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地球も自分もちょっぴり救える「洗い物のマイルール」

食器洗いを人に見せるようになったワケ


もともとフリーランスで自宅仕事が多いのだが、ここ数年はご多分に漏れず外出する機会が激減していた。今まで店舗に出向いて取材していた食関係の仕事は軒並みなくなってしまったし、企業取材も直接顔を合わせることなくZOOMで話を聞くようになった。何度も一緒に仕事をしているのにいまだに会ったことのない担当者も少なくない。いろいろ寂しい。

でも、悪いことばかりではない。

執筆や編集の仕事が減った分、別の仕事にも力を入れるようになった。知り合い限定のリクエスト制で数ヶ月に一度だけ開催していた「世界の家庭料理」の料理教室をちゃんとやるようになった。料理教室の人気メニューを提供する「ランチ付き初心者編み物レッスン」も始めた。結果、私が外に出て行かずとも、多くの人がわが家に来てくれるようになった。

料理にしろ編み物にしろ、教えてさしあげる内容が充実していなくてはならないのは言うまでもない。でもそれと同じくらい、せっかく来てくれた人が居心地良く過ごせる空間と時間を提供することが重要だと私は思っている。

ここ数年、世界中が経験したコロナ禍の影響もあって、「居心地の良さ」のベースには「清潔さ」が欠かせないといえる。でも、よくよく考えてみたら「清潔であること」はコロナなんかに関係なく、居心地の良さを形づくるひとつの要素なのではないだろうか。

極端な話をするならば、料理する人の爪が汚れていたら気持ち悪いし、手も洗わずに調理を始められた日には「あ、もう帰ります」と言いたくなる。キッチンまわりにホコリが溜まっていたり、タイルの目地が黒くなっていたり、台ふきんが薄汚れていたり。常識的な清潔感を積み重ねたその上に、ようやく「調味料のおすすめはこれです」「この調理器具は非常に使いやすくて」なんて話ができるのだ。言うまでもないことなんだけど。

料理教室は「作る過程」のすべてを生徒さんにお見せする。時間内におさめるため、見せなくても大丈夫そうな行程はあらかじめやっておく「3分クッキング形式」も必要だが、ま、その場で作業しているすべては自ずとみなさんの目に入ってしまう。

調理行程以外で「それは何をしてるんですか?」と聞かれる作業のトップ1が、皿洗いだ。今日はその話をしたいと思う。

息子の親友にも受け継がれたマイルール


わが家の食器洗いには何年も変わらない絶対的なルールがある。

先日、中二息子の親友が食器洗いを手伝ってくれる機会があったのだが、わが家のルールがしっかり継承されているのを目の当たりにして、軽く驚いた。小さい頃からいつも母子そろってうちに遊びに来ているため、彼の母(私にとってはママ友)がそのルールを「めっちゃいい!」と思って自分ちでも採用し、息子にも自然と伝わっていたというわけだ。なんか、けっこううれしかった。

食器洗いごときにいったいどんなルールよ?と思われるかもしれないが、食器や調理器具の汚れが確実に取れるし、地球にも優しいと思う。ぜひぜひぜひ、やってみていただきたい!

①まずは予洗い

テレビCMとかで、食器用洗剤の油落ちの良さを伝えるために、油まみれの食器をいきなりスポンジでがし!っと洗ってしまうシーンがあったけど、あれは本当によくない。あのビジュアルインパクトが日本人の食器洗い方法に与えた影響は少なくないと思う。

使った食器や調理器具は、まず予洗い。これが手始めの作業であり、全行程の中でもハイライトといえる重要な役どころだ。

わが家では、キッチンブラシを使う。この作業を見て、料理教室に来た生徒さんが「それは?」と興味を示してくれるのだ。

ブラシで予洗いする前に、拭き取れる汚れはキッチンペーパーで取り除くよ。
テフロン加工のフライパンなどは優しく撫でる感じでOK。

いろんなタイプがあるが、毛の部分がしっかり硬めのものがおすすめ。ドイツRedecker社のブラシが有名だけど、どこのでも大丈夫。

以前、とあるフランス人シェフと食器洗いの話になったのだが、彼は私以上に強めの主張で「予洗いしないなんて信じられない、許せない、僕のルールがわからない人には僕の皿は洗わせない」と言い切っていた(さすがフランス人)。でも、その彼が普通のスポンジで予洗いしていたから、「私はこれだよ」とブラシを使ってみせたら、「すごい!今日からこれにする!」と大喜びしていた。彼はブラシを野菜洗いとして使っていたが、今後は食器用にもブラシを置くことにしたそうだ。

