられない」と思っているそうです。
正直目も当てられない状況で、解散総選挙も悲惨な結果になることが既に見えています(なんせ知名度だけでいえば立憲トップであろう蓮舫さんが、パワハラ口調の実績もよくわからん新人に負けているんですよ)。
「悔しいですが蓮舫さんは頑張りましたね!次頑張りましょう!」とか言ってる場合じゃないんですよ。マジで。
立憲民主党を応援する人、リベラルな感覚を持っている人こそが、今このタイミングでしっかりと「お前らいい加減にせえよ!」と彼らを批判して叩きなおさなければいけないタイミングです。
言うまでもありませんが、支持政党や支持候補者とは、別に神のように崇め奉らなければいけない存在ではありません。
応援するべきことは応援しつつ、間違っていると思ったら間違っていると批判する。(支持者の行動も含め)
失敗要因を外部に擦り付けず、内的要因をしっかりと見つめなおす。
1ミリでも考えが違うからと言って敵だと判断せずに是々非々な感覚を保つ。
そういう地道な行動を通して、日本のリベラル界隈の空気を少しずつ変えていく、歯切れが良くてわかりやすいラディカルな意見に簡単に流されず、改めて左派という基盤を整えていく、そうしなければマイナスイメージを覆せず、本当に壊滅してしまうでしょう。
今の時点で日本の民主主義は終わったとか大層なことを言って憐憫に浸らないでください。
私は既に数年前に立憲民主党を見限っているので、抜本的な方向転換をしてくれなければ今後投票することはないですが、とはいえ自民や維新に投票するつもりもないので、一縷の望みはかけたいと思います。
※多分私みたいなリベラル層が選挙のたび投票先選びに1番苦心しているんじゃないでしょうか…同じ立場の方、お互い苦労しますが各々自分のできる範囲で頑張って生きていきましょう。
(2024年7月11日13時 追記①)
たくさんの反応いただきありがとうございます。
「その通りだ」「自分もそう思う」という肯定的な意見をたくさんいただけたことは勿論嬉しくありがたいのですが、正直な気持ちを言うと今回の選挙で蓮舫さんを応援していた方々、蓮舫氏のネガキャンになるような行為(上述した「やめろコール」とか)を肯定的に捉えていた方々、選挙後蓮舫氏が負けた理由に関して外部要因のみで分析している方々、そして立憲民主党の議員の方々に届いて、反発や反論でもいいので反応をいただきたかったし、長い目で考えればそれこそが重要だなと思っています。そしてそういう意図もあってこのnoteを書きました
ただTwitterなどの反応を軽く追ってみてもその方向には今のところほとんど届いていない、もしくはスルーされているなという印象で、悲しいというか、むしろそれこそ絶望だなというのが個人的感想です。
「Rシールを剥がす必要なんてなくて〜」とか、検討外れな事に延々突っかかっている人たちを見ると、もう多分間に合わないかもなと暗い気持ちにはなります。
※一応書いておくと、見た目や性別、生まれのことでヘイトすることを肯定しているわけでありません。そんな言いがかりのようなことは反論した後はさっさと無視して、もっと話すべきことありませんかって話です。
ただそれでも地道に発信するしかないんだと思います。一人一人が身近な人に気づいてもらい、それがいつしか当事者である党員の方や議員の方に届く事になれば、それも一つの政治参加と言えるのではないでしょうか。
このnoteをきっかけにフォローしてくださった方々、非常にありがたいのですが過去エントリやツイートを見てもらうとわかるように、普段こんな話別にしてませんので、期待外れならすみません。
最後までnote読んでいただきありがとうございました。
(2024年7月12日21時 追記②)
改めてたくさんの反応ありがとうございます。
追記①に「~のような方々に届いてほしい」という内容を記載していましたが、投稿から4日目にして立憲民主の議員の方々や、リベラル系のインフルエンサーの方にも少しずつ反応をいただけるようになりました。基本的にはTwitterの投稿にそっとLikeをしていただいてという形がほとんどではありますが、コメントくださる方もおり前向きに捉えてくださる方もいると受け止めています。書いてよかったなと思っています。
そして所謂蓮舫氏の支援者の方々にも届き始めたようで、いろいろなご意見や批判もいただいています。
私自身勢いに任せて本文中でいくつか強い言葉を使ってしまったなという反省もありますし、そもそも批判を通したコミュニケーションも重要なことだと感じてますので、ありがたいです。
