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今日のアウトテイク#174「コワーキングするならまずポップアップしよう」(2024-05-10)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」

※何事もお試ししないと。


#今日のBGM

そういえば高校んとき、これを岩木と王子文化会館で演ったなぁ。チケットはたしか100円だった。

#今日のコトバ

"最も重要なコミュニケーション・スキルは、いつ黙るべきかを知っておくことだ。"
(モーガン・ハウゼル)

Tuesday wisdom from @morganhousel

Posted by Daniel Pink on Tuesday, May 7, 2024

#(お知らせ)インディー・コワーキング開業運営塾、受講者募集開始

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#コワーキングするならまずポップアップしよう

女性がメインユーザーのコワーキング「Her Workspace」がニューヨークに続いてサンフランシスコでその版図を広げようとしている。

同社のサイトはここ。

へ〜、と思ったのは、ニューヨークもサンフランシスコも、一時、女性専用コワーキングとして名を馳せた、そしてあえなく破綻した The Wing の跡地を利用しているということ。

そのThe Wing のことを先に説明しておくと、2016年10月にマンハッタンのフラットアイアン地区に最初のスペースをオープンしてから2年足らずの間に、ニューヨークの3つの拠点で1500人以上の会員数を誇るようになった、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのコワーキング…だった。

2017年11月には、3200万ドルのシリーズBラウンドの資金調達を行っている。そのリードインベスターは、当時450のコワーキングスペースを持っていた、そして今や破産手続き進行中のWeWork。

そのThe Wingはその後、人種差別問題を抱えて訴訟騒ぎもあり、ご多分に漏れずパンデミックの影響も受けて、2022年9月、最後に残った6スペースを閉鎖して終わりを告げた。The Wing とWeWork、なんとなく、兵どもが夢の跡な感じだが。

で、今回のHer Workspaceは、そのThe Wingがかつて使用していたスペースを使って開業するのだが、ここで注目したいのは正式に不動産賃貸借契約をする前に、ポップアップコワーキングを開催している、ということ。つまり、どれほど、あるいはどんなニーズがあるかテストしている。

ぼくもコワーキングの開業のご相談を受けた際に、必ず、いきなり物件を借りずに、まずはポップアップでイベント的にコワーキングをやってみることをオススメしている。

場所があればそれでコワーキングができると思っている人が多いが、全然、そんなことない。民間もだが、自治体はこういう幻想を抱く傾向が強い。それは先日も書いた。

ニーズを探るということと、もうひとつ、どれだけコストがかかるかを試算するのにもポップアップは役に立つ。案の定、Her Workspaceの創設者Marilynn Joyner氏は、このポップアップを経て、ビルオーナーに大幅なディスカウントを要求している。当然の成り行き。

ところで、記事によると彼女の前職はCBREの女性エージェントだそう。道理で。その経験がHer Workspaceの展開に大いに活かされている。

CBREグループは、世界最大の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社で、 約130,000人の従業員が、世界100か国以上のクライアントを相手にサービスを提供している。不動産ビジネスのエキスパートだから、ポップアップしてテストするという発想が湧くのも当然といえば当然だ。

ニューヨークにあるCBREの250人のオフィスの18人の女性エージェントの1人として、Joyner氏は、他の女性から学べるコミュニティとしての「第3のスペース」を常に望んでいたと語った。元テナント・エージェントの彼女は、2021年に破産申請する前の短期間、The Wingに参加したこともあったが、あまりに高額な料金で彼女が望む包括性とアクセシビリティが得られないと感じたという。

あー、すでにその頃からこの日の準備をしていたわけか。用意周到とはこのことだ。

The Wingが経営破綻したとき、彼女は女性やノンバイナリーな人たちがもっと利用しやすい、女性に焦点を当てた新しいコワーキングスペースを作るチャンスがあると考え、自分の豊富な商業知識を活かして会社を成功させた。エージェントとして彼女は、The Wingが適切な賃貸契約を結ぶための知識ベースを持ち合わせていなかったことを目の当たりにした。それが閉鎖の一因となったという。

テナント・エージェントでありながら、自身、その当事者として理想とするコワーキングを構想していたと。

「彼らは、率直に言って、市場にそぐわない伝統的な賃貸契約を結んでいました。不動産取引の交渉に関する重要な知識を持っておらず、それをサポートする適切なブローカーもいなかったのです」

その点、彼女はプロだから専門知識と経験がモノを言って上手にパートナーを選んでいるようだ。

ニューヨークでは200人の会員が月195ドルで利用している。ニューヨークでこの料金は結構安いと思うが、かつてのThe Wingの約半額。先の資金調達の話といい、当時がいかにバブリーであったかが判る。

会員はワークスペース以外にHer Workspaceが1月から開催している75の対面式およびバーチャル・イベントも利用できる。その中にはメンターシップ・プログラムもある。男性もOKだが、「女性の味方であること」が条件だ。

Her Workspaceは2030年末までに12の市場に進出したいと考えており、L.A.、D.C.、ボストン、シカゴでのイベントも計画している。男性優位の業界で働く女性にとって、まさに「第3のスペース」として、今後の展開が楽しみだ。

そろそろ日本でもこういうコワーキングが出てこないかなぁ。で、その前に必ずポップアップでテストしよう。

ということで、今日はこのへんで。


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