kaoru spiritual life #0 親子の問題。

人間関係 親子の悩み

※この記事は今後、有料マガジンに収載予定ですが期間限定で通常の記事としてアップします


人間関係で大きいものが恋愛、職場、そして家族の関係ではないかと思います。

家族、特に両親について識(し)っていくことは魂の成長にとても大きな一歩となります。なぜなら、親との関係はすなわち愛情への姿勢、そして自分の自立への姿勢を表しているからです。愛情と自立とは魂の成長の骨のようなものです。

恋愛関係も結局、この親から受け継いだ愛情の問題を繰り返していることが多いです。

親との愛情の問題は自分で納得するなり、解決するなりしておかないと次の世代へそのまま引き継ぐこととなります。だからできるだけ自分の代でクリアーにしておきたいものです。

・・・

親に対して憎む気持ちがある、とか大人になっても認めてもらいたい気持ちが消えないとか、理解してもらいたくてわがままを言うとか、反対になんでも親の言うなりになってしまう、自分らしく自分の好きな暮らしを実現したいのに親に引っ張られてしまう、自立できない・・など親との関係に悩む人はたくさんいると思います。

わたしも大分マザコンですし、親との関係についてはかなり悩みました。今30代前半ですが、20代の頃この問題をよくよく考えていました。

他の問題と同じで、客観視してよーく観察して理解していきます。

何を?

わたしがどんなことを識ろうとしたかをざっと挙げてみます。

・父親、母親がどんな人間であるか(良いところ・悪いところ 基本の性質 愛情はもらって育ってきたのか、次の世代の子どもにそれを表現できるか 自立しているか 人生に満足しているか 不満を抱えているとしたらそれは何か・・・ )

・現在はどんな状態であるか

などを主観を入れずに(とは言っても家族だからある程度は主観は入りますが・・・)徹底的にあらゆる角度から観察して分析します。「こうして欲しいのに!!」と言う気持ちが邪魔して冷静になれないかもしれませんが、一旦それは置いておきましょう。要求は、そのあとに、よく理解した上で出しましょう。

これがかなり大事ですが、

・それぞれの両親(祖父母)との関係性(特に愛情表現について)

を視(み)ます。親に問題があるとしか思えない、ならば親はどういう子供時代を過ごしてきたのか。それを識ることです。


そしてぶつかれるようなら、気の済むまでぶつかることです。ただすでによくない関係性のときはあきらめることも肝心と思います。いつか和解するときが来るかもしれないし来ないかもしれないけど、すでに大人になっているのに、親との関係に振り回されるのはもったいないです。解決できそうなことはやってみる、無理と感じるものには距離を置きます。


+++具体例として、

わたしの両親はあたたかい愛情をくれるようなタイプではありません。抱きしめたり、優しい言葉をかけたり、子供優先に意見を聞いてくれるような人ではなく、大人が優先です。安心させるような愛情表現ができない人たちです。母は自分の世界にこもる研究者タイプ。父は自分に自信がなく、優しいけどまだ自分が愛を求めるような人です。

面白いことに、というか当然というかどちらの祖父母ともあたたかい人ではありませんでした。孫であるわたしにも安心感を与えることはありませんでしたし、きっと両親の子供時代はもっと厳しかっただろうと思います。優しい、おおらかな愛情表現なんて覚えられないだろうなと容易に想像がつきます。

横で見てると母もまだマザコンの様子が感じられますし(普通の親孝行に思えますが、甘えられなかった分を甘えたいという気持ちがわかってしまいます)、父は祖父母とも他界しましたが、かなりの偏屈だった祖父に認められたいという気持ちが満たされずに今だに承認欲求の塊でさまよっています。

愛情の問題(他にも家の問題はたくさんありますが)は一代で解消されないとどんどん次世代に引き継がれていきます。なんでかというとそれが命の本質だからだと、わたしは思っています。


さて、わたしはこんな両親であることをよくわかってしまい、何度も絶望しましたが(わたしは優しく愛される安心感が欲しかったのです)、親であっても他人であり、一個の独立した魂であるとも感じていました。自立できるかできないか、愛を知るか知らないまま終わるか、それは個人の問題です。たまたまわたしは彼らの子供だったのでそれが問題になっていますが・・・。


小さい頃はこういうことを無意識でキャッチしていましたので、なんと健気にも親の親代わりをしていました。精神的なところですね。父、母が本来は親から欲しかったもの、そして大人になって夫婦となり、お互いに求めてるのに、お互いで気づかず与えられない部分をちっちゃなわたしが担ってきました。家の中で気を使って、気を配って生きてきたのです。

20代後半になっていましたが、親への向き合いで、まずこれをやめることにしました。


そしてわたしが一番親に望むことは何かを考えました。それは「話を聞いてもらいたい」でした。小さなわたしはいつだって母の話を聞く係でした。話したいことがちっちゃな心にはたーくさんあったのに、大好きな母が話したいのなら聞いてあげなくてはとただ聞き役になっていました。母は話したいだけ話すと人の話は聞かない人です。長い間、表に出てこなかったけど、わたしには「自分の話を聞いてもらいたい、気持ちを知ってもらいたい」という欲求がありました。

またわたしは持って生まれた感受性のせいで人の気持ちをよくわかるので、人の話を聴くのもとても上手にできるのです。

本当は抱きしめてもらったり、とにかく優しくされたかったですが、もう社会人でいい大人で子ども時代に戻ることはできません。ただわたしはいい子で育ってきて反抗期がありませんでしたので、反抗期くらいやってもよかろうと思い、ある時期、2年くらいですが徹底的に自分の要求を表現することに決めました。それが「わたしの話を聴いて!」ということでした。


最初はひどいもので、全く聴いてくれなくて、その度に泣きわめき言いたいことを言いました。25、6歳の娘が泣きわめくので母も相当困ったと思います。明らかに面倒くさがったり、怒ってきたり、無視したり、子ども時代のことを申し訳なかったと手紙を書いてくれたり・・。わたしは気持ちが伝わったと思えるまで、気が済むまでそれを続けました。

そして具体的に要求しました。「話の途中で遮らないで」とか「自分の話は話したいのに人の話は一切聞かない!」とか「大事な話を話してる途中でよそ見をするのは失礼すぎる」とか「お母さんに今聞いてもらいたいから話してるんでしょ!」とかです。

とにかく全力でぶつかりました。母もほとほと疲れたというようですが、目の前で騒がれるので対応しないわけには行かず、イヤイヤだったかもしれませんが付き合ってくれました。


これがとても良かったです。今、母はだいぶ人の話を聴けるようになりましたし、性格も歳のせいもありますが丸くなってきました。


これが何がなんだかわからずにそのまま過ごす、あるいは自分や親のことをよくわからず反抗期のようなことをやり続けていたら、もしかしたらずっと母親に振り回された人生だったかもしれません。

父に関しては、父に大人になってもらうことはすでに諦めました。無理だと思っていますし、わたしは母との結びつきが強いので、母との関係を解消できれば親との問題はほとんどクリアになると考えたからです。父に対してはフラットでいようと心がけています。


親との問題は根が深いものです。大人になっても悩まされることが多いですが、冷静な目でそれぞれの魂を、関係性を、血縁で繋いでしまった負の連鎖を観察・分析してみること。そして自分はどういうアクションをしたら、この愛情のカルマを少しでも自分の代でクリアにできるかを考えることです。

方法は千差万別だと思います。でも大事なことは諦めないこと。一番賢く、一番人間らしく方法を考え抜くこと、です。親は自分より先に死にます。元気なうちに本気の喧嘩を、愛情のやり取りをしておきたいです。


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