自分の知識不足により認識の誤りがある部分もあるかとは思いますが、自分なりの回答とさせていただきます。
●メディアの報道体制の問題/自民党の悪政/小池都知事の悪政があるにも関わらず、それらを叩くのではなく立憲民主党への批判を行うのはいかがなものか
→「立憲民主党を始めとしたリベラル政党を内側から批判する支持者がいなければ、選挙や政策のブラッシュアップが行われないまま、リベラル政党は延々と負け続ける」という危機感を持ったことが、このnoteを書くに至った理由だからです。
選挙で負けるたびに外部(本文にある"愚かな国民"とかメディアとか既得権益とか)への批判が盛り上がるTLや界隈を数年見てきて、いい加減違和感を感じていました。「党や候補者、そして支援側には一切不手際がないのか?」と。その問題意識こそが最も主張したかったことであり、それを強く伝達するには、あえてメディアや小池都知事の悪政への言及は排除することでこそ説得力に繋がるだろうと考えた次第です。メディア報道や小池氏の行動に一切問題がないなどとは考えておりません。
●「朝鮮人虐殺の追悼文の送付拒否」や「神宮外苑再開発」などの少数派に光を当てるような話が多数派にとってどうでもいいなんてことは自明。多数派に受けなくとも「少数派を尊重すべし」という価値観をどうやって多数派に浸透させるかを考えるのが「真のリベラル」である。
→まず私は自分が「真のリベラル」になることは興味がありません。リベラル派が重要視する、例えば「困っている少数派の方の生きやすさを広げてほしい」というような声を拾い上げる政党が政治の場で存在感を発揮し、具体的に物事を前進させることこそが重要だと思います。
そしてそのために選挙という場で成果を出すべき野党第一党である立憲民主党≒今回の場合蓮舫氏が、戦略の拙さにより結果を出せていないことへの苛立ちに近い感情を持っています。
リベラルの価値観を多数派に浸透させることはもちろん重要であると思いますし、それは党だけでなく様々な人間が普段の生活の中も含めて工夫しながら発信することが大切です。しかし選挙の場でそれだけを強く主張し続け、多数派の共感を得られずに、政党が負け続けていては、結果的に少数派の方が救われることは無いのではないでしょうか。「少数派を尊重すべし」という感覚が国民に広がるのがもし100年後になってしまうのだとしたら、その「真のリベラル」性に私は価値を感じません。多数派をどうすれば振り向かせることが出来るか、それが選挙という戦いではないでしょうか。私はイデオロギーの純粋さよりも、いい加減「結果」を目指す動きを党も支援者もしていくべきだという立場です。
●蓮舫氏は具体的な政策の提案をしていないと記載しているが、公契約の見直しや奨学金の都負担など特に若者支援の話は具体的だったが?本当に蓮舫氏の演説を聞いたのか。
→本文に記載のある通りTLに流れてきた切り抜き動画と、またそれとは別で立憲民主党がYoutubeに挙げている公式の演説を見ました。
正直な話、選挙終盤まで流れてくる情報をざっと見ているだけでは、蓮舫氏が何を主軸に戦っているのか見えてこなかったので、自分から公式サイトなどを見にいきました。そこで初めて質問のような政策を打ち出していることや「小池都政の良いところは引き継いでいく」と蓮舫氏が仰ったこと知りました。つまり自分から情報を探りに行かなければ届かない情報になっていたというのが私の感覚です。
私のチョイスが悪かったのかもしれませんが私が見た街頭演説動画では奨学金の話はありませんでしたし(選挙終盤の動画です)、日常の合間にぼーっとTLに流れてくる切り取り動画を見ただけでは「小池都政を止めなければいけない」と仰っている部分ばかりが目立っているように感じましたた。投票用紙に「蓮舫」と書いて期日前投票を報告する系のツイートも「小池都政を止めたいので」という一言とともに投稿されているものが良く目に入りました。
それが良いか悪いかはさておき、有権者の少なくない数は、候補者のHPまで自分で見に行かずに投票先を決めることがあることはご存知だと思います。
党も支援者も蓮舫氏本人も、具体的な政策ではない部分を第一優先に拡散したことで、そのような具体的な政策もあるということが多数に伝えきれなかったのではないかと推測します。(もしかするとSNSのアルゴリズムによって、蓮舫氏支持者の方にはもっと多種多様な情報が届いていたのかもしれませんが)
どの情報、どの政策を"見出し"として優先的に発信するかということは選挙戦略の重要な要素ではないでしょうか。多くの人にとって蓮舫氏の今回の選挙見出しは"プロジェクションマップング"と"神宮外苑"と"小池都政を止める/不正を暴く"だったように思います。そしてそれは効果が薄いものだったという認識です。
