直樹の焼きうどん|連載「記憶を食む」第5回|僕のマリ
昨年、やたらとお祭りに行った。ほぼ毎週と言って良いほど行っていた。家から歩いて行ける距離のところしか行かなかったけれど、それでもどこかしらの神社や小学校でいつもお祭りがあった。夕方までに家事や仕事を済ませ、明るいうちから缶ビール片手に会場へ向かう。浴衣姿の人や、はしゃいでいる子どもたちが増えてきたら、自然とこちらのテンションも上がる。盆踊りの音を聞きながら屋台で何を買うか考えているとき、やけに楽しい。たこ焼きやイカ焼き、じゃがバターやりんご飴。いつも大体、迷った末に焼きそば