呼び出し音が鳴り続けるのを聞きながら・・・
最近ではほとんど見かけなくなった電話BOX
その中でどこかの誰かへ電話する少女が描かれています。
作者は高校2年の男子学生です。
この作品から時代を少し錯覚してしまいそうです。
今の若い人達は公衆電話の掛け方を知らない人が多いと聞いています。
少し重い受話器を耳に当て
呼び出し音が鳴り続けるのを聞きながら
コードを握る手がちょっと緊張している感じも伝わって来ます。
そして 電話BOXの外を凝視する瞳は
友達との次の週末の約束なのか
親への少しばかりの嘘の混ざった言い訳の電話なのか
そんな様子にも見えます。
作品はP30号(91.0×65.2)㎝の木製パネルに
下地材のジェッソを塗りアクリル絵の具で描画彩色しています。
マットメディウムでティッシュペーパーを貼り付け
半透明な部分を作ったり
ダンボールの木口で地模様を醸し出したりするなど
マチエール創りに工夫の跡が見て取れます。
又電話の掛け方などが案内された掲示板には新聞紙などを
コラージュしその雰囲気も演出しています。
少女の顔や手などに出来る影は
受話器や電話BOXからの反射光が彩色されていて
画面全体の統一感も上手に描き出しています。
この作品は 第46回平塚市展に出品し
見にに奨励賞を受賞しました。 おめでとうございます。
絵画講師 若林薫 評
「作品をご覧頂きありがとうございました。気に入って頂けましたら、
スキ・フォローなど頂けますと創作活動の励みになります。
よろしくお願い致します!」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?