今日のアウトテイク#70(土曜無料版)「本とえび豆、コワーキングと地ビール ほか」【メンバーシップ特典】(2024-01-27)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

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「食」は常にいいテーマを与えてくれる。

#今日のBGM

#今日のコトバ

"すべての者が意見を持っている。だが、考えている者はほとんどいない。"
(ジョージ・バークリー)

#本とえび豆、コワーキングと地ビール

『あまから手帖』を毎月買って読んでいる。ぼくが毎月必ず買う雑誌はこれと『MeetsRegional』の2誌だけ。

どっちも、一見、グルメ雑誌みたいに見えるが(その部分もあるが)、毎号、テーマに沿って町の情報をテキストといいデザインといい写真といい、実に端正にまとめて見せてくれるので、一応、モノ書き、編集者の端くれとして勉強させてもらうつもりで読んでる。はい、見る、ではなくて、ちゃんと一字一字読んでます。

で、今月号の『あまから手帖』の特集は「珈琲二〇二四」。関西各地のユニークかつ王道を外さないコーヒーショップを次々に紹介してくれている。その視点がいい。カフェチェーンなんか間違っても出てこない。皆、一家言ある店主ばかり。なんせ、特集ページの扉がこれ。渋すぎる。

あー、いや、念のため申し添えておくと、どこもこういうレトロなところばっかりではなくて、古き良き時代の「喫茶店」のカルチャーを残しつつも、常に「美味しい珈琲」への探求に励むお店ばかり、です。

その中で「うんうん」とうなずいたのは、京都「六曜社地下店」のオクノオサムさんと「FACTORY KAFE工船」のオオヤミノルさんの対談のこのくだり。

オオヤ 最近、予約しないと入れない店も多いじゃないですか。喫茶店でも予約しようとするでしょ?
オクノ 僕ら、予約してわざわざ来てもらうようなことはやってない。
オオヤ 喫茶店って、ふらっと立ち寄って、誰かと喋ったり、本を読んだり、マスターと喋ったり、がいいなと思ってるんですけどね。
オクノ その通りやね。並んだり予約したりってことが喫茶店でも当たり前になると、ふらっと入って、ゆっくりする店は生まれにくいよね。

ちなみに、六曜社についてはこの本がオモシロイ。

で、これ、コワーキングも同じだなと。ふらっと立ち寄って、コーヒー飲んだり、喋ったり、本を読んだり、コワーキングマネージャーと話したり、もちろん仕事もしたりする。各自がそれぞれ自分流にその時間を有意義に過ごす。そういうのがコワーキング。

ご存知かと思うが、ぼくはドロップイン必須論者だ。いつでも誰でも利用できるのが、本来のコワーキングのあり方であって、だから日によって違う化学反応が起こり、そのコミュニティに新しい価値をもたらすことになる。そうでないとコワーキングの意味がないと信じて疑っていない(人はこれをコワーキング原理主義者と呼ぶ、知らんけど)。

今、まさか入り口に行列してまで使おうとするコワーキングがあるとは思わないが(あったらスゴイ)、予約しなければ利用できないコワーキングがどれぐらいあるのかも判らない。

ただ、もし、そのコワーキングが他にない独自の価値を提供していて、だからそこでなければならないのだ、というのなら、それはそれでスバラシイと思う。ただし、それでもドロップインありき、という考えは変わらない。

ところで、ここで書きたいのは実はコーヒーのことではない。(ちがうのか)

今号に『湖北の「いわね書店」が作る郷土料理 本とえび豆』と題する記事があった。これがイイ。

滋賀・湖北の木之本にある「いわね書店」では、地元の郷土料理であるえび豆を販売している。そう、本屋さんでお豆さんを売っている。

20年ほど前に商工会で地元の特産品を作ろうという話になって、元々料理好きだったここの奥さん(御年81歳!)も参加、その活動を引き継いで自店舗(しつこいが、本屋さん)で売り続けて「えび豆を売る書店」になっている。

それをほしいという人がいるなら、書店で豆を売っても別に構わないと思う。むしろ、こういう柔らかい発想が大事。

で、その前提は「好きだから」じゃないだろうか。

いや、豆が、というより、地元で取れる素材でお惣菜を作って売る、そしてそのことを喜んでくれる人がいるから、ということが。「好きだからやりたい」という純粋な動機は、何をやるにしても忘れてはいけないと思う。

でまた、コワーキングに置き換えてみる。

コワーキングは、そもそもは共用のスペースで仕事をすることから始まったけれども、現代では、特にローカルエリアでは利用目的はその限りではない。そのことを表したのが、先日、そろそろバージョンアップすると書いた「コワーキング曼荼羅」だ。

ご覧のように右上、1時の方向に「食」とあり「飲食+地産地消」とある。カフェを併設したコワーキングも各地にあるし、コミュニティ農園まで運営しているところもあるし、その生産物でレシピを作り食事会をするコワーキングも実際に存在する。

もし、「これが好きでやりたい」というテーマがあったら、コワーキングを使ってぜひ実行してみてほしい。テーマは、各々、自由に設定すればいい。豆を売っても全然いい。

一方、ユーザー(コワーカー)の活動テーマをサポートするのがコワーキングの役目だ。それができて、ローカルコミュニティとしてのコワーキングが存在価値を示す。

と思ってたら、タイミングよくこのニュースが飛び込んできた。

札幌市の西岡地区で地ビールの開発、そのお披露目会がある、と。

北海道新聞 さっぽろ 10区(トーク)別紙 \\\ 朝刊に掲載 /// 西岡まちの灯り 1/28 日曜日 西岡地ビールお披露目会 の記事が 掲載されました! 西岡地区はかつて サッポロビールのホップ園があり 現在も栽培されている事。 そ...

Posted by Cocoスペース on Friday, January 26, 2024

詳しくはこの投稿を読んでいただきたいが、と思ったら、こっちにサイトがあった。

このプロジェクトは、西岡地区の特産品を作ってもっと地域を盛り上げようということで、地域住民や西岡商工振興会の有志が自然発生的に集まって2023年春から活動を進めてきたもの。西岡は昔からホップの採れる地域らしく、クラフトビールの製品化につながった。地元特産品というところが、先のえび豆と同じ。

実はこのカツドウに札幌西岡のコワーキング「CoCoスペース西岡」が関係している。

ここを運営する今野さんの話では、現在は協賛金という形でお金を受け取り、そのお礼として瓶ビールをお渡ししているが、今後は販売も検討しているんだそう。それはいいですね。早く飲みたい。

書店でえび豆を売る。コワーキングで地ビールを売る。いずれも、その土地ならではのコンテンツであることが肝心。でもそれを喜ぶ人がいるなら、どんどんやればいい。

曼荼羅の「食」のところ、掘り下げていけば、意外と面白いネタがありそうな気がする。ちょっと皆で考えてみてはどうだろうか。

ということで、今日はこのへんで。

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