プレミアリーグ全試合観た大学生のシーズンレビュー②

前回のBig6編からタイトル変更しました。
今回はOther14の中でトップハーフに食い込んだ4チームについて。

ウェストハム

ELとの並行の中で上手くスカッドの枠を拡大し、ECL出場権とELベスト8に勝ち残った。

戦い方は昨季を踏襲し、4局面全てバランス良く、選手起用やバックラインの枚数、相手とのバランスによってどの局面を強みとするか決めて試合に臨んでいた。そしてデザインされた&キッカーの質が高いセットピースで拮抗したゲームをモノにする力を持っていた。

昨季よりも彼らを警戒する相手が増えるため、保持局面が現れる回数は増えた。その中でライスが昨季よりもさらに攻撃に参加する位置が高くなり、ソーチェクと役割交換しつつ彼の推進力は一段と目立つようになった。また、スローで膠着した状況を打破したのはランシーニ。リンクマンとしての彼の繋ぐ役割は重要性を増した。

課題はハイプレスをかけられた時に孤立したアントニオに蹴り込みキープしてもらうことが多かったことか。クリーンにプレス回避するパス循環ルートを確保出来れば複数人でカウンターを仕掛けることも可能となる。

レスター

ECLで準決勝まで勝ち残る一方でリーグでは過去2年よりも順位を落としてしまった。

ハマーズ同様に同様に4局面バランス良く、相手に応じた戦い方を選ぶことが出来るチームではあるが、非保持から設計するモイーズよりも保持志向が強いロジャースという大まかな違いはある。そして失点を重ねたセットピースが勝ち点を取りこぼす原因となってしまった。

怪我人が多く、メンバーの入れ替わりが多発しながらも目立ったのはデューズバリー=ホール。彼が絡むことで3人のユニット単位でサイドを攻略できる場面が増えていたことは印象的だ。

広いスペースを守ることを苦にしないCB、アンカーと、技術の高い両SBに、中盤より前のタレントを見ても、相手を押し込む展開で魅力的なフットボールが出来る選手が揃っており、来季は離脱者を減らすことで内容も成績も回復するはずだ。

ブライトン

シーズン当初は上位に食い込み、勝てない時期が続き、最後に調子を上げてフィニッシュ。分かりやすい成績推移。

ただ、シーズン当初の内容は良くなかったように感じる。スローな保持、整った配置を続けることは被カウンターの予防にもなり、90分通して見た時に相手を上回る確率が高いことはもちろんわかる。

序盤こそ相手のミスや個の突破力で勝ち点3を掴むが徐々にドロー沼に。やっていることは昨季から変わっていなかったが、相手のブロックを崩せず、お互い少ないチャンスを相手がモノにするかどちらもモノに出来ずドローか、という状態。

終盤になると、後方の保持の安定、押し込んだ時の予防的配置という2条件を基盤に、ゾーン2以降でのテンポアップを試みた。意図してカオスを作る配置も解禁し、自らのバランスは保ったまま相手を混乱に陥れる。ラスト5試合負けなしを呼んだこの進化は来季の飛躍の足がかりとなるのだろうか。

ウルブズ

途中まで欧州進出を争ったが終盤に調子を落とし10位フィニッシュ。

後方で保持してスローペースに、相手を引き込みつつ、中盤の展開力を活かして前線にスペースを供給する。押し込んだ局面ではWBが幅取って325の布陣。非保持ではローブロックを厭わず構える。そんな基本スタイルで、守備が安定し、着実に勝ち点を積んだ。

しかし、弱点として速く、分厚いプレスをかけられるとウルブズにとっての理想的な速さ、配置を取ることができず、自陣に押し込まれてしまう。パレスにダブルされ、後半戦にはバーンリー、リーズ、ニューカッスルにも敗れた。

来季はこのやり方を進化させるのか、別の武器も持つのか興味深く見て行きたい。

以上で今回の4チームは終了。全試合観たとは言え、印象・主観で書いているので、特に各チームのファンの方や客観データを見ることが得意な方はご意見頂けると大変ありがたいです。

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