予洗い命のフランス人も納得の、ブラシ使いだ。

②スポンジは2種類以上

たとえばその日の夕食で使った食器の数々。油がべっとり付いたプレートもあれば、ごはんがついただけの茶碗も、油要素ゼロのグラスもあるだろう。予洗いはそれぞれにしっかり終えるとしても、まだプレートの油は残っているはずだ。そのプレートを洗ったのと同じスポンジでグラスまで洗ってしまったら、ゼロだった油要素がグラスに移ってしまうのは当然だ。

だから、スポンジを使い分ける。

左のやつはグラス用、真ん中のスポンジは食器用。
さらに「フライパン・鍋用」を用意するのもおすすめ。

そして、スポンジを使った後はしっかりと水を切っておくこと。

「洗剤がまだ付いているからもったいない」もしくは「洗剤が付いているんだから清潔に違いない」という思いで、水を切らずにサッと置いてしまう人もいるかもしれないが、保健所の方からも聞いたことがある。「食器洗いをした後の濡れたスポンジは雑菌繁殖の温床です」と。

濡れたままのスポンジは雑菌に優しい。自分に優しくしたいなら、ぎゅっとしぼり、流しの中でパタパタと振って水を切り、水切れのいい場所に置いておくことだ。

保健所の方の話に戻るけど、その人は「私はいろんな雑菌を日々目にしているので、スポンジは1週間に一度は替えています。できれば毎日でも取り替えたいくらい」と話していた。私の場合、油で汚れたスポンジは、スポンジ自体に洗剤を付けて洗ってから水を切るようにしているけれど、それでも、まぁ2週間に一度は交換してるかな。スポンジは100円ショップで買えますし。

ちなみに、予洗いブラシは毛先がよれてくるまで使えるので相当長持ちする。ただしこちらも水切りはしっかりと。

③洗剤はエコベール

環境への負荷がなるべく低い食器洗剤を使いたい、というのは、現代人なら誰しも共通の願いだと思う。でも、いくら環境に優しくても油落ちが良くなければ、結局使う量が増えたりして、それはそれで良くない。

環境への負荷が少ない+油落ちがいい+手荒れしにくい、という洗剤を使うのがベストだと思う。

いろいろ試してみて落ち着いたのは、ベルギーに本社を置くエコベール。

「排水された後99%以上が微生物などにより生分解されて自然物質に戻ります。 また、ボトルは100%再生プラスチックを使用しており、CO2排出量を70%以上削減しています。 さらに、1979年の創業以来、動物実験を実施していません。」と明記されている。

言うまでもないが、油汚れもすっと落ちる。「油汚れに効く!」と喧伝している別の商品も使ったことがあるけれど、エコベールに比べたらぜんぜん落ちなかった。少しの量で洗い上がりがキュッとする、それがエコベールの特徴だ。

私はカモミールを使っているが、レモンも人気らしい。

ただひとつの不満は、パッケージが改悪されてしまったこと。

以前はこれ↓だったの。ナチュラルでかわいかったの・・・。

片手でも出せるようにプッシュ式の詰め替えボトルに入れて使っている。

今の容器は、、あえて写真は載せないが、なんていうのかな、カー用品みたいなデザインになってしまった。これは、エコベール愛用者の友人たちが口を揃えて残念がっているから、ぜひぜひ元の方向性に戻していただきたい。大好きだからこそ、心からそう願う。

ちなみに今は、買ってきたエコベールを昔のデザインの容器に移し替えてストックし、それを詰め替えボトルに都度入れ替えて使うという、なんだかややこしいルーティンになっている。

④おまけ


洗ったグラスは自然乾燥させず、きれいな布巾で拭くのが吉。そうしないと、水のミネラル分が結晶化して白っぽい汚れみたいなやつが残ってしまう。 

ちなみに布巾も、「テーブルを拭く用」と「コンロまわりを拭く用」の区別はもちろん、「グラス・食器拭き用」「鍋・フライパン拭き用」はわけるのがおすすめ。うちはタオルも含め、こういう布ものは真っ白いものばかりなので、汚れたら漂白→普通に洗濯。そして、タオルには必要に応じて柔軟剤を使うけど、布巾には柔軟剤は厳禁。柔軟剤の油成分がグラスなどに移ってしまうので。


細かいことだけど、だからこそ大切な清潔のマイルール。

#清潔のマイルール

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