『これからの中途採用で勝つ方法、お教えします』九州経済産業局主催の人材戦略パッケージプログラム2023でトレーニングをさせていただきました
採用・離職防止のパーソナルトレーナーのカンヤケケンイチロウです。
機会をいただき、九州の約50社の企業様向けに、転職・中途採用に関してのヒントについてオンライントレーニングさせていただきました。
講演は2時間。内容は採用活動、特にオウンドメディアを活用した中途採用の進め方に関して。ワークショップ的な時間も交えながら『採用戦略の立て方』『最適媒体の選定』『求人告知 応募促進』の領域を説明し、『採用サイトの作り方』『求人原稿の作り方』を簡単にトレーニング!
ご紹介した採用手法やテックツールを使ってみたいと評判も非常に良かったとのことで嬉しいです。
私は『集客→導客→検証と改善→集客』のループをトレーニングのベースにしています。今回のお話もこれに沿って行いました。時間の関係で今回は集客だけでしたが。機会があれば後半の導客のところもお話ししたいですね。せっかく応募を獲得しても取りこぼしてはもったいない。ここも非常に大切です。
お話ししたポイントは以下の4つです
採用環境を先読みしよう
ティーアップ部分でもあるこのパートでは、今の日本の採用環境とこの先どうなるのか?に関してをさらっとお伝えしました。正直、いろんなところで聞かれていて「わかっとんねん・・・」と思われたかもしれませんが、高卒採用の難易度がこの5年で強烈に厳しくなっているグラフと、それを生み出している構造をお伝えし、生半可ではヤバい!ということをしっかりとご理解いただけたのではないかと思います。
今すぐできる採用テクニック
このパートでは、求人手法選択の考え方と、他社が行っていないニッチな採用手法をアナログとデジタルであわせて10個ほどご紹介しました。
求人の応募はどんな求人サービスでも共通で「求職者に情報をとどける力(Delivery)と「応募ボタンを押させる力(Action)」の掛け算から導かれます。ここで大切なことは、マトである「採用ターゲット(求める人物像)」を明確にすること。これが決まらないと全てがずれてきます。
「応募さえしてくれたら誰でもいい」と言いつつ、実際応応募があっても「うーむ、ちょっと、、、」と面接で落としがち。この『感覚的なストライクとボール』を共通言語化する事が大切で。この言語化の進め方、『求める人物ターゲット』の見つけ方をトレーニングしました。これが見つかると、彼の情報収集動線の中に求人メッセージを置けばDeliveryの準備は完了です。
いくらTikTokが流行しているからといって72歳のシニア採用に向く採用ツールかというと疑問に思いますよね。若者を採るの新聞広告の選択を行わないのと同じ発想です。見てないでしょ、きっと。採用したい層が見ていないところに求人広告を出しても意味がないのです。
「どんな人を採用したいか?」がわからなければ、まずは自社で活躍している人、こんな人を増やしたいと思う人をイメージします。彼が朝から晩まで何をして過ごし、何から情報収集を行っているのか?イメージしてみましょう。実際に聞いてもいいかもしれません。その行動導線に求人広告を出すのが応募獲得の近道になります。
一昔前に、東芝、NEC、キヤノン、NTTなどの研究開発工場がひしめくJR南武線で、愛知の某自動車メーカーがゲリラ的な広告を出しました。すごいことをする、とネットでバズったわけですが、ターゲットであるエンジニアの行動動線に広告を掲示して、今の会社のままでいいのかと悩んでいる層へPRしている、きわめて戦略的な手法なんですね。こういった方法も実は理にかなった採用手法なんです。潜在的なターゲットを狙うならこんな手法とか。
顕在的な転職願望があるターゲットには、人材紹介事業の裏側構造から、給与待遇が大手に劣る中小企業にもちゃんといい人材を紹介してくれる仕組み(circus AGENT、リクナビHRテック転職スカウト)や、自社の採用力を測定するツール(HR FORCASTER)を紹介しました。特に自社の求人票をもとに市場での自社採用競争力を理解したうえで採用戦略を立てられるHR FORCASTERは非常に優れモノで、私の採用トレーニングでも早い段階で使用し、視界を共有しています。これらのツールの何がいいか?は別の機会にnoteで詳しく紹介します。