●4月の衆院補選では共産党のおかげで立憲は3勝した。負けた選挙だけピックアップして共産党のせいにするのは意味不明である。
本文において敗戦の要因として共産党との連携も記載しましたが、あくまで主要因は蓮舫サイドの戦略ミスだと私は考えています。また歴史的背景もあり共産とは絶対に組まない連合票を捨てたとしても、共産とタッグを組むメリットがあると具体的に戦略があったのならばそれはそれでいいという立場です。(そしてそんな戦略無かっただろうと言うのが私の推測でもあります)
衆院補選についてご指摘ありましたので再度確認しましたが、その選挙では共産党が候補者を擁立しない、いわゆる候補者の一本化により勝利した選挙だと認識しています。
補選規模であれば候補者を一本化する事により得られるメリットが大きく、特に当時は自民党の不正もかなり注目されている時期でしたので勝利に繋がったのでしょう。
しかし、今回の選挙では共産党が擁立する候補はおらず、なかば協力状態だったにもかかわらず、蓮舫氏の得票は128万票、小池氏の半分にも足りません。
その二つの選挙にどのような違いがあったのかは、それこそ専門家の方々や立憲がこれから分析していくでしょうが、衆院補選の投票率が過去最低だったことと、今回の都知事選の投票率が高かった事は注目するべきポイントではないでしょうか。つまり無党派層の投票率が上がったとしても、その投票先として立憲は選択肢に入っていないという可能性があるということです。(都知事選と同時開催された都議補選で、衆院補選と同じく候補を一本化した立憲と共産の票が伸びていないことも注目するべきトピックかと思います)
本文に記載した通り、やはり無党派層をどのように振り向かせるかが重要なのではと私は考えています。
●やめろコールはヤジであり、ヤジの否定など民主主義化では話にならない。ファシズムの肯定である。また蓮舫支持者であるという証拠もない。
→本文内でも記載している通り私は民主主義における政治活動としてのヤジなどを否定するつもりはありません。しかし選挙という場において自陣営の候補の印象を下げ、当選確率を下げてまで行うべきではないというのが私の考えです。
「自陣営の当選確率を下げてでもヤジりたいときにヤジるべきだ」と仰るのであれば、それ以上の反論は私にはありません。
またやめろコールをしていたのが蓮舫支持者だったのかどうかという件に関しては水掛け論になってしまいますが、Rのマークを着た方や蓮舫応援のプラカードを下げた方がやめろコールをする動画を見た事から、蓮舫支持の方(≒アンチ小池の方)だと私は感じました。また少なくともやめろコールに関して肯定的な発言をされている方々は基本的に蓮舫支持の方ばかりでしたので、それによって無党派層にネガティヴイメージを与えたという意味では同じことでは無いかと考えています。
●応援している体で批判するのは気持ち悪い
→応援することと批判する事は相反することではありません。
理屈の無い中傷などは許されることではありませんが、自分の応援するものがおかしな方向に進んでいると感じたら、より良い成果のための批判は不可欠でしょう。
むしろ内部からの批判を一切受け付けない空気があるのだとしたら、それこそ私は気持ち悪いと思います。
その他、「そんな保守系が喜ぶような内容では意味がない/勝てなくなる」といった声もいただきました。
私個人としてはこの内容が保守系が喜ぶ内容だとも思っていませんし(批判できる材料という意味ではそうかもしれませんが)、保守系が喜ぶからと言ってリベラル派にとって意味のない内容かというと、それもロジックが無いように思います。
とは言えもちろん私も自分の考えが全て合っているとは思いませんし、私が考えた程度の内容で選挙に勝てるようになるなら立憲も苦労していないでしょう。
しかし、今回蓮舫さんが選挙で負けた。しかも予想を上回る形で負けてしまったという事実に向き合わなければいけないことは事実だと思います。
そしてそのために「こうすることが必要だったのでは」と各々が考えて行動することが重要なのでは無いでしょうか。
家庭の事情で今週はたまたま時間があったのですが、さすがにインターネットに張り付きすぎでしたので、恐らくこの話題に関してはこれが最後の更新だと思います。
興味関心をもっていただきありがとうございました。
皆さんの意見もぜひ聞いてみたいです。(こそっと拾いに行きます)
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