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「理念経営」と「データドリブン経営」そして「物語経営」の掛け算でオンリーワン企業を作ろう。

会社取り組みを経営戦略のフレームで考える

最近ありがたいことに様々な媒体でも紹介され、また採用でもたくさんの優秀な方にもジョインしていただいています。2年前からすると考えられない状況です。

まだ自分が会社を第4創業として変え始めて1年半の取り組みなので、まだまだ足らないところもあるのですが、さらにこの取り組みを発展させていきたいと思っております。

その際に、会社の移転やDXなどの取り組みをどのような経営上の戦略でやっているのですか?と聞かれる事があるのですが、正直、やらないといけない事を片っ端からやってきたので、ちゃんと整理はできていませんでした。
そこで、今までの取り組みを経営戦略的に捉えた場合、どのように説明できるのか考えてみました。

「理念経営」と「DX」という両輪、「物語」という三輪

この前CHROの池田くんと「これからの地方中小企業の経営に必要な要素」について話したのですが、彼は「理念経営」と「DX」が新しい地方中小企業の経営の両輪になると言っていました。

その先にその思考を進めると、それに「物語」を加えて3つ必要な要素があるのではないかと思っています。そしてその3個を高いレベルで掛け合わせる事がオンリーワンである未来の地方中小企業をつくると感じています。

「理念経営」がなぜ大切か

理念経営をしているというのは、ミッション、ビジョン、バリュー(いわゆるMVV)に基づいた「会社の存在意義」「会社の向かう先」「会社の価値観」をしっかりと説明できる会社経営をしているということです。(詳しくは理念経営2.0を読んでください)

MVVにより、なぜあなたの会社が存在してるかに答える事ができるようになります。そして、MVVが揃うと、たとえ経済合理性に合わない経営決断でもできるようになります。

KOBIRAのケースで言うと、Hamapokeとかシャッター温泉街への本社移転とか、街まるごとオフィスとか、明らかに経済合理性はないわけです。ただ僕らはMVVに沿ってそう言う決断をしたし、それが社会に面白がってもらえています。そのような非合理的な決断の積み重ねが、人を引きつけ、地方の希望の星となる存在へと仕上げてくれます。

DXは「データドリブン経営」のためにある

2つ目の未来の中小企業を作るポイントはDXを行うことで現場の情報を可視化し、そのデータに基づいて経営を行う事ができる「データドリブン経営」であることだと思っています。

DXには3ステップあると思っています。

Step1:データの可視化を通してデータに基づいた経営を行う
Step2: 可視化されたデータから非効率的なフローを抽出し自動化する
Step3: 顧客データと組み合わせて、新しい顧客体験を生み出す

もちろん、3個同時に進めるのも手ですが、うちの場合は、Step1,2に先行して3を進めようとした取り組みはうまくいきませんでした。
まずはStep1ですべての会社の活動をデジタルでデータ化し、その上で判断行うデータに基づいた経営を行います。その結果を共有、Step2,3のためな土台を作ると言うのが重要です。

すべての決定がデータに基づいて行えるようになると、社員まで含めて、議論の土台ができ、スピーディーに意思決定や行動支援を行えるようになり、社員が結果を出しやすくなる好循環も生まれるかと思います。

その会社にしか存在しない「物語」が紡がれていること

3つ目がその会社にしか存在しない物語を大切にし、紡いでいることです。

KOBIRAたちのような100年を超える会社と言うのは、初代、先先代、先代から紡がれた物語を持っており、時々の形に合わせたビジネスの形の挑戦や様々な意志決定などストーリーが紡がれてきました。

そのような紡がれたストーリーを継承しつつ、次の時代の形に合わせるということが歴史を持つ企業の強みであり、さらにそのようなストーリーがあるというのは多くの人々の共感を得ることであると思います。そのような物語を会社のナラティブとする事を「物語経営」と仮に呼ぶことにします。

KOBIRAの場合は、先祖が海賊だった(と言う真偽不明な話)があり、初代の発明家兼鍛冶屋の昇之進、2代目(祖父)でLPGガス事業の基礎を築いた五郎、3代目(父)で多角化を進めた亮一など、彼らのストーリーはとても面白いです。先日も、父と当時の番頭さんと話してたら、IT事業を起業当初の孫さんと一緒にやっていたことあるそうでビックリしました。

その会社が時代を経てピンチとなり、海外や学問にフラフラしていた自分が一念発起して会社をさらに押し進めようとしている、と言う物語は人を惹きつける事ができているから、その参加者になりたいという人も現れてきているのではないでしょうか(ありがたすぎて涙出る)。そのような物語は私たちの大切な財産であり、しっかりとこの後も紡いでいく必要があります。

「理念経営」x「データドリブン経営」x「物語経営」

今、KOBIRAの価値は、「理念経営」「データドリブン経営」「物語経営」の3個の掛け合わせが作っていると思います。「田舎にある111年の古い会社なのに、経営理念を作り、それに合わせた組織制度を整備し、DXを進めてデータドリブンの意思決定を推し進め、最先端の中小企業であろうとしている」と言う組み合わせが面白いと思っていただいているのではないでしょうか。

正直、まだまだ調子に乗れるようなフェースではないのですが、これからも爆速で改善を進め、この3個の要素を突き詰めた、究極の中小企業を作れるよう、その楽しい旅路を送れたらなと思っています。

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