本気でクソデッキ調整録〜現代スタンでバーンデッキは成立するのか〜
好きなカードはありますか?
私はある。
(MTGアリーナBO3スタンで、相手がサイドインしてきた黙示録シェオルドレッドに対し、手札の稲妻の一撃を悲しく見つめるのが趣味の)筆者は、火力呪文が好きだ。
「すべての火力呪文は喉首狙いの下位互換。」
しかし、火力呪文にしかできないこともあるはず。
今回の研究録は、バーンの可能性に賭けた筆者の記録である。
Ⅰ.潮目が変わった
ここ数年、火力呪文は不遇だった。
物足りない。
火力に求めているのは、除去能力へのちょっとしたボーナスではない。除去対象がいない際、本体に打ち込める能動性だ。
本体にダメージが入らなくなり幾年月。徐々に、徐々にではあるが、本体火力が増えてきた。
そして、カルロフ邸殺人事件で、はっきりと言えるようになった。
筆者は、カードデザインの設計ミスを探してデッキを組むのが性癖である。スタンが3年ローテーションとなったのは、おそらくウィザーズにとっても想定外。どこかに穴があるはずだ‥
Ⅱ.姉さん事件です!
カルロフ邸殺人事件。コンボの種になりそうなカードが多く、個人的にはかなり好感触だ。
今回、クソデッキの中軸はこのカード。発表された時には思わず呟いた。
元々ウラブラスクには、完璧な相性のコンボパーツが存在していた(強いとは言ってない)
インスタント/ソーサリーを唱えると、ウラブラスク能力で赤マナが出る。本体に1点ダメージが入る。
→勇気の徳目能力でデッキトップを追放し、プレイできる。
→追放したカードが赤1マナのインスタント/ソーサリーであればチェイン。仮にそれが火遊びであれば、さらに2枚チェイン候補が増える。
まぁ、火遊びは4枚しか積めないのだが。
しかし、下位種とはいえ火遊びが8枚積めるようになり、コンボ最重要カードのウラブラスクも互換パーツを手にした。
これは環境の特異点となりうるか。
勇気の徳目コンボは勝ち手段だ。そこへ至る過程は、インスタント/ソーサリーを同一ターンに複数回唱える道のり。ならば、衝動的ドローの出番だ。
研究所荒らしの事件で軽減され、ウラブラスクで赤マナが出ればフリースペル。
デッキの構造は出来上がった。あとはアクセントに何を加えるかだ。
Ⅲ.燃え尽きたのさ、真っ白にな
勇気の徳目も、表現の反復もどき2種も追放領域からのプレイだ。となれば、白を加えてピアとクイントでゲームに勝とう。
最近のスタン環境を軽くおさらいしておこう。
筆者は、一撃必殺を標榜している。
速いデッキ、中速デッキ、遅いデッキ。それぞれがまんべんなく存在し、自らの強みを押し付けている。中速デッキのアドの取り方はかなりえげつなく、遅いデッキはさらにそれを上回る。
これらにアドバンテージで勝つデッキを組むのは、なかなか厳しい。しかし、殺されるまでの時間はある。徐々に広げられるアド差を覆す、必殺技が欲しい。
しかも、筆者はわがままなので、こういうデッキだけじゃなく、速いデッキにも勝ちたい。
必殺技を搭載しつつ、その必殺技が対アグロデッキにも役立つものだと最高。
筆者なりの答えが、このデッキだ。
中速・遅いデッキには本体火力で勝ち、
速いデッキには軽量火力と飛行機械トークンで勝つ。
脳内では完璧理論なのだが、実際は果たして…?
こいつらが異物だった。
デッキの構造上、インスタント/ソーサリーの割合が重要。クリーチャーやPWの割合が増えれば増えるほど、チェインコンボとしての純度が薄れていく。
ちょっと視点を変えて。意外なことにというか、嬉しい誤算というか。研究所荒らしの事件は、割と4ターン目に解明できると分かった。しかし、表現の反復もどき8枚&火力15枚の全力をぶん回して解明する。手札にインスタント/ソーサリーが無くなる事もある。
そんな時、トップからピアやクイントを引いたら?
あれれ~おっかしいな〜。
と思わず口に出る。
残念だが、この事件の真相はタッチ白ではないようだ。求められているパーツに必要な要件は‥
・インスタント/ソーサリー
・マナコストは赤、ないし赤1
・できればアドソース、ないし火力
--!!
わかったぞ!わかったぞ!わかっ---
Ⅳ.謎はすべて解けた
求めていたのはこれだった。
表現の反復もどき、計12枚。先ほど本体火力の種類数が、デザイン設計段階より多いはずと語った。表現の反復もどきの枚数も、3年ローテーションの恩恵を享受した。これが環境の特異点。
当然、ドルイドの本体性能もチェイン構造と相性抜群。替わりに衝動的ドローの質は他8枚にやや劣るが、下環境で採用される事もあるカードの全力が味わえた。
補色が白→緑に変わったことで、友好色ファストも使えるようになった。
研究所荒らしの事件の解明を、4ターン目に狙うこともある。土地はすべて赤マナが出るもので統一すべし。前期デッキは英雄の公有地を入れて痛い目を見た。(1敗)
副次効果として、赤が出つつ1ターン目にアンタップインする銅線の地溝のおかげで、今まで見えていなかったものに気づけた。
このクソデッキ、コウモリに強いコンボデッキなのだ。
クソデッキの構造として、火遊び/ショックという弱いカードを大量に採用している。
なぜ弱いのかは、除去できるクリーチャーが少ないからだ。除去できるカードが存在せず、相手のライフが3点以上あるなら無駄牌。他のカードとの組み合わせがなければ、存在意義がない。
そして、相手のコウモリは、火遊び/ショックに存在意義を与えてくれるカードだった。相手の払ったマナは2マナ、自分の払ったマナは1マナ。除去が強い瞬間である。
こう書いても、こんな反論があり得る。「いやいやコウモリだぞ!?仮に除去されても手札が見られるし、そもそもコンボデッキに対するキーカードだろう?」そして、MTGアリーナで対戦する相手もそう考えて、コウモリをサイドアウトはされない。
それこそがこのクソデッキのストロングポイントだ。
コウモリのおかげで採用枚数が減るカード群は、タフネス3以上で2点火力に強い。ショックなんて撃ってる場合ではない。
コウモリが強いという環境構造を、逆手に取るコンボデッキ。こう書くとちょっと楽しくなってくる。
Ⅴ.大魔王バーン様
バーンデッキはコントロールデッキである。という言葉を聞いた事があるだろうか。相手に自分が殺されるより、1ターンだけ先に勝つ。それがバーンデッキだと。
このクソデッキも正にそうである。1ターン目に本体に向けて火遊びを撃つデッキではない。研究所荒らしの事件/ウラブラスク/勇気の徳目の3種を並べていくコントロールコンボだ。
大魔王バーン様の如く、天地魔闘の構えを完成させてカイザーフェニックスを連打したくはないか?
10点以上あるライフを、火力呪文で1ターンのうちに焼き切る。かつてはあり得たが、近年のスタンではできなかった事。その楽しさが少しでも伝われば幸いだ。
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