そのほかに、ハローワークのシン活用法、人材のレンタル移籍、オーディション採用、フィーリングカップル5vs5方式のお見合い採用、ジモティーの活用などなど。やり方はいくらでも引き出しがあるのでこのパートの話は楽しいですね。
魅力発信できる求人票の作り方
最後のパートでは、採用オウンドメディア(採用サイト)が有効な理由を説明し、自社でもセルフサービスのツールを使って採用を行うための「いい」求人票の作り方をワークショップ的に行いました。
なぜ採用サイトが有効なのか?単純に求職者の求人活動で使われるツールへ求人情報を『発射』しやすいからです。
マイナビキャリアLabの2021年調べで、仕事探しを行う際に求人情報サイトに次いで多いのは『求人検索エンジン』でした。Indeed、Googleしごと検索、求人ボックス、スタンバイ、career Jet、など。これら複数の求人検索エンジンへ直接求人を効率よく掲載させるのが採用サイトです。
もちろん個別投稿もできますが、採用人事を専任で置けない忙しい中小企業は、5種類以上の検索エンジンへまとめて求人情報を送ることができるこういった便利なツールは積極的に活用したほうが良く、コスト圧縮や採用ミスマッチ防止にもつながります。
高校生採用時に学校の先生へ自社の魅力を伝えるときにはそのサイトをスマホで見せればいいし、生徒の親御さんを安心させる材料にもなる。まさに一石四鳥な令和版の求人看板・求人張り紙として一家に一台お持ちいただくのが良いかと思います。
これを年間50万円程のランニングコストで維持できるのがCMSタイプのSaaS型採用サイトなのでコスパが最高なわけですが、セルフサービスでサイトと求人票をつくらないといけないのが難点。ナビゲートの仕組みもありますが、求職者の求める情報を入れないと魅力的な求人サイトにならず、採用難のこのご時世に彼らに選んでもらえません。
なので、そのために必要なポイントは何か?これは皆さんにもクイズにしたいと思います。
そして求人票の作成において注意しないといけないのは法令順守と的確な表現。2022年10月に施工施行された改正職安法では、これらに対しての厳格な対応を求人サービス業者だけでなく、求人票を世に発信する企業自体に求められてきています。法令は「労働基準法」「男女雇用機会均等法」「雇用対策法(年齢表記)」、育児介護・休業法、健康増進法(喫煙問題)にもケアが必要です。昨今のツールには違法表記へのアラートやナビゲーションも設定があります。
そして特に気を付けないといけないのは無意識な差別表現です。悪気が無いのがヤバいのです。最近のIndeed神隠しの事例ではこういった差別表記に気が付かなかったことも多くみられています。
どっぷり求人広告に浸って毎年テストされ学んできたわれわれには直感的にわかるのですが、初見の方にはなかなかむつかしく。最初はカスタマーサポートを活用したり、初期作成をまるっと受けてくれるサービスもありますので活用するのも有効な打ち手と思います。
最後に 質問への解答
Q:採用サイトを複数持っているがひとつにした方がいいか?
A:ケースバイケースで何ともいえない。
検索エンジンは重複求人を排除する傾向にあり、同じ案件の求人を複数のサイトに掲載して露出を稼ごうとしているのであれば、共倒れリスクがありまとめたほうがいい。
それぞれのサイトで用途が違う場合(高卒向けと大卒向け、社員向けとアルバイト向け、など)はまとめるほうがマイナスになるので別々の方がいい。無料ツールを活用して店舗ごとでサイトを創るというのも面白い。
Q:今回は話さなかったが、応募受付で気を付けることはあるか
A:面接設定、面接までの時間と工数を最短にすること。間が空く、手数が多いと離脱するリスクが高い。botで自動応答できる仕組みを入れる、飲食店やホテルの予約のように、カレンダーから面接日・時間を予約できる仕掛けを入れることでリスクがヘッジできる。
普段からこういった「講演」や「採用のパーソナルトレーニング」を行っています。このコラムを読んで、ちょっと話を聞いてみたい、と思われた方がいらしたらお気軽にご相談ください。お役に立てましたら幸いです。
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