見出し画像

不登校と始業式

今日は始業式。新学期が始まる。
(住んでいる自治体の長が学力底上げの為と、数年前から夏休みが一週間前倒しになった。個人的には先生方の休みが減って、仕事が増えただけのような気がする…)

我が家の中3娘、小6息子は不登校継続中なので、日常と特に何も変わらない。夏休みの宿題もドリルも、清々しい程に何もやらなかった。
(ただ娘は日記をつけるのが好きなので、唯一それだけ学校で使っているパソコンに打ち込んで送信した。それも昨日の晩に、書き溜めていたものをまとめて一気に40日分打ち込むという力技…笑)

2人とも全くもって、始業式に出るつもりはなかったものの、やはり学校が始まると後ろ暗〜い気持ちが湧いて出てくるらしい。

普段の学校への出欠確認の電話は、小学校の方は先生方と相談の末「行く時にだけ連絡」にしている。

しかし、中学校の方は希望が通らず、必ず電話をしなければならない。親からすれば、電話連絡も毎日となると、学校側には申し訳ないが、正直言って面倒くさいし気が重い。

学校に連絡すると、だいたいいつも同じ先生(多分事務方の先生)が対応してくれる。
でも毎日毎日2年以上も連絡をしていると、その先生のその時のメンタル状態が判るようになる。今日は忙しそうで余裕ないなとか、今日は何かいいことあったのかな、とか。
勝手に想像して、勝手に先生を身近に感じ、最後はちょっと楽しかった。

だから今年の3月にその先生が移動になり、いなくなってしまった時は寂しい気持ちになった。
毎日毎日電話をとっていたただいて、ありがとうございましたと感謝の気持ちを伝えることが出来なくて、とても残念だった。

不登校3年目。娘が「気持ちの問題」で行けないことを先生方もわかっているため、今年からは本人からの電話連絡でOKになった。

娘の方はというと「電話連絡が面倒くさい」というより、「欠席理由を考えるのが面倒」なよう。
朝からもう行く気はないのに、たいてい昼以降まで欠席連絡を引き伸ばしている。
今更理由を考えなくても「休みます」でいいんじゃないかと言っても、「理由がないと学校を休めない」と長年呪いのように思い続けていたため、娘はなかなかすんなり電話が出来ない。

今日も「いっそ熱でも出ればスッキリ休めていいのになー」というので、病気を使って休むのだけはオススメ出来ない、やめた方がいい、と伝えた。


娘は小5の時に、突然原因不明の体調不良に陥った。膠原病の1種である「全身性エリテマトーデス」に似た症状だった。顔がパンパンに腫れ、朝起きられなくなり、体温調節が出来なくなったり、日光に弱くなったりと、体のあちこちが不調になった。

最初の派手な症状が収まった後は、一般の膠原病のように病状が進行したり悪化することはなく、いくら検査してもはっきりした原因はわからず、大きな病院に通ってしばらく経過観察を続けていた。
約2年後には医師から「膠原病とは考えられない」という結論を示された。

後から娘に話を聞いたら、「あの頃は学校に行きたくなくて、どこか体の調子が悪い所がないか、毎朝起きる時に探していた」と、さらっと衝撃の告白されて、絶句した私。
…嘘やろ。

膠原病は自己免疫疾患。自分自身を攻撃する病気。娘は学校を休むため、無意識に自ら病気を生み出したのではないだろうか。病は気から。娘の体が取り返しのつかない状態になる前に気づいて良かったと、心から思っている。

さらに当時は慢性疲労症候群とも言われ、ずっと家で1日中横になっていた。A4用紙にびっしり書いていた様々な症状も今では殆どなくなった。
好きな絵を描く集中力も、好きな押しキャラのグッズを買いにいく気力も体力も取り戻した。健康であるっていうことが、本当にありがたい。

「あの頃に戻りたいの?」と聞いたら、あの時はめっちゃしんどかったし、さすがにもういいかな…と言う娘。そりゃそうだよねぇ(苦笑)

結局今日はたまたま生理が来て、本当にお腹が痛くてだるいようだったので、その理由を素直に先生に電話して伝えた。(男の担任の先生なので、先生の方がちょっと気まずそうだったらしい…苦笑)


不登校当初、娘と息子は揃って五月雨登校で無理を重ね、青白い顔で帰ってきて部屋に倒れ込んだ。その後子供なのに慢性疲労になり、青白い顔で1日中寝ているばかりだった。
心が死んでしまった2人は、まるでゾンビのようだった。幼い頃元気な時は、2人共毎日あんなにキラキラしていたのに。あの時は本当に辛かった。

あんな姿になるのなら、もう無理なんかしなくていい。元気に笑えていれば、もうそれだけでいい。
とても時間がかかったけれど、ようやく私は子供達への過剰な期待を手放すことが出来つつある。

今も子供達は学校に行っていない。
でも、自分の気持ちに蓋をして無理に学校に行くことで、生きながらにして子ども達がまたゾンビのようになってしまうのなら。
他愛ない話で笑いあっている今の子供達の方が、よっぽど人間らしいと思う。


学校に行きたい子は、行けばいい。
学校に行きたくない子は、行かなくていい。

親の期待なんかに応えなくていい。
自分のやりたいように、やればいい。

どんなときでも、私は子供達を応援できる親でありたいと思っている。

この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

32,780件

サポートいただけたら、嬉しいです。 子供達の学費に当てさせていただきます🍀